奈良国立博物館 白鳳 花ひらく仏教美術

2015年8月29日土曜日 11:26
待ち合わせは昼なので、午前中は奈良国立博物館に行くことにした。『白鳳 花ひらく仏教美術』という特別展が目当て。
猿沢池から五十二段を上がり、興福寺の境内を通り抜ける。東大寺に近づくと、そちらへ向かう観光客と鹿たちにぶつかった。彼らの間をくぐり抜けて、脇道に入る。

奈良国立博物館。そういえば国立のミュージアムは初めてだ。
開館間もない時間にも関わらず、同じ方向に向かう人たちは、思ってたより多い。もっと周辺の寺社にばかり集まるのかと。自分が考える以上に、仏像に興味がある人がたくさんいるんだな。自分たちよりずいぶん歳上の方々ばかりだけど。
周りの芝生や池には鹿がいるけど、整えられた石畳の上には入っていかないようだ。アスファルトは平気でも、こういう所は警戒するのか。

新館に入り、チケットを購入。音声ガイドは嫁だけが借りた。
古代の紙片や瓦は見ない。美しい仏像など、鑑賞ポイントを絞って館内を巡った。
加古川の鶴林寺の観音菩薩立像が来ていて、地元でも見られないものを見ることができる、そういう意味でこの手の展示は有り難い。

個人的に特に目を見張ったのが、薬師寺関連。
聖観世音菩薩しょうかんぜおんぼさつ立像にしても月光菩薩立像にしても、通常360度ぐるりと回り込むことはできない。今回背中も観て、細部まで彫られてることに改めて惚れ惚れした。
音声ガイドを聖観世音菩薩だけ聴かせてもらったけど、既知のことしか言わない。これなら僕には不要。ちょっと勉強してればわかることばかり……とはいえ、そんな勉強が身に付いてる自分のほうが、特殊だとは思う。
東塔の相輪に付いてる水煙を間近で観る機会は、そうそうあるもんじゃない。薬師寺の東塔は現在修理中。その間しかできない展示だよな。炎をイメージさせる水煙に、飛天が舞う。こんな風になってるとは思わなかった。
光背付きでお堂の壁際に安置する仏像の背中にしろ、高い塔のてっぺんに付ける水煙にしろ、普段見ることが難しいような部分まで、徹底的に作り込む……凄い信仰心のなせる業だな。

なんだかんだでじっくり回ってしまい、約束の時間が迫ってきた。それでも観たかったものは観られたし、ささっと博物館をあとにすることに。

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