金剛峯寺

2015年10月8日木曜日 12:27
金剛峯寺は、青巖寺せいがんじ興山寺こうざんじいう二つの寺院が合併したもので、歴史からみれば割と新しい。また、元々は高野山全体を指す名称だったとか。つまり、比叡山と延暦寺みたいに、高野山と金剛峯寺という関係性。ただそれも、総本山金剛峯寺といえば高野山全体の意味になり、少々ややこしい。

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壇上伽藍から蛇腹路を通り、金剛峯寺にやって来た僕ら。
この正門は、かつて高貴な人しか通れなかったそうだ。脇のくぐり戸は一般の僧侶が出入りに使用するそうで、実際そこから入られるお坊さんを見掛けた。

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金堂と同じように、ここにも結縁綱をつけた塔婆があった。御本尊に繋がるそれを握り、お参り。

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中に上がるには、正面右手の大玄関からでもその奥の小玄関でもなく、右の端の拝観入口を通らなければならなかった。
ここは拝観料が必要だったので、ようやく拝観割引券の出番。

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主殿に入ってすぐ、こうやくんの顔ハメ看板が。旅の恥は掻き捨て、嫁も僕も顔出しして記念撮影だ。看板の裏に回ると階段になってて、穴から顔を出すのが意外と大変だった。
こんなのが置いてあるってことは、但し書きが無い限りは撮影OKという意味だな。

大広間では法要の真っ最中のようで、見世物ではないからかしばらくすると襖が閉められた。
その先の持仏間じぶつまでは、御本尊の特別開帳。金剛峯寺の御本尊は弘法大師坐像。即ち開祖空海をお祭りしてある。そしてここも金堂同様、御本尊までの距離が遠い。手を合わせたあと、なんとかその姿をこの目に止めようと、少しだけ凝視してみた。
そこから奥は、様々な襖絵が見応えのある部屋が続く。襖絵は撮影NG。梅の間や、豊臣秀次が自刃した場所として知られる柳の間など。

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この枯山水小庭を挟んで渡り廊下を進んだ先の、別殿にも立派な襖絵が描かれてた。

さらにその奥が新別殿。そこは休憩所になってる。
お茶の接待を受けられることは知ってたが、もうすぐ昼食だし、時間が押してるから要らないつもりだった。
ところが進もうとすると、「お待ちください」と呼び止められた。どうしてもお茶を出したいらしい。振り切ってまで行くことはなかろうと、お盆を受け取り、椅子に腰掛けた。

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お茶請けの和菓子は麩焼き。ほんのり甘くて美味しい。包装の裏面を確認すると、製造者は『かさ國』とあった。確か有名なお店じゃなかったっけ。
さっさとお茶を飲み干し、先へ進む。ここへ来るタイミングというのは、再考の余地ありだな。

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別殿の裏手に回るとそこは、国内最大の石庭、蟠龍庭ばんりゅうてい。蟠龍とはとぐろを巻いた龍。雲海の中で、向かって左に雄、右に雌の、一対の龍が向かい合う。
これはもう圧巻の一言!何を表わしてるとかそんなのどうでもよくって、とにかくその美しさ、雄大さに魅了された。こんなパノラマ写真じゃ表現し切れない。特別公開された弘法大師より、こちらの感動のほうが大きかった。
嫁も気に入ったようすで、「いつまでも眺めていたい」と。
しかし実際はそうも言ってられない。お昼は予約してある。台所などの見所はさらっと流し、外へ出た。や~、広い、広い。

心揺さぶる風景に出会えたこと。それが金剛峯寺を訪れた最大の収穫だ。

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