出雲大社参拝は神話と古代歴史に思いを馳せて~後編
2016年2月18日木曜日
16:19
ツアー解散後に一旦境内を出て、神門通りでぜんざい食べて休憩。それから改めて参道に入った。なかなか面倒だったけど、やむなし。さて、祓社を過ぎ、左手に土俵を見つつその先の祓橋を渡ると、三の鳥居、松の参道の鳥居が現れる。これは鉄製。
鳥居をくぐった先は、参道の真ん中を歩けないようになってる。これなら何も知らない人でも、神様の通り道を行く心配がない。
縁むすびの
ここもそうだけど、参道の傍にはあちこちウサギの置物があって、表情豊かで可愛い。
さらに進むと、御慈愛の御神像。有名な因幡の白兎神話がモチーフだ。夕方に差し掛かったせいで、完全に逆光。
シロウサギのシロは、正確には“素”らしい。つまり“もとの”うさぎ、元通りの兎ってこと。
道を跨いだ反対側には、ムスビの御神像。神話における
幸魂奇魂とはオオモノヌシのことを指すと思われる。オオクニヌシとオオモノヌシは、古事記によれば別の神、日本書紀によれば同一神とみなすといい、なかなか2柱の神の関係はややこしい。
波に乗った光る玉と、両手を広げてそれを迎えるオオクニヌシの、ダイナミックな構図が良いね。
手水舎で禊ぎをしたら、最後の四の鳥居、銅の鳥居だ。
柱にはビッシリ銘文が刻まれてて、写真に収めるだけでも時間掛かった。あとで読み解くつもりで撮ったんだけど、全部読むの大変そうだな。
ここまでの4つの鳥居は、すべて異なる素材でできてる。それも面白い。
ここからは荒垣に囲まれてる。出雲大社はこれより内を境内としてるのだ。つまりここまでが参道。
本殿の屋根がちょこっとだけ見える。全体が見えないのってやっぱもどかしい。
特別参拝ツアーでは飛ばされた拝殿から、まずお参り。本殿の姿は少し離れないと見えない。
やはり大注連縄の存在感が際立つ。
大き過ぎて区別し難いけど、向かって左が太く、右が細ってる。これは左から綯い始めてるということらしい。一般的な神社は右綯いだが、ここのは逆ってこと。公式サイトでは、古く出雲大社では左方を上位とする習わしがあると説明されてる。また、るるぶによれば、これを『大国締め』といい、出雲大社では左側が神聖とされるためとのこと。
注連縄は結界。しかし、入れないようにするのが通常の右綯いとすれば、左は出てこられないようにするという意味になる。すなわち、オオクニヌシが出てこられないようにした、大和朝廷の思惑だとも考えられるワケだ。この説もなかなか説得力があるように感じられる。
とはいえ、これも実際は公式の回答が正だろう。でないと、熊野大社など同じく左綯いにしてる他の神社の説明が付かない。また、オオクニヌシを祀る神社は全国各地にあり、それらの多くは右綯いだ。だから、左綯いを上位とするというのは出雲地方独特の文化であると、結論付けられると思う。
拝殿の右から回り、奥にある
一般の参拝はここまで、八足門内部へは立ち入れない。ツアー以外では、特別に正月三が日だけは八足門の中へ入れるらしい。
瑞垣外を反時計回りに参拝していく。
東の
この東側からだと、本殿と日の丸を一緒に拝むことができた。これぞ日本って感じでなんかカッコいい。
ぐるりと回って本殿の裏には、
素鵞社の後ろにも回り込むことができて、そこがパワースポットとして知られてるそうだ。ちょっと他よりヒンヤリする。それを“感じる”人もいるんだろうね。
本殿の真裏は本殿に最も近付ける場所。後ろから見てもやっぱカッコいいなぁ。
ここにあったのが、夫婦のウサギの像。本殿に向かって手を合わせてて、メッチャ可愛い。
西側に回って、次は御神座正面拝礼所。
本殿の中でオオクニヌシは西向きに鎮座されている。国譲りの舞台である稲佐の浜のほうを向いてるとも考えられるけど、ハッキリした理由は不明らしい。
ここからはその西を向いたオオクニヌシを正面から拝めるというワケだ。なので、またまた拝礼。同じ神様に(ツアーの八足門内でのを含め)4回手を合わせたことになるな。
南側は17代目の
それにしても、氏社の写真2枚を見比べると社の位置がほぼピッタリ同じで、そんな風に撮ってた自分にビックリ。
西の十九社が釜社仮殿になってた。祀られてるのはウカノミタマ。お稲荷さんといったほうが通りが良いかな。古事記によれば、スサノオの御子神の1柱でもある。
これで本殿周囲の参拝したかった社は回れた。
もう一度振り返って本殿を仰ぎ見る。何度見ても良いなぁ。
最後に神楽殿。
神楽殿といえばこの、日本最大級の大注連縄。ホントにデカい。こんな大きな注連縄を綯うのって、スゴい技術だと思う。
神楽殿自体もかなり大きな建物だったんで、ちょっと驚いた。
特別参拝ツアーに参加して、ぜんざい食べて、境内をじっくり歩いてと、充分時間を掛けて出雲大社を巡ることができた。最初にばたついた以外は、今回のプランニングはまず上手くいったな。
日本神話にハマってから、是非とも参りたかった神社だけに、納得いくまで回れたことが本当に嬉しい。実際に訪れたことでますます好きになった。一度行ったらおしまいというものではないし、いつかまた参拝しよう。