音声ガイドに列ができる京のかたな展前期
2018年10月19日金曜日
21:39
ゲーム『刀剣乱舞(以下とうらぶ)』の影響で世は刀剣ブーム。刀剣を擬人化した刀剣男士が人気で、ユーザーの多くは女性。刀剣女子なる言葉も誕生した。
嫁に誘われた僕は、数少ない男性ユーザーだ。ゲームに登場するキャラのモデルとなった刀剣がズラリと揃う、『
大盛況なのは間違いない。ならば、最も空いている時間帯はどこか。金曜と土曜は20時までの夜間開館日が設定されている。狙うなら金曜の夕方じゃないか。
というワケで、平日の遅い時間に行ってきたんだけど、刀剣女子たちの熱意を甘く見ていた!アレもコレも並ぶ並ぶ……。
仕事をお昼で上がり、帰宅して身支度を済ませ、『千登利亭』さんに持ち帰り予約の電話を入れてから、車で京都へ。狭い団栗通り沿いのコインパーキングになんとか駐車し、お寿司をゲットしたら、今度はホテル近くのコインパーキングに停める。スーパーホテル系列はもはや常連(今回は京都・烏丸五条)。宿泊先に荷物を置いて、京都国立博物館までは徒歩で向かった。一泊する駐車場を確保しておきたかったし、日中に京博の駐車場に入れるのは諦めていたからね。
七条大橋まで行くと、“お仲間さん”がぞろぞろ同じ方向に向かっていた。アクキーぶら下げてたりするから、すぐ判別できる。
博物館のゲート前の表示では、現在の待ち時間ゼロ。事前購入のチケットレスQRコードをかざし、すんなり敷地までは入れた。
しかしだ。会場である平成知新館に入館するや目に飛び込んできたのは、音声ガイドに並ぶ行列。今展示では音声ガイドが、伊武雅刀さんの語りと、とうらぶ出演声優4名によるナビと、2種類用意されている。僕らの目当ても、2階まで延びる長蛇の列も、後者のほうだ。
とうらぶ人気恐るべし。機器は多めに用意しているだろうけど、当然台数に限りがある。準備でき次第一人ずつ渡していっているようだった。
何回も折り返す列の最後尾につき、待つこと1時間。17時頃に着いたのに、展示室に行けたのは18時を回っていたよ。なんの仕切りもないのに整然と並んでいたのには、感心した。“審神者”たちは皆行儀が良い。
エレベーターで3階に上がり、次に待っていたのは、『
そして待った甲斐があった。姿が美しく、反りはなんとも雅で、武器であることを忘れて見入ってしまう。号の由来となった三日月型の
例によって立ち止まることを許されないので、ゆっくりカニ歩きしつつ、単眼鏡を覗くという謎のスキルを発動。刀の鑑賞には、視線を上下に動かして光の反射具合を変えることも必要になるので、さらに難度アップ。
最前列を抜けたあと、2列目からじっくり観ることで、十分満足することができた。最初のひと振りだけで、なんという充足感。
角度を変えながら刀を見つめていると、自然と反対側のお客さんの顔も見えてしまうんだけど、皆一様に瞳がキラキラしていたのが、とても印象に残っている。はぁ~と頬を緩めていたり、真剣だったり、“推し”を拝むことができて、本当に嬉しいんだろうなって。
そんな刀剣女子たちは、観賞マナーも良い。この日は9割近くが女性だったこともあり、混雑している割には快適。
あれもこれも並んで時間を食ったので、嫁と相談し、前期のみ展示の品を中心に、ここからはダイジェストで。
『博多藤四郎』,『前田藤四郎』,『明石国行』,『謙信景光』,『村正』はとうらぶ登場の刀剣。諏訪部順一さんが千子村正の声で笑かしにかかってくるの、反則。
『圧切長谷部』にもとんでもない列ができてて、諦めた。通期だから次回に回そう。
比較的余裕のある部屋では通期の刀も。『五虎退』も粕谷雄太さんの声で笑いそうになった。『包丁藤四郎』ってホントに包丁みたいな刀身の形なんだな。『鳴狐』は想像以上に綺麗だったけど、『歌仙兼定』は逆に期待していたのとは違った。
刀剣男士がなぜああいうデザインになったのか、スッゴく腑に落ちた刀が多い。改めてとうらぶスゲーってなった。ごく一部は、イメージから僕の中のハードル上げ過ぎた気がするケド。
ハイライトは『膝丸』と『髭切』のふた振りを並べた展示。とうらぶでは兄弟として登場するだけあって、並んでいるだけで素敵な光景と思えてくる。解説も膝丸役の岡本信彦さん。どちらも面白い伝説がある刀で、そうした部分込みで観ると、なお楽しい。
かなり大胆に端折ったけど、最低限押さえておきたいポイントは押さえられた。
それでも時刻はもう19時半。ミュージアムショップも明治古都館も行列だったので、これらも次回に持ち越し。博物館を後にした。
それから、近くの酒店で日本酒を物色。せっかく京都なんで、月桂冠の純米大吟醸『鳳麟』をチョイス。
ホテルに帰り、鯖寿司や箱寿司を肴に飲みながら、嫁と刀剣鑑賞の感想会を開いた。二人とも、何は無くとも三日月宗近が良かったってところで一致。他にもあれやこれやと語らった。
思惑こそ外れたものの、素晴らしいものに触れられて満ち足りたよ。