東京スカイツリータウンは構造がややこしい。
展望台から下りたら、そこは５階。
僕たちがこれから行きたいのはイーストヤード、ソラマチ３１階。高層階ゆきエレベーターは乗れる階が限られてる。
だから、一旦１階までエスカレーターで下り、人でごった返した商店街をくぐり抜けて、端っこのエレベーターの列に並んだ。これが結構面倒なうえにしんどい。
店の前に着いたのが、丁度１８時。ひとまず間に合って良かったよ。
まだ開いてなかった入口が、まさに自分たちの目の前で開けられて、予約者たちから中に案内された。名前を告げて、僕らも入る。

今回予約したのは、『天空LOUNGE TOP of TREE』。東京スカイツリーを間近に眺めながら食事できる、創作レストランだ。
原則２ヶ月前から予約可能だそうだ。ただ、メニューの見直しの都合で、５月分は４月になってから受け付けるという、やり取りを事前にしてた僕は、４月早々に電話して席を確保した。
それだけ早く予約した甲斐があったのか、スカイツリーが真正面にあるカップルシートに通された。やった～。

頼んでおいたコースはTREEディナー。メインディッシュに魚と肉の両方が出てくるほうだ。
まずは、スパークリングワインで乾杯。
料理のほうはカップサラダが運ばれてくる。ドレッシングが美味しくて、存外これは先が楽しみになった。


窓の外に目を向けると、西の空に沈んでいく夕陽が、鮮やかに見えた。スカイツリーと一緒にサンセットが拝めるんだ！おそらく、そこまで計算してこの場所にビルと店を造ったんだろうけど、これは素晴らしいよ。

スカイツリーのミニチュアに前菜をたくさん載せた、アミューズタワー８品盛り合わせは、見かけ重視と思いきや、それぞれが凝ってて美味。
パンは普通だった。フォークを置く場所が無くて、仕方なくパンの取り皿に掛けておいた。
タワーの下に七色に変化するライトが仕込まれてて、小さなスカイツリーが光る演出も、ムードがあって良いね。陽が落ちると、各テーブルに運ばれたそれがガラスに映り込んで、なかなか面白い光景に。

魚料理も、添えられたソースが良くて好感。白ワインが進む～。
そういえば、フィッシュスプーンをきちんと使えたのが、個人的には成長点。

外がすっかり暗くなったのに、本物のスカイツリーはまだ光らない。
いつかな～と待ってると、１９時点灯。


ライティングは“粋”。二人ともが見たかったほうの色味で、これも嬉しかった。
見上げれば、綺麗にライトアップされたスカイツリーが、先端まで見える。


淡いブルーが塔の白に映えて美しい。
だいたいこんな感じの景色が眼前に広がってるワケ。


窓に向かって左側、南西の方角には、こちらもライトアップされた東京タワー。
当然これも織り込み済みのロケーションなんだろうなぁ。

ついつい夜景を撮影するのに夢中になってしまうけど、まだ肉料理がある。これは赤ワインと。
牛ヒレ肉をなぜかベーコンで巻いてて、食べたらやっぱりベーコンの味が勝つ。肉料理だけは、肉自体が相当良いものでないと、なかなか唸るものにはならないね。


最後はデザートと紅茶。
似たようなアングルばかりなのに、僕は何回も写真撮って遊んでた。で、料理は一枚も撮らないという。

えーと……ゴメンナサイ。どうせスカイツリーと夜景だけがウリで、大した料理は出てこないだろうと勝手に思ってた。期待してなかったからそう感じるのかも知れないけど、全然そんなことなかった。とっても美味しかった。接客とサーブも自然だった。
結構な数のカップルが記念日に利用してたけど、あれは正解だと思う。
ロマンティックな景色を眺めながら、美味しい創作料理の数々を堪能できる、素敵な店だったよ。いやホントに。