神魂神社を静かに参拝
2016年2月19日金曜日
14:40
記録の少ない神社のようで、創建時期は不詳。アメノホヒが創建したと伝えられてるが、延喜式にも出雲国風土記にもそうした記載が無いという。一方で、
出雲大社との関わりや国宝の社殿、そして謎の多さに惹かれ、ここを参拝することにした。だから、神話との接点は薄いな。
松江の中心方面に向けて西へと走り、神魂神社の駐車場へ。道路にデッカい看板が立ってたから、曲がる道が判りやすかった。
駐車場に着くと、先客が数台。そのなかに、見覚えのある車種が。黄泉比良坂であとから来た車じゃないか。よもやプランがかぶってるとは。
駐車場から近いためすぐ境内に入れるが、北にもうひとつ鳥居が見える。せっかくなので、そちらから参ろう。
そう考えて歩いていくと、畑の端にピンク色に咲いた梅の木があった。図らずも梅見ができたよ。綺麗だなぁ。
一の鳥居の前に着く。
カメラを構えてると、後ろから、こんにちはと挨拶された。振り返ると、若い女性の神職さん。僕らも挨拶を返す。そのまますたすたと神社に向かっていった彼女は、装束の上からダウンを羽織ってた。神職といったって、うん、寒いよね。
少し間を空けて、僕たちも鳥居をくぐって参道を進み、二の鳥居へ。
ゴツゴツした岩といい太い字体といい、力強さのある社号標だ。
緩やかな石段を上がっていくと、右手に急な石段、その脇に手水場があった。手水するときに屋根が無い所って久しぶり。
柄杓が竹でできてて、珍しいと思った。柄が細いから若干やりづらい。
なかなか角度のある階段を登り切ったら、拝殿にて二礼二拍手一礼。黄泉比良坂のあとにイザナミを拝むという、そういう意味では連続性があるね。
国宝の本殿の周りをぐるぐる回りながら、色んな方向から眺めてみた。
大社造の社殿をこうして間近で見ることができるのが、まず嬉しい。出雲大社のそれでは、特別に八足門の中に入れてもなお楼門に阻まれたからなぁ。切妻造の屋根の傾斜と千木と、ひときわ張り出した宇豆柱のバランス。やっぱこの造りはカッコいい。
背後に回ると、組み上げられた木々とそれらを支える数々の太い柱が良く見える。この光景を前にしてワクワクした。どうやら僕は建築というか構造物を観るのが好きみたい。ここでようやく自覚した。
本殿向かって右側に並ぶ末社。左から、
釜が祀られてるのは、この神社を創建したアメノホヒが、釜に乗ってこの地に降り立ったとされるかららしい。これは社伝によるもので、古事記にそうした記述は無い。判らないことだらけだな、この神魂神社は。でも、判らないことを判らないままにしておくのが、神話の楽しみ方だと思う。
反対に左側にあるのが
この社殿には重要文化財との案内があった。だけど重文かどうかより、
ふと、この社殿の下にキツネ(?)の像がたくさんあることに気づいた。お稲荷さんがいるんだから、その眷族(使い)がいることは不思議じゃないけど、なんでこんなところに。
神話との繋がりは薄くても、大社造の本殿をじっくり眺めることができたから、訪れた価値があった。観光要素の少ない神社だから参拝客もまばらで、落ち着いて歩けるのも良い。
静かな場所で静かにお参りする。それが一番だね。