春日大社の御本殿特別参拝
2015年6月29日月曜日
10:49
春日大社は、全国一千の春日神社の総本社。
2015年は20年に一度の式年造替の年ということで、御本殿特別公開が催されてた。普段は立ち入り禁止となってる内院だけど、神々様が
式年造替について調べたところ、春日大社第六十次式年造替奉祝行事実行委員会のサイトによると、
「式年」とは「定まった一定の年限」、「造替」とは「社殿を造り替える」という意味。とのこと。遷宮と違うってのはそういうことか~。
神さまがお引越しされることを「遷宮」といいますが、春日大社では本殿の位置は変えずに建て替え、あるいは修復を行うため「造替」といいます。
さらに春日大社公式サイトにはこうある。
実は造替といっても現在は新築にしません。御本殿は国宝、多くの諸社殿は重要文化財に指定されています。造替の本義は先に述べたとおり新たにすることですが、文化財保護の法律によって新築にはできません。傷んだところを修理したり、御色を塗り替えたり、御屋根を葺き直したりという大修理が行われます。じゃあ文化財保護法を読んでみるか。e-Govウェブサイトに全文が掲載されてるので、そちらから引用。
第一条 この法律は、文化財を保存し、且つ、その活用を図り、もつて国民の文化的向上に資するとともに、世界文化の進歩に貢献することを目的とする。法律の目的にのっけから書いてあった。有形文化財の章にも目を通したけど、修理についての条文があるだけで、やはり保存が大前提ということか。造り替えるんじゃなくて、今ある建物を残せ、ってことだね。
つまり、国宝に指定されてる春日大社は、式年造替といっても建て替えるワケではないと。
こうして考えると、式年遷宮を1300年もの長い歳月にわたって続けてる、伊勢神宮の伝統の重みをより実感するなぁ。世界遺産はおろか、国宝ですらない伊勢神宮。そうなれない、ならない理由の重みを、こんな形で改めて思い知ることになろうとは。
春日大社が世界遺産であることの凄さも、もちろん重々解ってるよ。それほどの価値ある場所だから、行きたかったんだしね。
前置きが長くなったけど、式年造替という保存修理中の限られた期間、御本殿を間近に拝観できる滅多にないチャンス。6月30日までだからギリギリだ。
東大寺をあとにした僕らは、その足で春日大社の参道を目指した。
単純に距離だけ考えても、ここから行くのが近道。陽射しの強い日だったけど、緑に囲まれた参道はとても涼しかった。
二之鳥居までやって来たところで、近くの自販機でドリンクを調達して小休止。
平日にも関わらずかなりの人出だ。みんなお目当ては一緒かな。
最近お寺ばかり行ってたので、神社はなんだか久しぶりに感じる。一礼して鳥居をくぐり先へ進んだ。
しばらくすると、美しい南門が見えてくる。人混みに急き立てられるように中へ。
ここから先、回廊内は撮影禁止のため、写真が全然無いけど、しっかり文章で残そう。
まず、参拝所となってる
ただ、普段なら正面の御本殿に神様がいらっしゃるけど、式年造替の間は御仮殿に移られてるので、左のそちらのほうを向いて参拝するよう、案内板に書かれてあった。で、おお、そうか、と思ったのに、お賽銭を入れて二拝二拍手一礼ってやってたら、いつもどおり正面向いてしまってた。癖付いてきてるのかな。
続いて特別参拝入口に向かう。結構な行列が作られてたけど、気にせず最後尾に付くことにした。どのみち撮影できないなら、人の多い少ないはそれほど構わないし。
列に続きながら、朱塗りの回廊を歩く。ここも綺麗だ。無数の釣燈籠にまた風情がある。
10分ほど並んで、ようやく拝観料を払う所まで進んだ。その引き換えに巫女さんから、パンフレットと栞みたいな御参拝の証、記念品として
順路に従って林檎の庭を通りぐるぐる歩いていくと、次は御仮殿参拝所。
この
そこを出たら、140年ぶりに開門したという
ここにはたくさん神社があって、その中に
そして、いよいよ御本殿。
それをこの目で確かめた。隣り合ってる社と社の境目の段差、ちょっと引いて全体の屋根。それらを見ると、第四殿、第三殿、第二殿、第一殿と、徐々に上ってるのが判る。先人たちの信仰心に思いを馳せると、実に面白い。
同じように見てる参拝者は、意外にも辺りでは見掛けなかった。
ひとしきり感心したところで、御本殿の前から去った。
御蓋山は神奈備として崇められ、現在も入山が厳しく制限されてるらしい。禁足地とされてる所へ足を踏み入れられるって、なんだか緊張するな。静かにしなくちゃね。
これで一通り大宮を巡った。回廊の中だけでいっぱい参拝するところがあるんだな~と。
や~、見所盛り沢山。テレビ番組で得た情報と相まって、非常に充実した時間を過ごせた。
ただ、初めての春日大社が特別なときになってしまったので、平時にもう一度訪れてみたい。