ひこにゃんのいる彦根城

2016年5月28日土曜日 15:28
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彦根城は彦根山に築かれた城郭で、天守が国宝指定されてる五城のうちの一つだ。その天守閣の美しさもさることながら、ゆるキャラブームの火付け役ひこにゃんの存在が大きい。

ランチを済ませた僕らは、夢京橋キャッスルロードを北上して彦根城を目指した。まずは外堀を渡る。
途中お城最寄りの駐車場の様子を窺ったが、満車と表示されてた。結果的に京橋口駐車場に停めて正解だったワケだ。土曜日でお昼を過ぎれば当然か。

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内堀にぶつかったら堀に沿って歩く。城のお堀のある風景って趣があって好き。ここまで近づいても天守は見えないんだね。
堀川を遊覧する屋形船を見掛けたけど、一度に大勢乗れるように2艘くっつけたような構造で風情が無い。堀川巡りの良さは松江や倉敷で知ったけど、アレは乗る気がしないな。

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内堀に架かる橋を越えた先にチケット売り場があった。彦根城・玄宮園共通券,彦根城博物館,彦根城と博物館のセット券と並んでおり、彦根城単体っていうのは無く、戸惑った。お城に入れる一番安いのは共通券なのか。ほとんどリサーチせずに訪れたから、玄宮園のこともわからず、ただ他に選択肢も無いので、ともかくそれを購入した。
そこから天守までは軽い登山。櫓などは後回しにして、先に頂上まで行くのだ。
標高が低いといっても山は山。そんなに登った気はしないのに、城下町が眼下に見えた。
本丸まであと少しというところまで行くと、上のほうからガヤガヤとした声が聞こえてきた。相当人が集まってるようだ。

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そして到着。賑やかな声の正体が天守前に垣根を作ってた。これ全部、ひこにゃん目当ての観光客。さすがゆるキャラナンバーワン、その人気は衰え知らずだ。スゲーな。

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天守前は一旦諦めて、控え部屋からの登場を狙う。すると、奥から出てきて手を振り振り近づいてきた。……カワイイ。柱に兜が当たらないように押さえたり、いちいち所作がカワイイぞ。ひこにゃん恐るべし。
近くにいた幼い女の子が必死にその名を呼んでたのも、微笑ましかった。

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スーパースターはスタッフの鉄壁のガードに囲まれて彦根城天守石垣の前へ。僕らも人垣の後ろから覗き込む。
それから30分のパフォーマンスが始まった。パフォーマンスといったって何をするのかと思えば、ひたすらポージング。しゅっと片足を横に出したり、首の鈴を鳴らしたり撫でたりと、よくもまあ身ひとつでここまで人の目を楽しませるものだ。男も女も、老いも若きも、その一挙手一投足に釘付け。笑いが起こり、空気が緩む。中の人、研究してるなぁ。プロのゆるキャラとはこういうものか。感心した。

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前列の人でもちょっとずつ輪から抜けていくので、そのぶん進んである程度前から観ることができるようになった。気が済んだところで、自分たちも離れた。

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それからひこにゃんを取り囲む人だかりを尻目に、天守内へ。
城というものを見慣れてきたせいか、これといって目に留まるものが無い。ただ階段だけは他の城と比べても急で、真横から写真を撮ってその角度を測ったら、なんと約60度。上るのはまだ良いが、下りるときは両手で手すりを掴まないと、大人でも危ないくらい。小さい子供は連れていかないほうが良いかも。

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最上階まで行列でつっかえたりしたけど、下りるほうは空いてる。その途中、窓から下を覗くと、ひこにゃんの頭頂部と後ろ姿が見えた。お尻がチャーミング。しばらくしてショーが終了し、彼は去っていった。

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天守から出たら観客の捌けた場所に立ち、改めてその雄姿を見上げる。あんまり近過ぎると装飾が見えないな。
少し後ろに下がると、凝った意匠が良くわかった。造形美。

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戦に備えたつくりの城だが、確か一度も合戦を経験してないはず。そのせいか、外観重視の感じがしてしまう。彦根藩主もあまり訪れなかったというし、存在自体が飾りなんだな~。

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ひこにゃんのパネルがあったのを見つけて、嫁が並んでポーズを取った。ぱっと見パネルとは気づかない。考えたな、上手い。

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下りながら行きに飛ばした所に寄る。
重文の天秤櫓は見所のひとつだって程度しか下調べしてない。内部が公開されてるのも知らなかった。格子の間からは表門山道や廊下橋が見え、上ってきたときとは全然違う新鮮な景色が楽しめた。

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天秤櫓の石垣は、向かって右手が築城当初からの“牛蒡ごぼう積み”、左手が幕末に積み直された“落し積み”だそうだ。行きにちゃんと写真まで撮ったのに、積み方の違いに気づかず、解説を読んで初めて気がついた。人間、目には映ってても見てるようで見てないねぇ。

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続いて玄宮園とやらに向かうことにする。勘で歩いてたら方向を間違えてて、嫁にも無駄に歩かせてしまった。ごめんと謝ったらいいよと言ってくれた彼女は、ホント体力付いたと思う。
きちんと地図を見て辿り着いた玄宮園は、回遊式庭園。ろくに調べてないから見所だって知らない。たくさんの小さな橋が池に架かってるさまは、それだけでも結構綺麗だけど。

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のんびり奥へ進んでいくと、人々が同じ方向に向かってカメラを構えてるところがあった。目線の先を見てみると、彦根城。なるほど、みんなコレを見に来るのか。水面に映り込んだ天守閣とのシンメトリーは情趣がある。
チケットが玄宮園との共通券になってるのは、この風景を見てほしいってことなのかな。これは見せたくなるの解るなぁ。

ひこにゃんに会えるだけじゃない、玄宮園から仰ぐ彦根城も素晴らしかった。
とはいえ、地元びいきかもだけど、兵庫県民としては姫路城に慣れ親しんでるから、やはりそちらのほうが立派だと思ってしまうな~。もちろん、彦根城は訪れて良かったし、一目見る価値もあったよ。

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