函館元町・ベイエリアを漫ろ歩き

2017年5月25日木曜日 17:47

函館のまちを、気の向くままぶらぶらしてみよう。夜景が主目的なので、日中は敢えて目的を設けないことにしてみた。細かなプランニングする旅行のほうが多いけど、こういう試みは倉敷に続いて2度目。タイムテーブルに自由行動って書くと、まるで修学旅行みたい。

美味しいランチのあと、緑町通りまで歩いて市電杉並町電停へ。上りと下りの停留場が想像以上に離れてる。下りの谷地頭方面ゆきに乗り、十字街に向かった。
路面電車ってあちこちで見たことあるけど、実際に乗車するのは初めてだ。整理券取って、距離に応じた料金を、下りるときに釣り銭の出ないように払うって、乗り方はバスとほぼ同じなんだな。


ベイエリアの起点に降り立った僕たちを迎えてくれたのは、坂本龍馬像。
ん、龍馬って蝦夷地に渡ったことあったっけ?……ないよねぇ。なのに北海道坂本龍馬記念館があるのね。函館といえば土方歳三との縁が深いけど、だからって幕末明治に活躍した人をこじつけたのか。あんまりこの人好きじゃないから、余計にビミョーな気分になった。


気を取り直して金森倉庫群へ。ここだけは寄る予定に入れてた。七財橋しちざいばしまで行って、運河を挟んで建つ赤レンガ倉庫を眺める。そう、何はなくともまずここを見たかったんだ。函館に来たって実感が湧く。


右を向けば、ズラリと並ぶ倉庫群。奥に見える函館山の山頂は、すっぽり霧に覆われてる。夜景が少々心配だな。


この石畳の橋は屈指のビュースポットなんだけど、車の往来が激しい場所でもあった。撮影に夢中になってると危ない。そういう点では京都の花見小路通に似てる。


とりあえず端から巡ってみようと歩いていくと、レンガ造りの教会が。『リラノートチャーチ ベイ函館』というらしい。立地といい、如何にも式場っぽい。


『BAYはこだて』のレンガはフランス積み。明治40年の大火で一部焼失したらしいので、鮮明でない部分があるのはそのせいかな。上のほうはイギリス積みになってて、再建の跡がそういう所にも表れてる。
中はショッピングセンターで、オルゴールや雑貨など、見て回るだけでも楽しい。


運河の向こうの広場にあったのは、幸せの鐘。最近はこの手のを見つけると、触らずにはいられない。思いきりロープを引っ張ったら、結構喧しく鳴った。不意を突いたせいか、嫁がしかめっ面。でも、彼女も記念撮影したらすぐ上機嫌に。


他の倉庫内も隈なく回った。土産物屋もあったけど、やはり雑貨が多い。
なお、積み方は全部イギリス積みだった。


続いては八幡坂はちまんざかへ。坂の上からの景色が有名だというので、時間も体力もあるし、行ってみるか~と。
急坂を登り切ると、突き当たりには観光客が大勢屯してた。誰もが坂の写真を撮ってる。彼らが捌けるの待って、僕らも挑戦。少しズームして手前のビルが入らないようにすると良い、とわざわざ助言をくれるおじさんがいた。
函館港まで見通せる真っ直ぐな坂道は、確かに良い眺めだが、晴れた日のほうが映えるだろうな。


団体さんとは逆方向に行くと、ハリストス正教会が見えた。ここも明治40年の火災に遭い再建されたという。ビザンチン様式と聞いても不勉強なのでピンと来ないが、ロシア風というのはなんとなく判る。知識が無くても建築の美しさは感じるしね。
献金を納めて聖堂内を拝観。これも初体験のことだ。
ミッションスクール出身の嫁は、慣れた所作で十字を切って拝んでた。そんなことに感心してしまう。
初めて感じる聖堂の中の趣は、仏教寺院のそれと似てる。宗教特有の荘厳さなんだろう。


さらに歩いていくと、今度はカトリック元町教会が。ここも火事で類焼したのか。
こちらも拝観してみた。先ほどとはまた変わって、両サイドと正面に彩色が施された彫り物で、キリストの受難が綴られてた。教会といっても色々あるんだなぁ。
そしてやっぱりお寺だ。
それにしても、中に入る人はどちらも少なかった。中も面白いのに。


近くにもうひとつ教会があったけど、見た目にあまり惹かれなかったのでスルー。
それよりも巨大な瓦葺きの屋根が気になり、東本願寺函館別院へ。
例の大火のあと、再建にあたり鉄筋コンクリート造になったらしい。建築的価値もあるだろうけど、とにかくデカい。


寺院の境内の隣は二十間坂にじゅっけんざか。防火帯として整備されたため、これだけ広いんだと。
函館には幾多の大火に見舞われた歴史があるんだな。何気なくあちこち巡ってきたけど、いずれもその災難をくぐってきてた。少しだけ函館というまちを、理解できた気がする。

あと思ったのが、函館は神戸と似てるってこと。港町で異国情緒が漂い、後ろに山を背負ってる。それから、具体的に似てる部分は挙げられないものの、小樽の雰囲気にも近い。それぞれを訪れた経験からの、個人的感覚だけど。


さすがに足が疲れたので、ベイエリアまで戻ったところで『ラッキーピエロ マリーナ末広店』に入った。ご当地グルメ堪能と夜までの腹ごしらえも兼ねてだ。
外観も内装も、ゴチャゴチャとした独特の世界。17時過ぎという中途半端な時刻にも関わらず、たくさんの客で賑わってた。修学旅行と思しき中学生も目立つ。お陰で結構待たされた。


僕は迷わず定番のチャイニーズチキンバーガーを注文。甘辛い唐揚げにマヨネーズがマッチして、なかなか美味い。嫁が頼んだイカカツも良かった。
しかし正直落ち着かない空気なので、隣のスタバに場所を変えて休憩。2階のソファに腰を下ろして、ラテを飲みながらぼんやり過ごした。

ひと息吐いたら、いよいよ函館山に向かうのだ。ということでつづく。

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