森が美しい八重垣神社
2016年2月19日金曜日
15:55
その名称は、スサノオが詠んだとされる日本初の和歌に由来する。
色々と須我神社とかぶる神社だけど、こちらのほうが有名なので一度は訪れてみようと思い、プランに組み込んだ。
神魂神社から車で10分、八重垣神社の駐車場に到着。広いし複数あるし、駐車場だけで参拝客の多さがわかるというもの。
歩いて入口に向かってると、少し離れた所に梅が咲いてたから寄り道しつつ、大鳥居の前へ。
大鳥居と道路を挟んだ反対側には、夫婦椿があった。この神社には夫婦椿が全部で3つあるらしい。そういえば、淡路島の伊弉諾神宮には夫婦大楠があったね。
鳥居を一礼してくぐり、手水舎で身を清めたら、まずは拝殿からお参り。
この日参拝した神社のなかでは最も人が多い。出雲国において、出雲大社の次に名が知られてるだけのことはある。
境内を巡るのはあとにして、先に宝物殿に入ることにする。宝物殿にある六神像の壁画は、神社壁画としては日本最古という。
神札授与所で拝観料を納めたら、パンフレットなどを貰えた。あとは勝手に入ったら良いみたい。雑な管理だな……。
靴を脱いで宝物殿に入ると、奥の壁一面に壁画が展示されてた。なお、この写真は境内の案内図に載ってた壁画の写真だ。
通路が人ひとりくらいの幅しかなく、中はかなり狭い。壁画を守るためか、灯りは控えめ。薄暗く窮屈な部屋に壁画だけがあるという、異様な空間ではある。
壁画は3面あり、スサノオとクシナダヒメ、アマテラスとイチキシマヒメ、アシナヅチとテナヅチがそれぞれ描かれてる……らしい。この目で見たのに断言できないのは、劣化が著しく判別できない神像もあるからだ。
古代へのロマンはあるが、残念ながら感動は得られなかった。
外に出たら、境内をじっくり巡る。
本殿の千木は水平に削られた内削ぎ。ということは、2柱祀られてるけど、女神クシナダヒメがメインなのかな。
でも鰹木は3本で奇数……。
千木が外削ぎで鰹木が奇数は男神、同じように内削ぎで偶数は女神、っていうのが基本らしいんだけど、ここは例外なのか。どうしてこういう組み合わせなのかはわからないけど、棟飾りひとつ取っても面白いもんだね。
続いて摂社末社を参る。
脚摩乳神社はクシナダヒメの父神アシナヅチが祀られてる。
手摩乳神社はその妻テナヅチ。
ちょっと離れたところの山神神社はオオヤマツミ。アシナヅチ、テナヅチはオオヤマツミの御子神だしね。
他に、伊勢宮や貴布祢神社があった。神魂神社にもアマテラスとタカオカミの社があったよな……この一致は何を意味するんだろ。気になって「タカオカミ 出雲」でググってみたら、タカオカミ=スサノオ説を唱える人までいたりして、この沸き起こった疑問は深く掘ってみたらかなり面白そうだと判った。旅行とは別に調べてみよう。
スサノオが詠んだという和歌が刻まれた歌碑。須我神社にも似たようなのがあった。内容の良し悪しは僕には判らないけど、声に出してみると、同じ音を繰り返しててなかなか心地良いリズムの歌だ。
次は宮橋を渡り、奥の院のほうへ向かう。脇にある梅の花が美しい。
うっそうと茂る
そして鏡の池。クシナダヒメが鏡代わりに姿を映したと伝えられる。占い用紙に硬貨を載せて池に浮かべる良縁占いの池として信仰されており、ここがパワースポットとして世の女性たちに大人気というワケだ。この日も多くの女の子たちが、キャーキャー言いながらも結構真剣な面持ちで、自分の浮かべた紙を見つめて祈ってた。
女子旅って感じのグループがたくさんいて、縁結び目的の場所に自分たちのようなカップル、というか男の僕は、浮いた存在なんじゃないか。要らぬ心配までしてしまう。
奥の
一通り回って駐車場に戻る途中、向こうからおばあさんの一団が列を成して歩いてきた。手には皆あの占い用紙……幾つになっても女性は乙女ということか。数十年前は少女だったあの方たちが、池に紙を浮かべて占いに興じるさまを想像すると、ちょっとおかしくて、あとから思わず笑いが込み上げてきた。
由緒はあるのにメディアの扱いのせいか観光然としてるから、少し斜に構えて訪れたのだけど、それは改められた。特に奥の院の雰囲気が素敵。食わず嫌いしなくて良かった。