加古川花火大会を有料観覧席で

2015年8月2日日曜日 22:15
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加古川に引っ越して数年、一度も行ったことないから、一度くらい観に行ってみよう。そう思い至った加古川花火大会。今年から有料観覧席が設けられたので、1席千円なら安いし、利用してみることにした。
ちなみに、昨年までは個人協賛席として、有料席があるにはあったものの、一口の額が大きく、二の足を踏んでたというのもある。とにかく、場所取りなんてものは面倒なので、やりたくなかったのだ。

会場周辺道路は交通規制が掛かるため、自家用車では行けない。だから電車で行くしかないと考えてたんだけど、ふと思い付いてバスを調べてみたら、実はすぐ近くに『かこバス』の停留所があると判明。これを利用しない手はないな。バスという選択肢は、つい見過ごしがちだ。
ただ初めてだから、いつ頃から混み始めるのか見当がつかない。開始は19時半だけど、念のため、少し余裕をみて16時半台のバスにした。さすがに早いのか、すんなり乗れた。
こりゃ楽だな~と揺られてたけど、途中で観覧席のチケットを家に置いてくるという、ポカミスかましてること気づく。アホだ。仕方なく、嫁には加古川駅周辺で暇を潰しておいてもらい、僕だけ電車で引き返した。
これが結果的に、混雑具合を検証することに繋がった。まず駅構内は、駅員の拡声器と人混みの喧騒で、なかなか混沌としてる。祭りの空気ともいえる。人の波をかいくぐり、最寄り駅まで戻った。さらに自宅まで軽く走り、チケットを持ち出す。噴き出す汗はタオルで拭った。
丁度出発から1時間あとのバスに乗れる時間だったので、再びバス停へ。今度は十名ほど待ってる人たちがいた。定刻から数分遅れてやって来たバスは、すでに立ってる人がいるほどの乗車率。僕を含むここで待ってた人々が乗り込むと、もうすし詰め状態だ。
そこから先、停留所に寄っては、ドアを開けず運転手さんが逐一満車で乗せられないことを謝る、の繰り返し。申し訳なさそうに車外案内を続ける運転手さんを見てると、なんだか不憫に思えた。仕事とはいえ、ご苦労さまです。
17時を過ぎるとバス利用は難しくなる、ということが良く判った。乗れただけマシだけど、身動き取れなくて、嫁に状況を連絡できなかったよ。

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加古川駅前に着いたら、嫁と合流。顛末を話して聞かせた。
駅構内を南から北へ通り抜け、警備員の誘導に従って、線路沿いに川のほうへ歩く。それなりに大勢の観客だが、自分のペースを乱されるほどではない。大阪淀川のそれと比べると、断然歩きやすい。密集しないぶん、暑くもないし。
土手の階段を上れば、河川敷に到着。
席は加古川バイパスの高架をくぐった先なので、露店を物色しつつ、そちらに向かった。
唐揚げ,たこ焼き,お好み焼き,焼きそば,りんご飴にかき氷。売ってる食べ物の種類には偏りがあって、店の数に比して選択の幅が狭い。

それでもその中から、夕食代わりに何か適当に買って、花火を眺めながらビールを飲もう。
バイパス近くまで行けたところで、食べるものを嫁と相談。それで選んだのが、唐揚げと焼きそば。ドリンクの露店の列がやたら長かったのと、焼きそばが自分たちの前で丁度切れて、一から作るの待ったせいで、全部揃えるのに思いの外時間を要した。

その際感じたのが、こういう祭りの場って、普段は接点の無いタイプの人間とニアミスするってこと。イケイケな若者の集団って昔から苦手。特に悪いことしてなくても、なんか鬱陶しい。
その点、有料席は良かった。たかだか千円とはいえ、お金を払ってまで席を確保しようとする人間の集まりとなると、落ち着いた雰囲気になる。これが最も大きい利点かも。

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あれこれ抱えて観覧席の入口へ行き、チケットを出して入場。お茶のペットボトルを貰えた。
エリア内は自由席で、想像してたよりずっと座席同士の間隔が広い。神戸や大阪のそれはぎちぎちにパイプ椅子を詰めてるから、ここもそんなんだとばかり。
これなら三脚を立てても、周りに迷惑掛けずに済む。後ろの視界を邪魔しないよう、座高までの高さにして、カメラを自分の前に設置。

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準備が整ったところで、嫁と乾杯。少し喉が渇いてたから、アサヒのドライでも美味しく感じる。
心配した暑さに関しては、加古川のすぐ傍ということで、川の上を吹いてくる風がかなり涼しい。これなら浴衣着ていっても大丈夫だったか。暑くて体力奪われると困ると思って、直前にやめたんだよね。なかなか着る機会ないから、浴衣って。
周囲を見渡すと、打ち上げ開始15分前の段階で、まだまだ空席が目立つ。最終的には結構集まったけど、それでも全部は埋まってなかったな。このくらいが、利用する側にとってはゆったりしてて嬉しい。運営サイドはどう判断するかな~。

