いよいよ夏本番で暑くなってきた。避暑を兼ねて、高原まで天然のプラネタリウムを観に行こう。そんなことを考えて、神河町の峰山高原ホテルリラクシアに宿泊。
しかし当日は生憎の曇り空で、星空は拝めそうにない。それならそれで、せめてゆっくり羽を伸ばそうと、気持ちを切り替えることに。

兵庫県の中部に位置する神河町は、姫路から真っ直ぐ北へ上がった辺り、播但道からならすぐの場所。高原へと登るワインディングロードを走り、ホテルに到着した。
駐車場の車のナンバーをチェックすると、神戸や姫路が多い。峰山高原は観光客向けというよりも、兵庫県民の避暑地といった感じなのかな。映画『ノルウェイの森』のロケ地とのことで、一応観光資源はあるけど。
天候のせいか連休ではない日曜のせいか、宿泊客が少ないようで、静かなロビーでチェックインの手続き。


部屋に荷物を置いたら、早速ロケ地になった森の散歩に出掛けた。映画は未見だし特に興味も無いんだけど、緑の中は二人とも好きだからね。
さすが高原だけあって少々肌寒く、嫁は薄手のパーカーを羽織った。これぞ避暑地ってもんだ。


ほどほどに整備された散策路や橋があり、ぶらぶらするには丁度良い。路があるといっても、サンダルではちょっとツラいかも。
いつもながら、スニーカー持参で必要に応じて履き替える嫁は、賢い。
その彼女にカメラを預けて好きに撮らせてみたり、映画の撮影解説の立て看板を読んだり、散歩そのものは楽しめた。


ホテルの中庭まで戻ると、家族連れが遊んでた。子供はホント、どんな所でも心底面白そうにはしゃぎ回るよなぁ。羨ましい。
向こうの山には雲が掛かり、星空観察はやはり望めそうにない。


自然の中なので、色んな虫がそこらにいた。ただそれが、見たことない姿の虫ばかり。高原に生息する種類なのかな。葉っぱに擬態した蛾なんて、嫁は最初、生物だと気づいてなかったし。
絵づらとして気持ちの良いものではないから、掲載はこの１枚に止めておく。


幼児たちほどではないけど、結構この状況を満喫してたのが嫁。散歩から帰った際には、敷地内にあった動物型遊具に跨ったり、中庭のハンモックで、寝転んだりぶらぶら遊んだり。
無邪気にはしゃぐ嫁が可愛いったらない。そんな様子を見て、僕もスゴク嬉しくなった。


次第に白い霧がホテルにまで下りてきて、まるで雲の中に入ったよう。
天気予報では、兵庫南部も北部も晴れだったんだけど、中部はまた別みたいだな。全然傾向が異なるらしい。ここが山中だということを差し引いても、登る前から、晴れから曇りのゾーンに入っていくのは、走ってて見えたから。
しばらくロビーのソファでぼんやり庭を眺めたりしたあと、部屋でまったり過ごした。スタンダードツインという割に、かなり広い。これは嬉しい。

ディナーは館内のレストランで、和洋折衷の創作料理。
レストランは中々の雰囲気で、僕らが通された席は、並んで掛けて外を見られるようにしてあった。ファミリー層にしてみれば、もう少しカジュアルにしたほうが良いと思うかも知れないけど、カップルにはこの落ち着いたムードは良い。
接客もそんなに気取ってなくて、とあるトボケた若い女性以外は、ホールスタッフの感じも良かった。
最も良い意味で裏切ってくれたのが料理。思いの外美味しい。くつろげればそれで構わないやくらいに考えて、料理には期待してなかったんだけど、この値段でこの内容ならアタリだ。特別な素材は使ってないけど、料理人がポリシーを持って丁寧に作ってる印象を受けた。トマトって焼いたらあんなに美味しいもんなんだね。

おなか満足で部屋に戻った僕らは、未練がましく窓の外を覗く。ライトが当たって見える場所は真っ白、空は真っ暗。やっぱりダメか～。
ホテルには展望露天風呂のある大浴場があるんだけど、僕らは利用しなかった。男女二人だと、分かれて入らなきゃならない大浴場って、使う気になれないんだよな。

夜は、エアコン無しで快適に眠れた。暑くないって素敵。
翌朝、朝食も美味しく食べたら、身支度を済ます。
外は相変わらず濃い霧が掛かったまま。ちょっと運転するには怖いし、チェックアウトまで時間に余裕があるから、引くのを待ってみた。
多少マシになったかな～と思ったところで出発。視界が悪いには変わりないので、時速２０キロのノロノロ運転だ。
数キロ走ると、霧のエリアから抜け出した。山の上にだけ掛かってたのね。
田舎道をしばらく進み、播但道に乗ったら南下。姫路に近づくほどに晴れていった。思ったとおり、天気が変わる。

満天の星空を観るという本来の目的は果たせなかったけど、リラックスして過ごすことができた。近場のリゾートとしては、結構イケるんじゃない。