高野山町石と大門
2015年10月8日木曜日
10:41
大門は高野山の総門であり、重文でもある。だから、高野山巡りはそこからスタートさせたかった。参道を歩いてて気づいた、
千手院橋でバスを降りた僕たちは、まず停留所のそばにある、高野山宿坊協会の中央案内所に入った。音声ガイドをレンタルするのだ。
比叡山で同じようなサービスやってて、その良さに味を占めた僕らは、高野山でもやってることを調べ、利用することにした次第。
スピーカーは無くイヤホンを片耳に掛けるタイプだったので、2台借りて、再生ボタンを押すタイミングを揃えて聴くことにした。一緒に「へー」って言いたいからね。
ただ、ここでの手続きに要した時間が、そのまま予定の遅れに繋がった。スケジュールにちょっと余裕が無さ過ぎたのが、その原因だけど。
結局、それが全般的に悪かったんだろうな。
ここから大門までは約1.5キロ。朝9時半、この時間そちらに向かうバスがないから、てくてく歩いていった。
金剛峯寺や壇上伽藍を右手にして進む。この高野山の中心地には、観光客が大勢いた。だけどそこを過ぎると、ぐっと人気が減った。
途中無料駐車場の前を通ったんだけど、なんと満車。入ろうとした車が警備員に止められてた。もし車で行くとなったら、相当早く着かないとダメってことだな。
また、こんな店の看板を見かけた。『歩ん歩こ』……“あるんあるこ”ってずいぶん変な名前……じゃない、“ぽんぽこ”って読むんだ。と独りで勝手に間違えて、すぐさま自分の中で解決させた。
帰宅後調べたところ、定食屋さんみたいで、結構美味しいらしい。今回はお昼決めちゃってたけど、次の機会には、確かめに行ってみようかな。
さらに進むと、木立の合間から山門が見えてきた。この位置からだと雰囲気あるなぁ。
歩き始めて20分、大門に到着。
……デカイ!
それもそのはず、高さおよそ25メートル、奈良の東大寺南大門に匹敵する、国内最大級の山門だ。僕のカメラでは、かなり後ろに下がらないと、全体がフレームに収まらない。
左右に佇む金剛力士立像も、南大門のそれに次ぐ巨体。
嫁も新しいカメラで色んな風に撮ってた。そっちはすんなり一枚に収まってて、画角の広いカメラがちょっと羨ましくなった。
近くには、外国人のカップルがひと組いるだけ。なかなかここまで行こうって人は、少ないのかも知れない。
もちろん僕は、行って良かったと思ってる。大門をくぐって参拝を始められたこと、その大きさに驚いたこと。
来た道を戻り、壇上伽藍を目指した。
で、歩いてて、石柱が道沿いに続いてることに気づく。不思議に思い、見つけるたびに写真に残しておいた。
これもあとから調べてみると、1町(約109メートル)間隔に立てられてることから、町石というらしい。その役割は参道の道標で、高野山町石道は約22キロ離れた慈尊院から始まり、奥之院までずっと続いてるとのこと。五輪塔(五輪卒塔婆とも)の形をしており、梵字が刻まれてる。凄いことに、2百基余りあるそのほとんどが、建立当時のまま残ってるとか。
かつては一つひとつに手を合わせ、高野山を巡礼したともいわれる。そうした歴史を感じさせるものに、興味を抱いた自分が嬉しい。
予習は大事だけど、これなんだ?って疑問を持つ余地は欲しい。このさじ加減は難しいな~。