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そうこうするうち、花火大会が始まった。簡単な説明がアナウンスされ、単発花火と連続花火(所謂スターマイン)が数分単位で交互に上がるというのが、基本的な構成。BGM無しってのが潔い。
アナウンスの前に、時折迷子のお知らせが挟まるのが、なんか和む。

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いくつか印象に残った花火を挙げていこう。
まず、五色の菊。いっぺんに開くとスゴク綺麗。

大河ドラマ『軍師官兵衛』で有名になった、官兵衛の妻の光姫をイメージしたゆるキャラ、てるひめちゃんの顔を表した平面花火。
平面花火は、斜めに開くと形が判らなくなる。放送では、ちゃんと正面向いてくれることを願って、と紹介されたほど。
実際、1発、2発と打ち上がっても、顔が判別できない向きに開いた。

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何度目かの打ち上げで、ようやく正面を向いたてるひめちゃん花火。しかしこの残念クオリティ。
さっきまであんなに歓声が上がってたのに、この時ばかりは会場全体から、「ああ~……」と落胆の声が。ため息でも、何万もの人が一斉に吐くと、大きくなるのね。息ピッタリの謎の一体感に、思わず笑ってしまった。
スマイルとかハートなんかと違って、かなり難しい挑戦だと思うんだ。これにめげずに、花火師さん頑張れ。

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ヤシ。これは良く判る。
他に、蜂のような音の花火なんかもあった。

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フィナーレは枝垂れ柳。正式には錦冠菊にしきかむろぎくというらしい。
露光時間長過ぎて白飛びしないように気をつけたら、むしろ迫力不足の絵になってしまった。
僕の写真の不出来を抜きにしても、全体的に派手さはなかった。けど、たっぷり観られた気がする。

終了すぐには動き出さず、三脚やらゴミやらを片付けながら、ちょっとの間、人が捌けるのを待った。
頃合いをみて、僕らも帰路に就く。

するとまあ、河川敷がヒドイことになってるじゃないの。あちこちに散乱する、空になったかき氷の容器や紙皿など。そのポイ捨てされたゴミの多さに辟易した。
会場にはゴミ箱が無いから、各自ゴミは持ち帰る。そんな、当たり前のことができないバカが多過ぎる!
せっかく綺麗な花火を観て気分良かったのに、人間の汚いところを目の当たりにして、台無しになった。ットに、バカじゃないの。あんなことするような輩どもは、二度と来るな。

――さて、気を取り直して帰り道。
JRの高架も過ぎた南まで歩き、駅の南口を目指した。北口から南口への通り抜けが禁止されてるのと、タクシーに乗るのが目的だからだ。
ニッケパークタウンの横を通ったり、なかなか遠回りをさせられた。
駅前に着いて確認したタクシー待ちの列は、そこそこ長い。存外花火客狙いのドライバーが少ないのか。仕方なく並んで待った。
そしたら、終了時刻から1時間もあとだから、乗ることはないだろうと踏んでた、『かこバス』の臨時便がターミナルに入ってきた。そっちのほうが早いかもと、列を抜けてバスに乗り込んだものの、小銭も千円札も無いことに気づき、敢えなく下りることに。
で、タクシー列にまた並び直し……。
ここではふたつ失敗した。ひとつは万札を崩してなかったこと。もうひとつは万札が使えるかの確認を、列に一人残して片方がすれば良かったこと。疲れで頭回んなかったのかな……。
バタバタしたものの、ほどなくタクシーに乗って帰宅できた。運転手のおっちゃんは、安全運転かつ話の面白い人だったし。

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では総括。
加古川の花火大会って、観客はほとんど地元と周辺地域の人たちみたいだ。メジャーなイベントと比べて集まりが遅い。
その割に、会場となる河川敷が広く、中洲からの打ち上げとあって、会場周辺からも良く見えることもあり、場所取りに躍起にやらなくても悠々観賞できそう。
そういう意味で、有料観覧席の場所取りとしての価値は低いかも知れない。
しかし先述のとおり、ファミリーやカップルを中心に、大人しい人が利用してるように感じたので、隣に陣取った連中が騒がしかった、みたいな事態は避けられるように思う。
あと、椅子に座れる。折り畳み式のを持ち運ぶ手間は省けるね。
僕らにとっては、千円の価値は充分あった。

それ相応に混雑するけど、大阪みたいなカオスにまではならないから、気楽に行ける花火だ。
ただ、あの帰りの煩わしささえなければなぁ。どんな花火大会にも共通する悩みだけど、なんとかならないもんか。

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