1001体の千手観音が揃った三十三間堂
2018年10月20日土曜日
09:44
京都市東山区にある三十三間堂は、千体千手観音立像で知られる。その千手観音が近く国宝に指定されることを記念して、東京3体、京都1体、奈良1体の、国立博物館に預けてられていた計5体が戻り、1001体すべてが揃ったという。しかも、11月26日まで拝観台が特設され、通常より高い位置から拝むことができると。これは是非とも観てみたい!
翌朝、少し早めに朝食を食べたら、開門の8時に合わせて出発。天気予報が大外れで、小雨がぱらついている。車に一本傘を積んでおいて良かったよ。
前日京博まで歩いたことで、おおよそ地図が頭に入っていたので、ナビ無しで三十三間堂の駐車場に到着。係員さんに、駐車は40分以内にするよう釘を刺された。駐車場代は無料なのに超人気スポットだから、回転を良くしたいのだろうし、停めっぱなしにされても困るだろう。京都に車で行く人間は多くないにしてもね。
拝観料大人ひとり6百円ずつを納め、参拝口をくぐる。
傘を傘立てに置くんだけど、案内のおばさんから、柄を奥にして置いたほうが良いと言われた。というのも、僕らの傘が刀を模した――某観光地で買った――もので、子供などに珍しがって持っていかれないように、配慮してくれたのだ。なんて気が利く人なんだ。
それから下駄箱に靴を入れて、本堂の中へ。
千体千手観音立像を拝むのは4年ぶりだが、やはり圧倒される。しかも、1001体が揃った状態というのは、その事実だけで有り難く感じられる。なんせ数を確かめようがないほど多い。
土曜日といえど、さすがに朝イチだから参拝客が少ない。外国人と日本人は半々ぐらいか。
本尊の千手観音座像を中心として、風神・雷神と二十八部衆が前に、千体千手観音立像が後ろにズラリと居並ぶ。さらに本尊への読経が始まり、より一層厳かな空気が漂う。そのさまに、自然と手を合わせてしまう。
その先の拝観台に上ると、最奥の千手観音のご尊顔まで見渡せた。横からではなく前から、10列あることをちゃんと確認できた。たかだか高さ1.2メートルだけど、思った以上に見え方が変わる。
逆にいえば、普通に廊下に立つと奥まではっきり見えない。
ふと思い至った。千体千手観音立像は無限を表しているのかな。横に100体、階段状に10壇というのは、左右どちらを見ても数え切れないし、奥を見ても数え切れない。それに、自然と視線は上に上がっていく。
ありとあらゆる手を尽くして人々を救うために千手はあるというけど、それだけにとどまらず、目の前にした人にとっても、無限の観音様を感じられるように。
三十三間という空間に、色んな思いが詰まっている……そんな風に考えた。
北側の廊下から、本尊の真裏にある1体も拝んだ。これで1001体。一番身近で観ることができるんだよね。
雨が上がったので、本堂の周りの遊歩道を散歩。初めてかと思ったら、前にも同じことしてた。先に気づいたのは嫁。僕も途中で思い出した。
結局1時間弱かかったけど、特に注意されることなく駐車場を後にした。
何回観ても圧巻だね……それに、勢揃いってやっぱ嬉しい。