伊香具神社
2018年3月17日土曜日
14:23
ランチのために旧市街まで行ったのに、再び木之本方面へ向かう。
時間効率・移動効率だけを考えれば愚の骨頂。でもね、決めたんだ。そんなことより、行きたい所・やりたいことを最優先するって。そのほうが、旅の満足度は上がる。あそこが今回の本命だったのにとか、そろそろ次に行かないととか、時間が足りなくなることばかり気にするより、目の前のスポットを全力で楽しみたい。
そんなわけで、木ノ本駅近くまで戻って今度は西へと走る。
ここも橋が架かっている。
綺麗に整備された参道は、芽吹き始めた桜並木がズラリ。もう少しすれば、さぞ美しい景色が広がるんだろう。
社号標の側面に刻まれた情報で、この文字が出雲大社宮司・
参道を抜け道路をまたぐと眼前に現れるのが、伊香式鳥居。説明板にもあるように、
両方とも知っているだけに、感慨もひとしお。ついつい、ぐるりと回ったり見上げてみたり。これだけでも訪れた甲斐があるというもの。
鳥居本体を支える稚児柱があることから、古代には、このあたりまで湖の入江だったと考えられるという。それこそが羽衣伝説の舞台、
神馬。境内に遊具があることもそうだし、意富夫良神社との共通点が多いな。
拝殿にて拝礼。拝殿はなんと桧皮葺。銅板葺に比べて維持費が高いから、無名の神社ではそうそうお目にかかれない。よほど地域か県が力を入れているのだろうか。少し驚いた。
主祭神は
伊香刀美は伊香連の祖先といわれ、中臣氏と同祖。かつて存在した地名、
神社の鎮座する地と伊香連の、結び付きの強さが窺われるね。
一方、滋賀県神社庁の説明によれば、この地に伊香津臣命を祀った当時には、カグツチを祀る社があったのではないかという。その根拠として、西にある境外摂社の
“イカグ”と“カグ”にも、何か関係があるのかな。
他にも、伊香連は
伊香氏、知れば知るほど謎が深まっていく……!
木製の由緒書の横には、古今和歌集の歌碑が立っている。詞書に『あずまの方へまかりける人によみてつかはしける』とある、 伊香厚行 (いかごのあつゆき)の一首。
おもへども 身をしわけねば 目に見えぬ こころを君に たぐへてぞやる
それと、空海が水源を掘り当てたとされる
湧水があったのは確かのようで、先の伊香厚行が、この水で生繭を煮て製糸を試みたところ、高品質の生糸ができたとか。大音地区は平安時代から養蚕業が盛んだったというし、その起源譚なんだろうね。
最後に、摂社の三の宮神社。御祭神は
縁結びの神さまらしいけど、由来が書かれていない。その「里の言伝」が知りたいんだってば。
や~……独自の鳥居から、氏族の系譜、土地の産業まで、盛りだくさんだった!長浜の地に根差した神社、ちょっと面白過ぎる!