粒坐天照神社

2018年10月28日日曜日 17:43
粒坐天照神社いいぼにますあまてらすじんじゃは兵庫県たつの市にある神社で、播磨三大社の一社とされる。揖保郡いいぼのこおりの地名発祥説話として、播磨国風土記とは異なる伝承があるというので、行ってみた。

良く晴れた日の午後。明るい陽射しが部屋に差し込むと、どこかおでかけしたいなぁって気になってくる。となれば、近場で興味のある場所へ行ってみよう。
姫路バイパスを西へと車を走らせ、たつの市へ。龍野橋を渡って揖保川を跨ぎ、センターラインの無い道路を少し進むと、粒坐天照神社に到着。境内西側に駐車場があるのが有り難い。


『式内 粒坐社』と刻まれた社号標がやたらカッコいい。


鳥居を二つくぐった先の石段の上には、絵馬殿。
境内では、木の枝を集めたり清掃している方々がいらっしゃった。


絵馬殿を通り抜け、拝殿にてお参り。
御祭神は天照国照彦火明命アマテルクニテルヒコホアカリノミコト。記紀ではアメノオシホミミの子、播磨国風土記ではオオナムチの子、先代旧事本紀ではニギハヤヒと同一神とされるという、なんともややこしい神さまだ。
社名の天照あまてらすと祭神名の天照アマテルは読みが異なっていて、こちらも紛らわしい。本殿に天照大御神アマテラスオオミカミを合祀していた時期があったとかで、社名の読みも変更されたとかなんとか。元来は“あまてるじんじゃ”だったんじゃないのかな。
神社縁起によると、当地の有力者であった伊福部連駁田彦いふくべのむらじふじたひこが、光り輝く神より託宣を受け、ホアカリを祀ったのが始まりという。その時ホアカリから授かった稲種を耕したところ、一粒が万倍になり、大豊作となった。それで、地名をイイボ(粒)と呼ぶようになったと。
伊福部連という一族は、新撰姓氏録に記載があり、ホアカリの後裔らしい。つまり、先祖を祀った神社ということになるね。


摂社の大神宮の御祭神に、応神天皇・アマテラス・アメノコヤネ。現在は本殿からこちらに遷座されているわけね。


それ以外の境内社を簡単に。
菅原神社(菅原道真・イザナギ・イザナミ・ヤチマタヒコ・ヤチマタヒメ・保食神ウケモチノカミ)。
東三社は薬司神社(スクナビコナ・オオナムチ)、稲荷神社(ウカノミタマ)2社。


本殿の東側にさらに上へと続く階段があった。鳥居も見える。


ガタガタの石段を慎重に上ると、ここにも小さな祠がひとつ。扁額には『瑜伽神社』。


本殿の西側に厳島神社(イチキシマヒメ)。
西二社は琴平神社(オオモノヌシ)、瑜伽神社(手置帆負命タオキホオイ)。あれ、さっきも同じ名前のお社があったのに。いや、稲荷も複数あるし、それほど深い意味はないのかも知れない。
西五社は住吉神社(ウワツツノオ・ナカツツノオ・ソコツツノオ)、愛宕神社(ホムスヒ(カグツチ))、恵美須神社(コトシロヌシ)、秋葉神社(カグツチ)、稲荷神社。


こちらの手前にあった狛狐が、ちょこんと小さくてカワイイ。


最後に本殿の姿を確認。銅葺の流造だ。

ん~……良い雰囲気の神社だったけど、それ以上の収穫はなかったなぁ。
風土記にある地名の語源と関係があるとされる、中臣印達神社なかとみいたてじんじゃにも行ってみるしかないな。そちらの境内社にも粒坐社があるそうだし。

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