別邸蒼空のグランデツインで誕生日祝
2016年5月13日金曜日
11:11
『ホテルニューアワジ プラザ淡路島』の『別邸
ホテルニューアワジと聞くと、兵庫県民としてはついあのCMのメロディが頭に浮かぶ。僕らが選んだのは同グループのプラザ淡路島。その特別客室『別邸 蒼空』のなかから、グランデツインという部屋に決めた。
蒼空は全室専有露天風呂とテラスがあるのが魅力。しかも、客室付きの露天風呂にありがちなここだけ温泉じゃないなんてことはなく、ちゃんと温泉だということも確認できた。これが決め手となった。
グランデツインにしたのは、部屋食を嫌ったため。宿の印象を、仲居さんの当たり外れに大きく左右されたくなかった。その接客が付かないからか、価格が抑えられてたし。そうはいっても決して安くないが。
また、アニバーサリーサービスが用意されてる。宿泊プランがアニバーサリープランでなくても、ネット予約ならアニバーサリーサービスを希望する旨を書き添えておけば良い。詳細は後述するが、このサービスが無料というのも嬉しい。
土生港に戻った僕たちはまずトレッキングシューズを脱ぎ、嫁はパンプスに、僕は革靴にそれぞれ履き替えた。場所に合わせて靴を替えるのは嫁に教わった。車移動だと荷物にならないからやりやすい。
それからプラザ淡路島へ車を走らせた。
近くまで行くと、巨大な風車が立ってるのが見えた。支柱にホテル名が書かれてたし、自前の風力発電システムらしい。これは、ホテルが風を受けやすい高台にあることも意味する。
車を駐車場に停め玄関まで行くと、タキシード姿の老紳士が荷物を持ってくれた。お年寄りに重たいボストンを渡すのは一瞬躊躇ったけど、彼らの仕事を奪ってはいけない。
フロントには先客がいてチェックイン手続きを待たされたけど、もう何も予定がないから気にしない。
部屋には若い女性スタッフが案内してくれた。グランデツインは303号室で本館にあった。別邸という名はあくまでコンセプトってワケね。離れもあるみたいだけど。
一通り室内設備について説明されたあと、アニバーサリーのルームサービスはいつが良いか希望を訊かれた。結果的に昼食を抜いてしまい空腹だったので、今持ってきてもらうことにする。
フルーツ盛り合わせに、スパークリングワインのハーフボトル。ボトルのコルクが抜けなくて苦戦してたけど、焦ったそぶりを見せなかったから、なかなかできたホテルマンだと思った。
それから一眼レフでの記念撮影。現像した写真は、チェックアウト時にオリジナルカードが添えられて貰えた。
おめでとうと言ってもらった嫁は喜んでくれたし、スタッフさんの感じも良かった。
室内に設置されたiPadでコンポのスピーカーからBGMを流し、スパークリングワインで乾杯。フルーツでおなかを落ち着かせることもできた。こういうの、お祝いムードが出て良いね。
夕食時に片付けてもらうようお願いしておいたら、余ったワインは残されてて、グラスを新しいのに交換してくれてた。気が利くなぁ。直近の宿泊での出来事が残念過ぎて、こうしてホテルらしいもてなしを受けると安心する。
お次はやっぱり温泉。
テラスの専有露天風呂は、眺めも天気も良いから本当に気持ち良い。穏やかな瀬戸内海と雄大な大鳴門橋を望みながら、あたたかい湯に浸かる……最高だよ。
湯船は二人で入るには充分な広さがある。外だから虫が浮いてることもあったけど、網で掬えば済むし、それをフロントに依頼することもできる。
専有だと、誰にも邪魔されず自分たちの好きなときに入れるのが利点だよね。夜と朝にもゆっくり温泉に浸かれて、申し分ない。
夕食までは、午前中に撮った写真を互いに見せ合ったり、離れにある専用ラウンジでお茶したりと、ただただのんびり。何もしないという贅沢。コレを求めてココへ来たんだ。……その割には日中かなり歩き回った気がするケド。
ディナーはロビー階にあるダイニング『旬房 海楽-KARAKU-』で島会席。
テーブルとカウンターの席があり、僕らはシェフズカウンターをチョイス。オープンキッチンを目の前で見られるのと、子供利用不可ってことでオトナの時間を過ごせると考えたからだ。
会席なのに、二人別々の料理を選ぶなんていうワガママができるからスゴい。食前酒,前菜,吸物,造りは共通だけど、鍋物(仕込みに時間が掛かるからかこれだけは予約時に),逸品料理2品,釜飯,デザートはメニューのなかから自由に選べた。特に逸品料理は幅が広く、肉や魚だけでなく、お造りに煮物に焼物、油物、さらに南あわじの食材を使ったシェフのおすすめまで。やろうと思えば肉料理2つなんてことも可能のようだ。やらんけど。
どれも美味しかったけど、なかでも印象に残ったのがお造り。鯛やタコが旨いのはもちろん、つまのタマネギについつい箸が伸びた。普段つまはあんまり食べないんだけど、これは美味しくて。さすが淡路島。
面白かったのは、タマネギ焼酎なんてものもあったこと。『ひだまり』というそうで、飲んだ瞬間鼻に抜ける香りがまさにタマネギ。不思議な味わい。なんでも焼酎になるもんなんだな~。
僕たちの前にいたシェフも好感が持てた。カウンターだから話し掛けられることもあるのかな~と思いきや、そんなことはない。かといって無愛想でもなく、テキパキと調理する。しかもちょっとイケメン。シェフの話術で不快になった経験もあるので、この距離感は心地良かった。
それともう1点特筆すべきはホールスタッフの気遣い。
逸品料理を食べてる途中に男性スタッフが話し掛けてきて、丁度今夕陽が見頃なので食事中だが声を掛けたとのこと。料理が冷めてはもったいないと思い、一皿片付けてから席を立った。すると案内もしてくれた。
ダイニングからテラスに出ることができて、そこからそれはそれは見事な夕焼けを見ることができた。大鳴門橋の向こうに沈む太陽のオレンジ色は、息を呑む美しさ。カメラなんて部屋に置いてきたから、慌ててスマホで撮った。ここまで綺麗だとは思ってなかったし、それをわざわざ教えてくれたことが有り難い。
加えて、料理のサーブのタイミングも追加ドリンク注文の対応も、文句なし。
翌朝は、チェックアウトぎりぎりの11時近くまで優雅に過ごした。朝食バイキングはまずまずの品数だったし、温泉も堪能した。
僕がフロントで精算してる間、前日とは違う老齢のドアマンと雑談してた嫁が、これから行く美術館の名前を思い出せないでいるのがおかしかった。
玄関まで僕が車を回し、荷物を積んでもらい、嫁が乗ったら出発。件のおじいさんがいつまでも手を振ってるのが、ルームミラーから見えた。徹底してるなぁ。
なんだかベタ褒めになっちゃったけど、価格に見合ったサービスを享受できたと思う。これでこそハイクラスホテルだよ。アットホームな面はあるけど野暮ったくないのが特徴かな。
同じレベルの接客を受けられるなら、また泊まってもいいな。