平城宮跡歴史公園オープン初日に行ってきた~前編

2018年3月24日土曜日 11:07

平城宮跡歴史公園は、世界遺産である平城宮跡を中心に、奈良時代を楽しみながら学べる国営公園。大極殿院や遣唐使船といった往時の景観の復原や、親しみやすい展示施設、レストランやお土産の販売など、複合的に奈良を体感できる場所!
すっかり奈良時代大好きになった僕は、一報を聞くなり旅行計画を立てて、指折り待ってたよ。楽しみ過ぎて、オープン初日に行ってきた!

朝から目一杯活動できるよう、例によって前泊。仕事から帰宅するなり、奈良へと車を走らせた。宿泊も恒例の『スーパーホテルLohasJR奈良駅』。毎度世話になるね~。んで、ホテルの部屋にて嫁と晩酌。『ビエラ奈良』で調達した地酒を、スーパーなどで集めた漬物などを肴に飲む。美味い!

翌日、まずはダメ元で、平城宮跡歴史公園隣接のコインパーキングに行ってみた。警備員さんが配置されていて、案の定今日は招待客以外は利用不可とのこと。うん、想定内。
本命の奈良市役所裏のコインパーキングに流れ、無事駐車。意外に混んでる。
そこから長屋王邸宅跡を通り、みやと通を北上。今にして思えば、素直に朱雀大路に向かえば良かったね。


関係者らしきスーツ姿の男女のあとをついていく形で、二条大路を歩き、朱雀門の前に到着。腹に響く和太鼓の演奏が、初日ならでは。最終練習かな。
青空の下で見る朱雀門は初めて!しかも、閉門してる!オマケに和太鼓がナイスアクセント!なんて幸先が良いんだ。


式典で割られると思しきくす玉を発見。いちいち反応しちゃって、気持ちが高揚する。


早速、新設された天平てんぴょうみはらし館に行こう。しかし2階建てなのか。この高さで展望などあるんだろうか。バタバタと準備中のセグウェイ受付の横を抜け、木の香りがする通路を上って、展望デッキから見晴らせ……。


なーい!
だよね~。朱雀門と辛うじて大極殿は見えるが、朝堂院は建物に遮られてしまってる。史跡ではイマジネーションが肝要。とはいえ、“みはらし”なんて名前だから期待しちゃったじゃんか~。


続いては天平うまし館。レストラン以外に遣唐使船の歴史解説コーナーがあり、パネルと映像で、遣唐使の年表や航路、人物伝などが紹介されていた。そうそう、こういう本気で勉強させてくれる展示は良いね。


コーナーの片隅には、ペッパー君。嫁が御手洗いに行き、他のお客さんもいつの間にかいなくなり、僕独りだったからだろうか、じーっと見つめられてしまった。仕方ないので、タッチディスプレイを押してあげた。朱雀門ひろばについて教えてくれたよ。


嫁が戻ってきたら、復原遣唐使船に乗り込む。無料だけど、観覧証を下げていく必要があった。天平衣装を着た受付のおじさんの感じが良かったなぁ。


船内にもパネル解説が点在。遣唐使については資料が残っているけど、船に関してはほとんどないんだって。『吉備大臣入唐絵詞きびだいじんにっとうえことば』という12世紀末頃の絵巻物に描かれたものくらいしか、参考にする資料がないと。
それでも復原したんだから、なかなか思い切ったことをしたね。僕は評価したい。体感できるって、やっぱ楽しいもん!こんな船だったかは判然としないけど、想像の羽を伸ばす手助けになる。
コレ、平城遷都1300年祭の時のを修理した物なんだってね。あの頃はそこまで歴史にハマってなかったからなぁ。思えば惜しいことをした。


遣唐使船から朱雀門を眺めるという、非現実的な光景が楽しめるのも、ここならでは。

オープン初日ということは、当然ニュースにもなる。そこここでテレビクルーを見かけた。遣唐使船から下りる際には、僕たちの前にいた人たちが取材を受けてたくらい。恥ずかしいような、受けてみたかったような。
次は平城宮いざない館に入りたかったんだけど、式典会場になっているようで、それが終わるまでは入場できそうになかった。

ならば一旦ひろばを離れ、北側のエリアに行くとしよう。ただ、朱雀門は閉ざされてるし、脇の道もバリケードしてあるし、どこから回ればいいのやら。と考えながら東に進んでいると、前を歩いていた人が、警備員さんにバリケードを外してもらい通してもらうのを見た。よし、僕たちも倣おう。


門の内側に行けたので、近鉄奈良線の踏切を渡って中央区朝堂院(という名のグラウンド)へ。役人の執務や式典が行われた場所だ。
3年前にも訪れたことがあるけど、その時の自分が、「奈良時代によほどロマンを感じる人でないと、感動は薄い」などとふざけたこと漏らしてて、「それ、3年後のおまえだから!」って言ってやりたい。
元明げんめい天皇の御世、平城ならみやこへと遷都が行われた。藤原不比等ふじわらのふひとが位を上り詰め、太安万侶おおのやすまろが古事記を完成させた。これほどロマンあふれる時代があろうか……!
日本書紀に続く正史、続日本紀しょくにほんぎには、平城遷都に関する記述も時系列で記されている。でもここでそれを語りだすと、長くなるので割愛。


さあ、どんどん行こう。大極殿の斜め手前にあって、視界を塞いでいた建物。復原事業情報館だ。第一次大極殿院の整備工事について紹介されている。


大極殿院とは、即位や元日の式典といった国家的儀式を行う、大極殿を中心として、築地回廊で囲われた空間。南面には南門と左右に楼閣を備える。
復原事業は、これらの壮麗な建造物を現代に蘇らせようというわけだ。1/200スケール模型があったけど、これを体感できる日が来るのか……!


事業紹介は、古代の建築道具の模造品やパネル解説のほか、ビデオ上映も。『奈良時代を今に感じる空間の創出』というコピーに胸が滾る!


建造物の復原には、古代技術を用いているとか!版築はんちくで壁を造り、手斧ちょうなで木を削り、継手つぎてで木材を組み上げる――スゴい、スゴい!国交省の本気を垣間見たぜ。展示物、撮れる物は全部カメラに収めたよ。技術資料としても有用。
大極殿の周辺は無粋なフェンスで囲われ、資材保管庫やらも立っている。しかしそれもこれも、復原工事のため。完成を楽しみに待とうじゃないか。

長くなったので、後編へ続く。

サイト内検索