磐船神社
2020年11月29日日曜日
19:36
昼食を終えたら、学研都市連絡道路に乗って東進。清滝第二トンネルを抜け、天野川を越えたら川に沿って北上し、天野川トンネルの駐車場を目指す。ところが、駐車場が満車というだけでなく、周辺道路にも路駐車が溢れかえっていた。辺りに目立った施設は無いし、いったいなぜこんなことに。
やむなく、そのままそろそろと走る。センターラインこそあるものの、決して広くはない道路の片側が車で埋まっていて、離合が難しい状況。どうしたものかと思案しつつ慎重にハンドルを握り進んでいると、鳥居をくぐって出てきた車が。そうか、境内にも停めるスペースがあるのか。対向車に注意しながら、僕らも鳥居をくぐって中へ。隅に一台他の車が停めてある。その横に滑り込んだ。
色んな意味でヒヤヒヤしたけど、なんとかなったぁ。
磐船神社の境内には、他所の神社なら御神体クラスの磐座がごろごろしていた。早くも独特の空気に飲まれそうな思いがする。
まずは拝殿にて、御神体『天の磐船』に拝礼。御祭神としてはニギハヤヒをお祀りしている。
日本書紀や
天神の子・ニギハヤヒはとある。旧事紀のほうには、天磐船 に乗って天より降臨した。
河内国の河上のと降臨地の具体的な記述も。ここ磐船神社はまさに、生駒山地の北端、天野川の上流に鎮座する。つまりこの船形の巨石は、ニギハヤヒが乗ってきた天磐船だということだ。哮峯 に天降った。
なお、書紀も旧事紀も、
大和に遷ったニギハヤヒが、空から地を見て、「とあって、大和こそが良い国だと見定めているんだよね。イワレビコさんたちが大和を目指したのも、同じものを感じ取ったからなんだろうか。虚空見日本国 」と言った。
このお社にお参りしたからには、岩窟巡りにも挑まねば。駒碧さんを誘って社務所へ向かう。丁度戻ってきたグループがいたので、少し待ってから受付していただいた。拝観料ひとり5百円をお納め。
万一の事故に備えて、二人以上でないと拝観できず、安全のため貴重品を含む一切の荷物を預ける。雨天時や増水時も拝観できないとのことだけど、この日は大丈夫だった。
その他、難所の通り方をご教示いただいて、入窟。
岩窟拝観、話には聞いていたけど、天然のアスレチック!(カメラも置いていったから写真が撮れなかったので、イメージとして御神体の下部の石組み)いくつもの巨石が絶妙なバランスで組み上げられていて、自然の驚異、まさに神の御業。そんな中を潜り、下り、這い登る。狭く薄暗い穴の中で、川の流れる音が聞こえたり、小さな滝を見たりもした。あまりに暗い箇所には照明が灯してあった。二人とも、立ち止まっては驚嘆の声を上げることが続く。
一番の難所は「生まれ変わりの穴」だそうで、潜り抜ければ生まれ変われるといわれているとか。小さな隙間しかなく、前もって聞いていなければ、通れるとは思わなかったかも。「足から」と念押しの注意書きまである。お尻をついて滑り降りた。
最小限とはいえ、階段や橋、照明が整備されている現在とは異なり、かつての行場はもっと過酷な環境だったんだろうなと、容易に想像がつく。
岩窟を抜けて受付に戻る途中にも、いくつか見所があった。
そのひとつが、巨石の組み合わせが良い感じの『天の岩戸』。そこに『登美那賀須泥毘古』と刻まれた石碑があって、某友人が感激したという気持ちがよぉく解った。唐突に眼前に現れるし、まさかここで名前を見られると思わないよね。
そして最も衝撃を受けたのが、『天の磐船』を上から見下ろしたとき。下から見上げたときや、高さも幅も12mという数字だけでは、不十分だったんだな……途轍もなくデカい!!!一言でいえば、家。冗談みたいなサイズ。驚愕の光景だった。仮に写真を撮って見せることができたとしても、きっと伝わらない。
受付に戻ったら、修行を終えた証しとしてお札を授かってさ、なんかやたら嬉しかったよねー!
駒碧さん、行きたい場所として挙げてはいたけど、敢えて詳細は調べなかったそうで、今回の体験も現地で初めて知ったとか。なおのこと驚異的だったろうね。
彼女の帰りの航空便の都合上、そろそろタイムアップ。結果的にここが最後で良かった、って。足に疲れがきたみたい。
空港に向かう途上、ひたすらすごかった、すごかったしか言ってなくて、己の語彙力の無さに笑いが込み上げるほどだった。実際本当にすごかった。冒頭にも書いたけど、行く前と言った後で世界が違って見えるんだよ。修行の成果なのか、生まれ変わったからなのか。
空港内の喫茶店で休憩して、土産を選んだりもして、保安検査場前でお別れ。楽しい時間をありがとう!気兼ねなく同じ趣味で遊べる、貴重で大切な友達だよ。
こんな濃厚な二日間は滅多にないね……体験の一つひとつが強く深く体に刻み込まれた。
大した距離は歩いていないけど、軽くハイキングしたりアスレチックみたいなのに挑戦したりの一日だったもんで、割とくったくた。