出雲大社八足門内特別参拝ツアーに参加してみた
2016年2月18日木曜日
14:59
出雲大社のそれが一畑トラベルサービス主催の『古代出雲歴史博物館ガイド付き観覧と出雲大社「八足門」内での特別参拝(神職がご案内)』。タイトルが超長いが、内容を充分説明してある。出雲大社本殿や楼門を間近で見られるだけでも素晴らしいのに、それ以外の内容も非常に魅力的。これは是が非でも参加したい。
このツアーがあったから島根旅行を企画したようなもの。これを見つけた去年12月の申込み当時、今年の3月までの期間限定となってたから、慌てて2月に行くことにした。でなければ、わざわざ寒い時季に山陰に旅行なんてしないよ。
でも今確認したら、催行日カレンダーが9月まで増えてる……。まぁいい。とても良いツアーだったのは間違いないから。
では参加した特別参拝ツアーの内容について記そう。
集合場所は島根県立古代出雲歴史博物館のツアーデスク。館内の案内に従えば迷わず行くことができた。そこで予約者の名前を告げて受付。
出発時刻の10分前になると、参加者たちは一箇所に集められ、スタッフから説明と諸注意を受けた。このスタッフさんがやけに緊張気味だった。あんまり慣れてないのかな。
バトンがガイドに渡ると、この方は流暢に話しだす。壮齢の女性で、感じの良い方だ。あとで嫁がスゴク良かったって褒めてたくらい。確かにこの時のガイドさんはアタリだった。あちこちですれ違った他のガイドと思しきおじいさんたちは、なんか面倒な感じしたからねぇ。
参加者は自分たちを含めて6,7名とごく少数。もっと少ないと思ってたけど、それでもこの人数なら落ち着いて回れる。ちなみに、僕を除けば全員女性だ。この偏りはなんだろう。
ツアー参加者識別用のバッジを目立つ位置に付けたら出発。
まず歴博の常設展示を案内された。
出雲大社境内遺跡出土の
ガイドさんは本当に出雲大社が好きみたいで、そのせいか話が長くなり、予定時間をちょっと押してしまった。だけど終始楽しそうにお話してくれた。
展示室を出たら一旦、情報交流室に戻ってトイレ休憩。
続いて、アウターを着て施設の外へ。歴博の建物は大社本殿の高さより低く造られているとか、アプローチの縞模様は古代出雲大社の前に張り出してた階段をイメージしてるとか、そんな話を聞いた。
勢溜に向かう際は、やはり少し遅れてるからか、やや早足での案内だった。
参道に入り、祓社まで来ると、ちゃんと寄ってお参りさせてくれた。こっちは少人数とはいえ団体行動なので、他の参拝者の邪魔にならないよう、社から離れたところから二礼四拍手一礼。端折られるかも知れないと思って事前にここだけ参ってからツアー参加したのだけど、取り越し苦労だったか。
あちこちにあるウサギの像や出雲神話など、ポイントを押さえた解説を聞きながら参道を進む。松の参道の鳥居のところで目線を下げると、本殿の屋根がちょこっと見えるなんていうのは、言われないと気づかなかったね。
境内に入る前に手水舎で身を清める。境内から西に見える掲揚された日の丸も、歴博と同じように本殿に遠慮して低く抑えられてるそうだ。
それから、拝殿には向かわずその奥の八足門の前まで行く。ガイドさんとはここでお別れ。バッジを返却し、正装の代わりになる白い布を掛けることになった。
ガイドさんには心からお礼を言い、ここからは若いメガネの神職さんに付いて八足門の脇から瑞垣内へ。
入って左手、西側の屋根のある所に参加者たちは並ばされ、まずお祓いを受けた。僕は初めての体験。あの紙の束が付いた棒をサッサッて。あの道具、
それが済んだら、神職さんに促されて、各々楼門の前で拝礼。特別で神聖な場所ってこと以上に、神職さんの前ってのがやや緊張する。
このあとは、瑞垣の屋根の下に戻り、神職さんから出雲大社の由緒や遷宮について、詳しい解説を聞いた。こういった話をするのには割と慣れてらっしゃるようで、つらつらと言葉を紡いでおられた。神話は良く勉強したけど、本殿そのものの歴史や建築面での説明は知らないことが多く、興味深かった。
約60年おきの遷宮は、その技術継承が難しいという。指摘されてみれば、なるほど確かに。技術者が減るし、次の世代に直接教えながら作業をやるのも困難だ。伊勢神宮の20年周期の式年遷宮は、技術の継承という側面も強いらしいからね。
写真は八足門の外から撮ったもの。八足門内部は撮影禁止なのでね。
この度の修造で最も変わったのは、
そんな感じでお話は大変面白いのだけど、寒空の下、ずっと立ちっ放しというのがなかなかツライ。参加者の中の1名が歴博巡ったあと体調不良を訴え、参拝のほうは断念されてたんだけど、あの判断は正しかったと思うよ。こんな風に立たされ続けたら倒れてたかも。嫁もコレがキツかったと、あとで述懐してる。
最後に、記念品として本殿の大屋根を葺き替えて出た、桧皮の古材を頂戴した。包み紙にも桧皮を混ぜてあるそうで。
元々はあの本殿の屋根に使われてた物の一部。そんな貴重で有り難い品を頂ける機会は、そうそうあるものではない。神職さんのおっしゃる“縁”とはこういうことだろう。
立ちっぱは我慢できるから良しとして、一方的に話を聞くばかりだったのと、瑞垣内の本殿以外の社殿を拝めなかったのが、ちょっぴり残念。とはいえ、とても価値ある時間を過ごすことができたと思う。これでひとり3千円は安い。