伊弉諾神宮
2015年10月19日月曜日
14:14
国産み伝説の残る淡路島。その主役の一人である男神イザナギが、
僕はただ漠然と神社が好きなんだけど、ここには興味が湧いた。淡路島には他にも色々遊べる所があるけど、嫁と相談して、午後からは神社巡りをすることになった。嫁も興味を持ってくれたみたい。
伊弉諾神宮の創建は
兵庫県下唯一の神宮であることは確かだ。
お肉をたらふく食べたら、津名一宮IC方面まで戻りそのまま北西へ。ほとんど真っ直ぐ走るだけだ。
途中、あることに気がついた。県道88号の道路沿いに、献燈がぽつぽつと並んでるのだ。それも神社までずぅっと。
これって、伊弉諾神宮がそれだけ地域の人々に愛され、敬われてる証拠だよね。淡路国の一宮であることから、地元では“いっくさん”とも呼ばれてるそうだ。
こんな風に大切にされてる神社っていいなぁ。前にも増してどんなところか知りたくなる。
鳥居が見えてきたら手前の信号で右折して、境内の脇にある駐車場に到着。静かだけど、何台か他の車も停まってた。
帽子を脱ぎ一礼して、大鳥居をくぐる。
すぐ右手にさざれ石の碑があった。国歌も添えてあり、国産みとかけてるのかな。
緑に囲まれ白い砂利が敷き詰められた、表参道の雰囲気が好き。
中之鳥居でも脱帽一礼。
その先の
神池は
さらに、生きた亀が泳いでるのも発見。放たれた亀なんだろうか。鯉もたくさんいた。
橋の左手にあった手水舎で
正門がめっちゃカッコいい。
参拝客がまばらだったから、誰にも迷惑かけずに好きなアングルで撮ることができた。嬉しい。
まず拝殿でお参り。
主祭神はイザナギとイザナミの2柱。神話上最初の夫婦ということと、黄泉の国でイザナギが「一日に千五百の産屋を建てよう」と言った逸話から、縁結びと延寿の御神徳がある。
古事記の現代語訳を一応読んだ僕からすると、この御神徳にはやや疑問を持つんだけど、古代の人々はそうは考えなかったんだね。
それはそれとして、古事記を勉強し始めて、その面白さに最近どっぷりハマってしまった。お陰でこれまで以上に神社巡りが楽しい。
古事記初心者の僕の疑問はこうだ。
イザナギとイザナミは確かに初めて夫婦になった神だけど、最終的に離縁しちゃってる。それを『縁結び』として良いのかなぁ。古事記を読んでなかった頃のイメージでは、初の夫婦ってことと名前の響きのカッコ良さから、この2柱はかなり好きだった。それだけに、離婚することには軽くショックを受けた。それでも変わらず好きだけど。
離婚したときのケンカの最後に、産屋を建てる発言してるんだけど、これはイザナミが一日に千人殺すって言ったのを受けてなんだよね。これによって一日に千人が死に、千五百人が生まれるようになった、つまり人間に寿命ができたっていう話。それを『延寿』として良いのかなぁと。そのあとイザナミは黄泉の国、すなわち死者の国の王になってるし。イザナギだけを祀るならまだ解るかなぁ。
別に神社の信仰にイチャモンつけてるワケじゃなくて。神話と照らし合わせると、なお深みが出て面白いってだけで、他意はない。それはそれ、これはこれだ。
本社を参拝したところで、周辺の散策を開始。
力を競うのに使われたという力石は、相撲が盛んだった淡路島の各地に残ってるとか。神社とは関係ないのね。相撲自体は神事なので、まったく無縁ではないけど。
振り返って正門と授与所。やっぱいいわぁ。
拝殿の横に回り込むと、中門と、幣殿の屋根が見えた。拝殿の奥って見えない所が多いから、こうして拝めるとそれだけで嬉しいね。
中門と
その下をくぐって進むと、本殿を横や後ろから拝むことができた。
正面側の屋根のほうが長いこの形も好きだ。曲線が美しい。神社建築における本殿様式で、
鳥居があって拝殿があって奥に本殿があってという、神社の基本構成をだいぶ当たり前に気づくようになってきたなぁ。ちょっと賢くなった気分。
摂社も色々あって、この
立て札が無くて最初何かわからなかったこの建物は、
それよりその隣にあったコレがすンごい目を引いた。頭髪感謝碑……らしい。「髪は『カミ』と訓じ神や上に通ずる語意」であり、生命の象徴であるので、最古の神域にその頭髪に関する理容美容業界の繁栄を祈念する、と。
下手するとダジャレみたいに聞こえるけど、訓読みで同じというのは、日本という国を理解するうえで非常に重要なポイントだと思う。だからこの碑も、ここにあって不思議なものじゃない。
由緒ある神社の境内って面白いなぁ。
岩楠神社は夫婦円満というので、こちらもお参りすることにした。
伊勢には半年ほど前に行ったけど、もう一度詣でたい。
や~、行って良かった~。花さじきのあとは淡路ワールドパークONOKOROとかも候補にしてたんだけど、ここを選んでホント良かった。
伊弉諾神宮の地を、自分の足で踏んで感じたことで、古事記に対する興味がぐっと強まった。もっと勉強して、ゆかりの土地を巡ってみたい。
……僕はどこへ行くんだろう。我ながら笑える。