奈良町からくりおもちゃ館が意外と面白い
2015年8月29日土曜日
14:04
ランチを済ませたら、いよいよならまち散策に繰り出す。まず向かったのは、奈良町からくりおもちゃ館。名前だけ聞くとつまんなそうな場所なんだけど、敢えてるるぶのモデルコースに乗っかってみた。そしたらこれが存外面白かった。
人通りがほとんどない坂道の途中にある、からくりおもちゃ館。入場無料と書いてあるので、おそるおそる中へ足を踏み入れる。
入って左手に畳敷きの部屋が2間あり、子供とおじいさんたちの、おもちゃで遊んでる姿が見えた。縁側から靴を脱いで上がる。誰かの家にお邪魔するみたいだ。
ひっそりしてた通りとは違い、館内には十数人ほど確認できたから、ちょっとビックリ。
机の上には、手の温もりが感じられるような、木や紙でできた手作りのおもちゃが、いくつも置かれてた。一目見ただけでは遊び方のわからない物も多い。
新たにやってきた僕らに、係員と思しき年配の男性が話しかけてきた。にこやかに、そしてどこか誇らしげに、どうやって遊ぶのか、一つひとつ教えてくれる。
江戸時代など昔のおもちゃの復元品だが、そのからくり仕掛けには、正直驚かされた。単純だけど、よぉ~く考えられてて、工夫が巧み。
特に鐘撞き坊主には膝を打った。木槌を持った坊さんと凡鐘がセットされた箱を、一度逆さに置いてから、正位置に戻すと、鐘を撞く動作をなんと一定時間おきに繰り返すのだ。それも30回ほど。まるで電池でも入ってるようだ。
どういう仕掛けなのか、しばらく唸ってみたけどわからない。
係員のおじいさんが裏側を見せてくれて、種明かし。ネタバレすると興ざめなので、その中身は伏せておくけど、見事な発想と言うほかないね。難しいことは何もしてない。
他のおもちゃもだいたい全部試して、3人で遊んだ。PLさんと嫁が綱引きで対戦したり、木と紐の知恵の輪に挑んだり(2つとも解いてしまったPLさんスゴい!)、猿を上に登らせたり、相手の選んだ図柄を当てるマジックみたいな本をやったり。
子供たちは普段見慣れないおもちゃだけど飛び付き、大人たちは感心しながら触れるなど、周囲の人たちも思い思いに楽しんでた。
解説してくれる年配の方々はボランティアらしい。伝統文化の発信だけでなく、地元民と観光客の交流の場の提供も、この施設の役割みたい。そのための無料開放なんだろうけど、それ以上の価値があるように思えた。
とはいえ、有料になったら人が寄り付くかといえば、それはそれで難しそうだ。一度訪れてみれば、その面白さは伝わると思うんだけど。
ガイドブックで紹介されてなかったら、まず行くことはなかっただろう場所。だけど、食わず嫌いしなくて良かった。
もっと若い人たちが、女子旅やデートで、童心に帰って遊んでも良いんじゃないかな。