永田萠の展覧会
2015年5月23日土曜日
20:33
ラストレーター永田萠の展覧会。嫁がこの人の絵のファンで、姫路文学館で『夢みるチカラ展』開催と聞き、近いから行ってみようということになった。
午前中に車検を済ませた僕たちは、少しだけ足を伸ばして姫路文学館へ。週末のお昼前、駐車場が空いてるか気掛かりだったけど、幸い1台分の空きを見つけられた。
僕は初めて訪れたんだけど、水辺を造ってあったり、洒落てて綺麗にしてある所だね。文学館なんていうから、もっと地味な外観を想像してた。
案内に従い、北館に入る。11時と14時にギャラリートークってイベントがあるらしい。
受付にはふた組並んでる。展示会場のほうには、誰かの話す声に耳を傾け、同じ方向を向いた観客たちの姿が見える。どうやらイベント真っ最中のようだ。
チケットを購入して展示会場に入ると、人だかりの向こうに永田萠さんご本人が!直々に作品解説をされてる。見やすい位置を探して、僕らもそれに聞き入った。
勝手におばあちゃんだと思い込んでたんだけど、実際にお会いしてみると、66歳とは思えないほど若々しく、肌も綺麗な方だった。
解説はもう終盤で、残る作品はあと数枚。それでも充分聞き応えがあった。この花は何を表してるとか、花の種類をこれにした理由とか、描かれたご本人の口から、それも売れっ子プロイラストレーターから聞けるなんて、物凄い貴重な体験だ。描くテクニックに関する話にも触れてて、実に興味深い。
短い時間だったけど、大変面白かった。拍手々々。
「下に行く時間無くなっちゃった」という永田さんの言葉から察するに、下(南館)のほうも解説する予定だったのかな。
永田さんが去られたあとで、僕らはゆっくり作品を観て回った。嫁に画集を見せてもらったことがあるから、知ってる絵もちらほら。
絵本の挿し絵がズラリと並んだところでは、『クリコさんと笑わないクマ』をちょっと読んでみたいと思った。眉尻を上げたクマの、媚びてない感じが良い。
『おじそうさんはいつでも』の挿し絵は、先ほどの解説を思い返しながら。文学館らしく、作品の下には絵本の本文が掲げてある。
可愛いなと思ったのは、『ラング・ドゥ・シャ』の猫。売店でポストカードとクリアファイルを買ってしまったくらい。
北館を一通り見たら、一度外へでて南館へ。
こちらには、アクリルインクで描かれた作品が展示してあった。
永田萠さんが長らく画材として使われてるカラーインクは、色褪せやすいらしい。そのため、強い光の下には飾れないんだとか。
その点アクリルインクはそういう心配がないから、明るい部屋で展示できるとのこと。
インクの特性が異なるのに、作風がまるで変わらないのは、さすがプロの仕事。素人目には、画材が違うなんて判らないよ。
可愛らしい絵をいっぱい観て、なかなかできない経験までした。自分が行きたいと思う場所ばかりに行っていては、こういうことは起こらない。嫁に付き合って軽い気持ちで行っただけに、思わぬ収穫だった。