奈良豆比古神社資料館
2020年11月28日土曜日
20:10
奈良豆比古神社資料館は、奈良豆比古神社さんの境内にある予約制の博物館。奈良まちかど博物館という、ボランティアによって成り立っている取り組みの一環だ。奈良阪町に伝わる古文書や古絵図などが展示されており、中には元明天皇陵に関する史料も含まれる。阿閇ちゃんについて知りたい僕が、行きたくてしょうがなかった所!古墳巡りのあとは、他にも予定を組んでいたけど、見学会の待機時間でだいぶ時間を食われたので、繰り上げて奈良阪へ。予約時間に遅れるわけにはいかない。奈良バイパスから見る平城宮跡もいいねー!
ここなら広くて邪魔にならないだろうと、車を鴻ノ池運動公園の駐車場に置いた。
そうして奈良豆比古神社さんへ。一週間前に資料館見学を予約しておいたのだ。
まずは拝殿にてお参り。あれ、本殿前の門が開かれている。そんなことを気にしつつウロウロしていると、ジャージ姿のおじさまに声を掛けられた。宮司さんだった。資料館見学の予約をしている旨を伝えると、御自ら案内してくださった!
資料館のシャッターが上がり、明かりが灯る。中には所狭しと様々な品が展示されていた。奈良豆比古神社さんといえば、
そしてなんといっても、元明天皇陵碑の函石の拓本!そしてそして、慶応元年の元明帝陵絵図!これらが一番の目的で、ようやく目にすることができて嬉しいのなんの!『元明天皇展』に携わったことを告白すると、宮司さんとさらにお話しすることができた。
函石の拓本は刻字が明瞭すぎるため、奈良時代の現物ではなく、明治期の模造碑から取ったものと思われる。絵図からは、覆屋と思しき建物など、当時の様子が見て取れる。いずれも貴重な宝物。
資料館をたっぷり見学させていただいたあと、そのまま境内を案内してくださった。石瓶神社の由来となった御神体の石の存在や、群生するキンギョツバキなど、知らなければ気づけないことばかり。普段は昇段禁止の、本殿の前まで立ち入らせていただいたのにも感激。社殿奥に描かれた絵のことも、教えてくださった。
奈良豆比古神社さんで有名なものが、もうひとつ。
このとんでもない大きさ、木だけの写真じゃ伝わらないと思って自分自身と比較。樹齢も、1200年前の創建時には当然あったろうし、もしかすると2000年まで遡る……とお聞きしても、十分あり得る話だと思ったね!これからも守っていかねばとおっしゃられた、宮司さんのお言葉に強い決意を感じた。
町中にあってこれだけの自然が残されているのが、奈良の古社の凄味だなぁ。
少し雨に降られたから、神さまに歓迎されているとお墨付きまでいただいた。
ぐるりと境内を一周し終わったところで、なんと、社に伝わる古文書を見たいか尋ねられたので、読ませていただけるのなら是非に!と。信頼してくださったんだろうか、縁側に腰かけて、創建に関わる方々の系図や、縁起の記された古文書の写本までお見せいただいた。こんな面白くて貴重な体験をさせていただけるなんて……!崩し字はサッパリだけど、漢文ならなんとか読めるし、宮司さんからもあれこれお話を聴かせていただいた。
初めての経験だし、一例を見たに過ぎないけど、神社独自の伝承というものは、ああいった形で残されているんだなぁと。いつ誰が書いたか判らなくなっていたりもするけど、ちゃんと今に伝わっている。とても大切なことだと思うんだ。
他にも様々なお話の中で、式年造替をされていることも知った。お役に立てればと、些少な金額だけどお納めした。
境内のご説明も含め、神社に対する愛を強く感じた、とっても素敵な宮司さんだったなぁ。本当にありがとうございました。
ホクホク顔で鴻ノ池運動公園の駐車場まで戻り、出ようとしたら、ポールが立てられてしまい出られなくなっていた。それは困る!車が残っているのに閉めちゃうなんて。嫌な汗が背中を流れる。ともかく管理している会社に電話。すると、こちらでは対処できないから、受付に相談すると良いとのご回答。手立てが見つかって少しだけ安心する。教えていただいた受付まで走って、事情を話すと、開けてくださるとのこと。係員さんと一緒に戻り、無事ポールを下ろしていただけた。ふぅ~、焦ったわぁ~。
思わぬプチトラブルに遭ったが、平城宮跡歴史公園の交通ターミナル駐車場まで行くことができた。平城宮いざない館で駒碧さんと合流する予定なのだ。彼女を待つ間、館内を見学。ここは何回訪れても楽しい。1年ぶりに彼女と再会したら、『元明天皇展』を改めて解説して回った。
それから『ことのまあかり』さんまで移動して、飛鳥鍋!奈良時代の感染予防よろしく、二人だけど一人鍋を個別に用意していただいた。ビール(あをによしとそらみつ)で乾杯。銅鐸型栓抜き、使いたかったんだよねー!店員さんとは店内の端と端くらい離れていたけど、一緒になって話が弾む。料理もお酒も美味しくて、疲れた体に染みた。
最後にちょっと啓林堂書店に立ち寄ってから、彼女を宿泊先まで送り、僕は僕の定宿で翌日に備えた。濃い一日になったなぁ。