長浜ものがたり大賞舞台版の感想というか愚痴
2018年3月18日日曜日
23:09
『長浜ものがたり大賞』舞台版『サルとミコト~N's Story~』。此度の長浜旅行の日程に3月18日が入っている最大の理由が、これを観賞すること。というより、この舞台に合わせて企画した旅行だ。
メインキャストは、今や押しも押されもしない人気声優であり、舞台俳優でもある、山口勝平さん。原作が好きということもあり、楽しみ半分不安半分。
長浜城から、
中に入ると、受付には人だかり。奥には長い行列。開場前なのに、皆早いなぁ。狙いの席があるのか、時間を潰せなかったのか、暇なのか。長浜面白い所いっぱいだよ?回ってきたら良かったのに。なんにせよ、ちょっとビックリする人数がすでに並んでた。
予約者の名前を告げて代金を支払い、無事チケット2枚を入手。列の最後尾についた。通された場所が狭い。
運営スタッフの方々は、割とイベント慣れしているようで、溢れかえる人たちを捌いていた。下手をすると混乱必至の状況なので、これには安心。
並んでいる人々の年齢層はバラバラ。縁者が出演しているとか、かっぺーファンあたりが中心だろうか。長浜ものがたりの読者って、どのくらいいるんだろ。
開場予定時刻数分前から、列が動き出した。ホールに入れたら、なるべく前列の座席を確保したい。と考えていたことが、ほぼ叶えられた。少し右寄りにはなったけど、視力の良くない自分の目でも、顔が識別できる距離だ。嫁は、こんなに前に行くとは思わなかったと。せっかくだから、近くで観賞したかったんだ。
席を押さえたところで、駐車券を取りに僕一人で車まで走った。無料サービスの処理をしてもらえるというから、まだ時間も余裕あるしってことで。
これでようやく落ち着いて開演を待てる。
15時開演。
数か月前まで演技も踊りもしたことがなかったというメンバーを含む、総勢23名による熱演。特別ゲストの山口勝平さんの、硬軟織り交ぜたプロの仕事が、場を引き締める。役者さんたちには大きな拍手を贈ったよ。だけど、演出にはもやもやが残った。後述する。
上演後のトークショーでは、勝平さんともえりーぬさんの掛け合いが面白かった。ぐだぐだになりつつも、勝平さんの人柄の良さがにじむフォローなどがあり、スッゴく楽しい時間になった。
印象的だったのは彼の、琵琶湖に沈む夕陽とか、地域に住んでいる人にとっては何でもない日常の、普通のものがいいもの、という主旨の発言。『サルとミコト』の主題とも絡むし、何より長浜を良く知っていて、好きだという気持ちが、言葉の端々から感じられた。それにとても好感が持てた。声の観光大使は伊達じゃないね。
さて。
舞台演出について、自分の感じたままに述べると、悪口みたいになってしまうことを、先に断っておく。でも、そう思っちゃったんだから、しょうがない。
原作のほうは、平凡であることに悩む少女が、戦国時代から迷い込んだとある武将と出会い、長浜のまちを通して、一歩を踏み出していく成長物語。主人公の心の動きに丁寧に寄り添い、長浜が物語の舞台である必然性……とまではいかなくても、長浜だからこそのストーリーだった。
ところが、舞台用にアレンジされた脚本は、ほぼ別物。長浜らしい演出は、それっぽい小物や単語が、わざとらしく飛び出してくるだけ。アレンジャーの勉強不足を露呈している。というより愛が感じられない。勝平さんとは真逆だ。
また、若者というテーマを強調する、公募で集まった23名を平等に扱う、勝平さんが台本を持ったまま舞台に立っても不自然ではない設定にする、といった諸々のキツい縛りがあったのが、透けて見えて。だけどいち観客としては、舞台裏の都合なんぞ知ったこっちゃないわけで。そこを巧みに包んで飲み込むのが、演出じゃないの。
結果、勝平さんにおんぶにだっこの内容に。チーム鯖SOMENの役者さん方も、一生懸命頑張ってたよ。
好きな原作だっただけに、話にはガッカリした。原作に登場する場所を、ここに行く前に巡りもしたのに、原作未読の嫁の伏線張りにもならなかった。
尺の都合上、大幅に構成が変わることは予想していた。でも、かじられたリンゴみたいに、辛うじて芯を残しただけだったじゃない。同じセリフでも、重みがまるで違うじゃない。――だんだんただの愚痴になってきた。やめよ。
余談。勝平さんが、工○新一やウソ○プや早乙○乱馬の声を聴かせてくれたのは、なんやかんやで嬉しかったなぁ。あと、生「おはたいこー」とか。
あとは帰るだけ。出口近くに停められたのに、駐車場から出るにはずいぶん長く待たされた。イベント終わりは仕方ないか。
メインイベントが、う~んとなっちゃったけど、旅全体を振り返れば、メチャクチャ楽しかった。長浜は何も悪くない。素晴らしきまち。また行くからね~!