高千穂あまてらす鉄道

2023年5月12日金曜日 11:46

高千穂あまてらす鉄道は、廃線となった旧高千穂鉄道の線路を、トロッコ列車で景色を楽しめるアトラクション。かつて東洋一の高さを誇った、高千穂鉄橋からの眺めが最大の見どころとなっている。
メディアに取り上げられていたことから存在を知り、ぜひ乗ってみたいと思ったので行ってきた!

旧高千穂鉄道は宮崎県と熊本県を結ぶ鉄道として計画され、1939年に延岡駅~日ノ影駅間が開通、1972年には高千穂駅まで開通。しかし2005年、台風で橋梁が倒壊するなど甚大な被害を受け、廃線。復興を目指す有志により、苦難の末に2008年に「高千穂あまてらす鉄道」として再スタート。最初は手押しの木製トロッコを運行。それが軽トラックを改造したオリジナルの車両「スーパーカート」となり、現在は「グランドスーパーカート」を運行中とのこと。
高千穂鉄道を愛する人たちに支えられて、線路や景観が維持されているんだなぁ。

高千穂峡の次は、高千穂あまてらす鉄道。下調べ済みだったからすんなり行けたけど、高千穂駅駐車場の場所は、少しわかりにくい。先客が数台停まっていた。
受付開始時間の10分前に着いたけど、すでに開錠されていた。無事に第1便の乗車券を購入。車庫の見学もできるとのことで、発車時刻まであちこち見て回ることにした。


模擬踏切警報機。物は試しとボタンを押したら、カンカンカンカンと馴染みの音が鳴った。たったそれだけのことなんだけど、なんだか楽しい。普段勝手にできないものを、自由に操れるからなのかな。嫁が押すと、今度は低いトーンに変わった。


車庫に行ってみると、ディーゼルカーが保管されていた。高千穂鉄道TR-100形気動車というらしい。「TR-101」と車両番号が記されている。TR……あ、「Takachiho Railway」の略か。


整備や点検用の通路だろうか、線路より低くなっている所に下りて、車両の底や車輪を間近で見ることができた。
こうした小さな非日常体験の積み重ねが、あまてらす鉄道の魅力のひとつだと、あとから振り返って思う。


定刻が迫ってきたので、ホームに戻る。グランドスーパーカートは、屋根のない開放的なつくり。
切符の色で乗る車両が指定されていた。僕らは白だったので、進行方向側だ。内容も事前に調べていたから、先頭にかじりつくこともなかろうと、後ろ寄りにゆったり座った。心なしか、2両目より乗客が少ない。
9時40分出発。低速で風を浴びながら、コトコト揺られて走る。陽射しも暖かで、気持ちが良い。晴れて良かったぁ!


トンネルに入ると、イルミネーションが天井を照らす。真っ暗になったら子供とか怖がるだろうし、巧い工夫だなぁ。


続いては緑のトンネル。狙ったつもりはないんだけど、新緑が本当に美しい。


天岩戸駅を通過したら、鉄橋の前で一旦停止。橋上の風速を計測し、安全を確認したら、いよいよクライマックス。


そこは360度の絶景!高さ約100mの高千穂鉄橋の上でしばらく停車してくれて、その間は立っても良い。展望台などとはまた趣の異なる解放感に、心が躍る。
東側は、鹿狩戸橋やその奥の岩戸地区まで見晴らせる。


西側には雲海橋が見えるほか、高千穂峡がある方角だ。
さらに、シャボン玉を飛ばす演出まで。トンネルでの光といい、走行中のアナウンスといい、とにかく乗客に楽しんでもらおうという心遣いを、ひしひしと感じたね。そりゃあ嬉しくなるよ。


十分な撮影タイムのあと、再び発車。鉄橋を渡った先のトンネル前で、折り返しとなる。進行方向が逆になった。
帰りは、のんびりと流れていく風景を眺めながら過ごす。乗り物に乗るの、やっぱ好きなんだなぁ。
高千穂駅に帰ってきたら、終了。
駅舎でお土産を覗いてから駐車場に向かっていると、先ほど案内してくださった運転士さんとばったり。楽しかったですとお礼をお伝えした。心からの気持ちだった。

や~、メッチャ面白かった。不思議とすごく満足感があるね。嫁も乗って良かったって言っていた。
ボートを漕いだりトロッコ列車に乗ったり、神話とは関係ないけど、遊園地感覚で遊ぶのもいいね!

さて時刻は10時10分過ぎ。こんな時間に軽食を摂ろうとすると、だいぶお店が限られる。というわけで、道の駅のレストランに行くことにした。


道の駅高千穂の敷地には、高千穂の夜神楽の巨大モニュメントがある。女神アメノウズメと、裏側には男神アメノタヂカラオ。高千穂町のそこここでこの2柱をあしらったものを見かけたので、町のシンボルといっていいかもしれないね。


その奥には、ウズメの立像も。こちらはモデルがいそうな感じのリアルな造形。天香山の日影カズラをたすきにかけ、天の真拆を髪飾りにし、天香山の笹の葉を結って手に持ち、伏せた桶を踏み鳴らす。まさに『古事記』に描写さえるウズメの舞姿そのものだ。
ウズメは神楽面のおかめ顔で表現されることが多いけど、こちらのほうが好みだなぁ。

10時半のレストラン開店を待っていると、少し過ぎたところで開けてくれた。客は自分たちのみ。券売機の前で迷ってメニューを決めた。


それで選んだのが、チキン南蛮カレーと高千穂牛コロッケ。子供が好きそうなものを集めた感じだけど、いいの。無性にカレーが食べたくなったのと、チキン南蛮も食べたいと思っていたら、おあつらえ向きのがあって歓喜。嫁はそんなにおなかが空いていないというので、コロッケと、カレーを分け合って食べた。コロッケはサクサク、カレーはごろごろしたジャガイモが入った家庭的な味。そしてチキン南蛮は甘酢ダレがしみっしみで美味しい!良いブランチになったよ。

サイト内検索