須我神社で清々しい気持ちに
2016年2月19日金曜日
10:27
須我神社は、島根県雲南市の、公共交通機関ではアクセスの不便な土地にある神社。レンタカーを用意することにしたのは、ここを訪れることが目的のひとつであるくらいだ。
創建は神代で、主祭神はスサノオとクシナダヒメと、2柱の御子神である
スサノオがヤマタノオロチ退治のあとに建てた宮殿が、神社になったものと伝えられており、
出雲で一泊した翌朝、ホテルを出たらまず、予約しておいたレンタカーを受け取りに行った。念のため、スタッドレスタイヤをオプションで装備。ナビに須我神社の住所をセットしたら出発だ。
道路が空いててストレスなく運転できた。お陰で予定よりだいぶ早く着けそうだったんだけど、目的地まであと数キロという時点で、事故による大渋滞にハマってしまった。抜けるのに30分以上掛かり、結果的にはオンスケに。遅れに繋がらなくて良かった。
途中の路肩には、数日前に降ったとみられる雪が寄せて固めてあった。僕の睨んだ通り、この地域では積雪もあり得たワケだ。
神社の鳥居まで来たところで、駐車場を探す。目立たずかなり判りにくいが、案内板があるにはあった。
駐車場らしき空き地には、まだまだ雪が残ってた。慎重に車を停める。スタッドレス履いてて安心。
あたりに人気はなく、とても静か。鳥居の佇まいにも静けさがあり、眺めてるだけでなんだか気持ちが良い。一礼して鳥居をくぐり、雪を踏みしめて久しぶりに味わうその感覚を楽しみつつ、手水舎で身を清めた。
撮影は後回しにして、まずは石段を上り、拝殿からお参り。僕たちの他に参拝客はいない。前日の出雲大社とは大違い。だけど、こういうほうが落ち着いて拝礼できるから好き。
そのあと脇にある授与所に行き、御守を授かった。
正月早々嫁が風邪をひいたため、初詣に行ってなかった僕らは、今回の旅行がそれを兼ねてる。僕は毎年、交通安全御守を新しく授かることにしてるんだけど、出雲大社のは財布に入れにくそうだったので、他所で探すことにした。それで、ここ須我神社のを気に入ったから頂いた。
スサノオは厄除けの神として名高いので、厄除開運御守も良いね。
本殿を見上げ、神話に思いを馳せる。
ヤマタノオロチを倒してクシナダヒメを娶り、二人で住むための宮殿を造るべき土地を求めて、この地に辿り着いたスサノオ。「吾此地に来て、我が御心すがすがし」と言ったことから、この土地を須賀という――なんて、ダジャレで名付けられた地名。先に地名ありきであとから作られたお話だろうけどね、神話って面白い。
また、宮殿を建てたときに雲が立ち上ったのを見たスサノオは、歌を詠んだ。
八雲立つ 出雲八重垣 妻ごみに 八重垣作る その八重垣をスサノオの詠んだこれが、日本最初の和歌とされる。僕の勝手なイメージだけど、柄にもないことするなんて、よほど機嫌が良かったのかなぁって。同じ言葉を繰り返すリズム感が良い。声に出して読みたくなる。
摂末社や隣のお寺も軽く回る。雪の積もった境内が美しく、こんな寒い時季に来るのも悪くないなと思った。
拝殿や本殿を少し離れた所から仰ぎ見ると、本殿を挟んで並び立つ2本の杉の木に、寄り添うスサノオとクシナダヒメの姿が重なって見えた。日の丸も掲揚されてて、絵になる光景だ。
島根には日本神話ゆかりの地が数多く点在する。そのひとつである須我神社は是非訪れたかった神社で、こうしてそれが叶って嬉しい。
斐伊川の周辺にも行ってみたいスポットがあるし、まだまだ興味は尽きない。島根がぐっと身近に感じられるようになった。