高千穂峡

2023年5月12日金曜日 09:39

高千穂峡たかちほきょうは、高千穂町の五ヶ瀬川にある峡谷。言わずと知れた、高千穂を象徴する絶景スポットだ。手漕ぎボートを借りて、真名井の滝まないのたきを間近から見上げることもできる。
高千穂旅行で、是が非でも行きたかった場所!


今回の宿泊先はソレスト高千穂ホテル。旅館でのんびりも良いんだけど、翌日も朝早くから活動したくて。丁度2組の客がチェックイン中で、少し待たされた。だけど、そちらが終わる前にもう一人スタッフの方が出てこられて、ロビーのソファに促され、手早く手続きを済ませてくれた。
じっくりは見なかったけど、モダンでオシャレな内装だったな。


部屋はスタンダードツインルーム。割と広めだし、バス・トイレが別になっていて、ビジホよりワンランク上の装い。
ホテルのレストランが一杯で取れなかったので、この日の夕食はAコープで買い込んだ、地の物。二人とも、大衆居酒屋がすっかり苦手になっちゃったからね、このほうがまだ落ち着いて過ごせるなぁと。それに旅先のスーパーって、普段とは違った商品を見かけることがあって、面白かったりする。宮崎の地酒、千徳酒造の生貯蔵酒で乾杯。お惣菜のチキン南蛮が、甘酢ダレが良く染みていて美味しかった。
疲れていたからか、ぐっすり眠れた。

明くる朝、軽く朝食ビュッフェを食べたらチェックアウト。高千穂峡へのくねくねと蛇行した路を下って、8時前に第1御塩井おしおい駐車場に到着。早くも数台停まっていた。途中、徒歩で向かっている人も、ちらほら見かけたなぁ。係員さんはまだ来ていないようだ。


さあ、高千穂峡へ行こう。御橋みはしの上から見下ろすと、夢にまで見た光景が!浅縹の水面に若緑が映える……真名井の滝の水音に癒される……幻想的で神話の世界みたい……。
もう少し日が昇ったほうが、より明るく翡翠色に見えるらしいけど、貸しボートの営業が始まる前の、人工物が一切視界に入らない状況を堪能したかったの。そのために、早起きしたの。思惑通り、しかも晴れたし、最高じゃないか。
嫁とわぁわぁ言いながら留まっていると、渓流の奥からカモが3羽、スイスイやってきた。流れ落ちる水が作る波紋を避けて泳ぐさまが、可愛くて可愛くて。そっかそっか、君たちも滝に打たれたくはないか。


場所を変えようと遊歩道へ向かったら、さっき見たのとは違うけどまた3羽のカモが、ひょこひょこ歩いていた。このあたり、多いんだね。鳥好きにはたまらん。


滝見台からの景観も、橋がアクセントになって良い。
2022年の台風14号の被害により、滝見台から先の一部区間は通行止めになっていた。鬼八の力石には近づけない。


地質にも着目してしまう。岩体に入った柱状の割れ目を柱状節理というのだけど、比較的規則正しい列柱をコロネードといい、上部コロネードと下部コロネードがぶつかったところをエンタブラチュアというらしい。
高千穂峡では、下のコロネードとエンタブラチュアが確認できる。元は上にも柱状節理があったけど、削られて今は無くなったということのようで。ブラタモリで勉強した。


ボートの予約時間までまだあるので、玉垂の滝たまだれのたきと月形も見に行った。阿蘇山の噴火は、こんなにも不思議で美しい風景を生み出したんだなぁ。大自然の驚異と神秘。


それからもうひとつ。御橋のたもとにある久太郎水神社を参拝。御橋は神橋とも書く。


神武天皇の兄のイツセが、五ヶ瀬川の5つの水系に、5人の臣下を水神として派遣したと伝わる。その1柱が神橋久太郎。一説には河童だという。神橋には龍神が住まうともいい、いずれにしても水神だね。

時間が迫ってきたところで、駐車場に戻る。係員さんがいらしたので、駐車料金をお支払いした。ネットの口コミが酷かったから身構えていたんだけど、全然普通の対応だったよ。


ボート受付には、当日分を求める人が列を成していた。僕らは右側の事前ネット予約者窓口で、さっと受付してもらった。
ボート利用券と番号札を持って、乗り場へと階段を下りる。救命胴衣を腰に巻いてもらい、番号札と引き換えに、いざボートに乗り込む。
ボートを漕ぐなんて、独身の頃に嫁と公園デートして以来だから、十数年ぶり。もたつきながらも、滝に向かっていった。近づくと、少し谷が狭くなっている。
慣れていないのは自分だけではなかった。あちこちでぶつかっては、お互いにボートを押してあげたり押してもらったり。片手で軽く押すだけで動かせるくらい、浮いたボートって軽いんだね。出会った人はみんな和やかで、良いムード。


と、そこへカモが悠然と追い越してきた。ほのぼのする。人馴れしているというか、ボート馴れしているというか。
撮影は基本嫁に任せたけど、時々オールを止めて、僕もスマホを構えた。落とさないよう、流されないよう、多少神経を使うけど、案外できるもんだな。


どうにか滝を見上げられる所まで進め、水しぶきがかからないよう反対側の壁に寄せた。真名井の滝の落差は約17メートル。決して大きくはないけど、ボートを押し流すくらいには力強い。操船がやや難しくなる。
そんな場所だからか、先に滝のそばや奥まで行った人たちが戻るのと、これから向かう人たちとで、渋滞が起きてしまった。もう少し進みたかったのが本音だけど、濡れないよう気を遣うし、制限時間があるし、その解消を待って僕たちも戻ることにした。
帰りはすんなり着岸。ふぅ、やれやれ。


乗り場から階段で上がる途中にも、滝が流れていた。行きには気づかなかったよ。こちらも躍動的。

貸しボートの料金は、金土日祝は30分5100円とかなり高額。観光客の足下を見ていると捉える向きもあるけど、それでも人が押し寄せるのだから、当然の設定だと思う。そこに価値を見出せる人が利用すればいい。台風シーズンには増水でボートや乗り場のメンテが大変だろうし、周辺の整備にも活かされているかもしれない。
ちょっと大変だったけど、僕たちはとっても楽しかったよ!渓谷美とアクティビティまで満喫して、大満足。

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