延暦寺東塔地区

2015年6月13日土曜日 10:43
例によって早朝5時起床の6時出発。嫁も、「またか」といった程度で慣れたもの。
第二神明から阪神高速を経由して名神に入り、京都東インターで下りる。道が空いてたお陰で予定通りの時間だ。やっぱり、多くの人が動き出すより前に動いたほうがスムースだね。
西大津バイパスを少し走ったら、高砂町付近でUターンして南志賀ランプの交差点で右に折れるという、ちょっと変わったルート。
そこから山道らしい曲がりくねった道を行くと、比叡山ドライブウェイに入る。ここでお得なのが、公式サイトで手に入る割引券。奥比叡ドライブウェイのサイトでも同じ物が入手できる。出口精算なので、必要になるのは出るときだけど。
まだ8時にもなってないからだろう、ドライブウェイに入ったら、前後に車が見当たらなくなった。良い傾向だ。
時間に余裕があるので、『夢見が丘』で休憩。駐車場には一台だけ停まってた。展望台からの眺望が良いらしいから寄ったのだけど、この日は霞がかってほとんど真っ白。目を凝らしてやっと琵琶湖の輪郭が判るかな~くらい。残念。6月だというのに黄砂のニュースがあったけど、まさかその影響じゃないよね。
景色はあまり楽しめないし、何台か先に上っていった車も見掛けたし、トイレだけ済ませて発った。

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ほどなくして、延暦寺東塔地区の第1駐車場に着いた。先客は数えるほどしかいない。ガラガラなので、日陰を選んで停めた。
ここの巡拝時間は8時半からだから、あと20分ほど待つ。その間に嫁は、サンダルからスニーカーに履き替えてた。賢い。砂利道坂道、階段もあるから、そのほうがベター。

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簡単に延暦寺について覚書。
延暦寺は天台宗の総本山。延暦寺とは、そういう名前の寺があるのではなくて、東塔とうどう西塔さいとう横川よかわと呼ばれる3つの区域に分かれている比叡山の、それら全体の総称を指す。それぞれの区域に本堂があり、東塔にある根本中堂こんぽんちゅうどうが総本堂。
歴史的に見れば、最澄が開いた寺であり、良源、親鸞、日蓮といった名立たる高僧が修行した場所でもある。あとは、織田信長による焼き討ちが有名。……学生時代に、教科書で勉強した名前がズラリだな。

5分前にぼちぼち車から出て、まずバスセンターに寄った。音声ガイドを借りるのだ。目印にのぼりが立ってる。
外で掃除してたセンターのおじさんが、チラリと腕時計に目をやってから、「どうぞ」と言ってくれた。事務所の受付みたいな所で貸し出しの手続きをする。
レンタル料金は5百円で、ガイドペン紛失等のためのデポジットに千円が必要。ペンを返却したら千円は返ってくる。
おじさんが丁寧に、ガイドの使い方と返し方を説明してくれた。
先に言ってしまうが、音声ガイドペンを借りたのは大正解。比叡山の堂塔について詳しく調べてないなら、めっちゃ役立つ。旅行雑誌と比較しても身軽。ペンは首から提げて、薄くて小さい冊子を、案内が聞きたいときに開くだけ。ペンの頭がスピーカーになってるので、二人で一緒に聞ける。堂内や周りに聞かれたくないときは、イヤホンを使うこともできる。これで5百円は安い、と僕たちは感じた。

丁度時間を過ぎたことだし、受付所に向かう。
そこで国宝殿拝観料と巡拝料がセットになった券を購入した。これで三塔全部と国宝殿に入れる。ただセット料金でも、ちっとも割引にはなってない。百円くらい引いてくれたらいいのに。

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国宝殿は9時からなので一旦通り過ぎ、大講堂へ。
前に立って早速、音声ペンで冊子の『大講堂』を指してみる。すると、そこの解説音声が流れ出す。簡易的ではあるけど、自分たち専属の案内人がついてくれてるみたい。これは結構使えるな~。

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続いて鐘楼。
ガイドによると、テレビでやってる除夜の鐘はここの物だそうだ。しかもそれを、自分たちで撞いても良いと。おお、これはなかなかできない経験だ。

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ならばやってみるしかあるまい。
賽銭箱が置いてあり、一撞き5十円を奉納。横に「連打禁止」と注意書きが立て掛けてあるのが、おかしかった。
嫁が鳴らしたあとは、僕の番。できるだけ大きな音を出したいから、思いきり撞木を引いて梵鐘を撞く!
ゴォオォオォオォオォンンン……。目の前で鳴らすから、スッゴい響く。普段遠くで鳴ってるのを聞くのとは違う、反響音。なんか感動する。

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萬拝堂まんぱいどうはかなり新しいお堂。
中に、百八の玉を配した台が設置してあって、時計回りに触れながらお参りする。せっかくだからやってみた。書いてあるお経も唱えてみる。世界平和を祈るのなら、それは良いかなぁと。

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根本中堂には、言い知れぬ威圧感のようなものを覚えた。近寄りがたいというか。
石段を下りて眺めていると、後ろからバスガイドさんに引き連れられた団体客がぞろぞろ。9時を過ぎたからか。

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あれに巻き込まれたくないという気持ちもあって、さらに急な階段を上って、文殊楼もんじゅろうへ。昔の階段って一段々々が高い。
ここは靴を脱いで楼閣の上まで上がることができた。あちこち入れるって良いなぁ。

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大黒堂。
ガイドを聞いたはずだけど、印象に残ってない。

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大書院は関係者以外立ち入れない。
6月なのに紅葉してる木があるのが不思議。どうやらそういう品種があるらしいが。
その奥の延暦寺会館は、宿泊だけでなく精進料理を頂くことができる。昼食はそこで摂る予定。
さらに進めば法然堂があるようだが、ちょっと距離が離れてて時間が掛かりそうなので、やめにしておいた。そちらから登ってくるハイカーは見掛けた。

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戒壇院かいだんいんは、戒律を受けて、僧になる場所。だから最も重要な場所だそうだ。それと聞かずに来たら、すぐ通り過ぎてしまいそう。

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法華総持院ほっけそうじいん。左が東塔で、右が阿弥陀堂あみだどう
これぞ比叡山延暦寺といった眺めだ。パンフレットなんかで見る写真より、朱がやや褪せた色になってるね、実物は。もっと鮮やかで美しいのを期待してたのに、それが少し残念といえば残念。仏閣や仏像を、僕は芸術品と捉えて見てるのでね。

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東塔と阿弥陀堂は渡り廊下で繋がってた。このつくりはカッコいい。
阿弥陀堂の中では、二人のお坊さんがお経を上げてたので、しばらく正座して聞いてみた。

おおよそ一周できたところで、国宝殿まで戻って今度はそこに入る。
釈迦如来坐像や五大明王像といった仏像以外に、書跡なども展示されていて、見応えがあった。空気清浄機がそこここに置いてあって、それら文化財の管理にかなり気を遣ってるのが見て取れた。

結構ゆっくり巡ったつもりなのに、2時間ほど。
売店で土産物を物色して、嫁が祖母の好きそうな根付を見つけたので、それだけ買った。
お昼には早いから、西塔エリアへ進むことにする。
駐車場に戻ると、あんなにがらんとしてた所に車がびっしり。観光バスだって何台も停まってた。つくづく朝イチに行って良かった。ゆったり回れた。

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