和田金で松阪牛のすき焼きを
2024年5月23日木曜日
13:28

松阪牛が食べたい、仲居さんが焼いてくれる良いとこのすき焼きが食べたいという、僕らのささやかな夢を、味もホスピタリティも素晴らしいこのお店で叶えてきたよ!
なお、松阪牛の読みは「まつさかうし」・「まつさかぎゅう」どちらも正しいそうだ。

駐車場には、僕たちと同じ目的と思しき男女が、愛車をバックに写真撮影に勤しんでいた。精肉店が併設されており、早くから開いているそちらへ入っていく人の姿も見た。
しばらく待っていると、開店準備が整ったようなので、少し早いけど行くことにする。

自動ドアから入ると、すぐさま店員さんが応対してくれた。予約者の名前を告げ、靴を脱いでスリッパに履き替えたら、下足札を渡された。すると担当の仲居さんが来られた。案内に従ってエレベーターで上がり、「あやめ」という名の座敷に通された――なんてスムーズな流れ。

運転するのでアルコールは飲めない。幸いメニューにペリエがあったので注文。お茶とお水はいくらでも出せるとのことで、必ずしもドリンクを頼まなくても良いということだろう。

1品目は「かはり炙り焼」と名づけられたローストビーフだ。写真を撮って良いか訊くと、どうぞ遠慮なく、時代ですからねとのこと。決してお行儀の良い行為とはいえないだけに、お店の方にそう言ってもらえると気が楽になる。高級志向の老舗だけど、時代に合わせてくれているんだね。

炭が置かれていることには着いた時に気づいていたけど、これに鍋をかけるんだよなぁ。それだけで贅沢な気分。

仲居さんの言葉から察するに、かつては牛刺しやタタキを供していたんだろう。あの焼肉店の事件をきっかけに生食用牛肉に規制が設けられ、このような形にせざるを得なくなったと推測する。


覚えて帰ってくださいねという作り方は、割り下を入れない関西風。仲居さんのお手並みを見つめるひとときは、もはやエンターテインメントだ。丁度焼けたところで、嫁と僕のお皿に順番にお肉を入れてくれた。とろける舌触りに、あふれだす甘味と旨味……これが松阪牛か……!スライスされているといっても程よい厚みがあって、十分に“肉”を感じられる。美味しい。幸せ。

御飯と香の物が出されると、さらに食が進む、進む。焼けたものからお皿に取ってもらえるので、ひたすら食べることに集中できる。お野菜を半分食べたら、2枚目のお肉投入。そしてまたお野菜。

締めにメロンとお茶と新しいおしぼり。温かいおしぼりを首の後ろに当てると疲れが取れると、よもや仲居さんから勧められるとは思わなかった。
担当してくださったこの仲居さん、所作に品があって、といって堅苦しくなく、とても良い人に当たったなぁ。
すき焼きを作る間を除き、基本的に料理を配膳したら一旦退室されるので、寛いで食事を楽しめた。これも大きなポイント。
任意のタイミングで座敷を出て、エレベーターで1階に下りる。下足札を店員さんに渡しておき、レジにてお会計。後ろから嫁の声が聞こえると思ったら、先ほどの仲居さんがご挨拶してくださったそうで。
最初から最後までスマートな接客、間違いないすき焼きのクオリティ。このお店を選んで良かった!
そうそう、今回は松コースにしたけど、仲居さんから竹や梅もぜひ召し上がってほしい、コースではなく単品で「寿き焼」と「あみ焼」を一人前ずつといった注文もできると。一度きりの贅沢と言わずまた来店してほしいという面もなくはないだろうけど、色んな部位や味わい方を知ってもらいたいという、偽らざる本音だと思う。ホントだね、そんな風にしてまた行っても良いよね。