多賀大社 カッコいい社殿

2016年5月28日土曜日 23:16
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こんな俗謡があるそうだ。
お伊勢参らばお多賀へ参れ お伊勢お多賀の子でござる
現代風にいえばCMソングか。それが今日まで伝わってるのは、相応にお多賀参りが流行ったということを示してるのだろう。調べてもいつ頃できた唄かは判然としなかったが、伊勢を引き合いに出してることから、おかげ参りが大流行した江戸時代のものだろうか。
隠居したイザナギが鎮まった地と古事記に記された「淡海の多賀」を、近江の多賀と解釈すれば現在の滋賀県犬上郡多賀町となり、多賀大社である。多賀大社の主祭神がズバリ、イザナギとイザナミなのだ。2柱は伊勢神宮のアマテラスの両親でもある(両親というと語弊があるかも)。
しかし「淡海」は「淡路」の誤植との説も存在する。原本が残っておらず写本しかない古事記において、充分にあり得ること。古代の豪族の勢力図は一旦横に置いて、古事記の物語を素直に読むと、近江という地名が出てくるのはあまりに唐突に感じる。だから、イザナギたちが産んだ最初のくにである淡路島と読んだほうが、縁が強いし自然な流れだと思う。さらに、多賀という地名は淡路島にもあり、伊弉諾神宮いざなぎじんぐうの住所は兵庫県淡路市多賀だ。
多賀大社の由緒に水を差すような説を挙げておいてなんだが、それでも「お多賀さん」として地元に敬われ親しまれてる社であることに変わりはない。だからこそ、僕も参拝したいと思ったのだ。
それに、どちらが「淡海の多賀」でも良いじゃないか。僕個人にとってはそれを特定することに大きな意味など無い。両方とも楽しめるほうがオトクってもんだ。

さてさて、彦根をあとにした僕たちは、南下して多賀大社へ。どんよりした曇り空、多賀町に入る頃にはポツポツと雨が降り出した。
駐車場ありいうことを下調べ済みだったけど、到着してみると、想像以上に小さく狭い駐車場だった。これは考えなしにカーナビで神社を目的地にしたせいで、広い駐車場は少し離れた国道307号線沿いにあるみたい。ただこの時は、数台しか停めるスペースがなかったものの、幸い1台ぶん空いてた。
傘を差さなくてもまだ平気なくらいなので、そのまま参拝に向かう。

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鳥居と狛犬が僕らを迎えてくれた。大きな神社と聞いてたけど、人影はまばら。悪天候のせいか、普段はこんなものなのか、初めて訪れた僕には判断がつかない。

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太鼓橋は人が渡るにしては弓なりに凄く曲がってる。この手の橋は実際に渡ることはできず飾りだったりすることもあるんだけど、ここのは渡れるように丸太で階段が付けられてた。脇から先へ行くこともできるが、せっかくなので反り橋を渡ってみた。

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すると拝殿が見えてくる。一目で二人とも「かっけー!」と思わず声を上げた。社殿に対する感想でカッコいいってなんだって気がしないではないけど、や、本当にクールだよ。
手水舎で身を清め、拝殿にてお参り。
それから本殿の姿を捉えようと右手の道から回り込んでみた。しかし金咲稲荷神社に行けるだけで、本殿にはちっとも近づけない。
どうしたものかと思案してるさなか、雨脚が速くなってきた。先に進むのを諦めて道を戻る。で、拝殿の横から撮影したり色々試してたら、さらに雨が強まってきたので、ひとまず絵馬殿の下で雨宿り。

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拝殿正面から少し横から撮ったのが一番見えてる。最奥の、千木と鰹木が載ってるのが本殿。

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動けない……。でも、休みながら社殿を眺めてるだけでも、結構素敵な時間。
色合いが良いのかな。屋根と木材の異なるブラウンと、アクセントになる金色と、その背景を引き締める黒と。
いやそれだけじゃない。拝殿、神楽殿、幣殿、そして本殿と、折り重なるように連なる建物が見せる奥行きの深さ、その重厚感。それが優美なんだ。

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やむ気配のない雨に、末摂社を巡るのも断念する。
帰るにしても、嫁を濡らすワケにはいかないので、僕独りが車まで傘を取りに行った。

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傘を差して境内を出たら、向かいの『多賀や』で糸切り餅を土産に購入。名物らしいのでね。帰宅して食べたらシンプルながら美味しかった。機会があればまた食べたい。
帰路に就き多賀町を抜けると、雨がやんだ。もしかして、あの周辺だけ降ってたの。

じっくり回ることはできなかったものの、念願が叶ったし、端整な社殿も拝めたし、満足。土産も良かったしね。
それにしても、大津は近いって感覚で、大津から彦根は結構距離があるけど、それでもなんだ近いじゃんと思えるようになってきた。遠乗りに慣れてきたのかな、300キロ圏内は近いと考え始めてるぞ。伊勢も余裕じゃないか。
まだまだ行きたい神社があるし、今後計画しよう。

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