トーハクの御即位記念 正倉院の世界

2019年11月22日金曜日 19:55

御即位記念特別展と題して、東京国立博物館にて『正倉院の世界 皇室がまもり伝えた美』が開催。奈良博の正倉院展とはまた異なるアプローチの展覧会だ。
せっかく東京へ行くのなら、こちらも鑑賞したい。そう思い行ったのだけど、都会の人混みに苦しむ羽目に。

ランチのあと東京駅に戻ったら、嫁には構内で待ってもらい、ホテルまで荷物を取りに行った。それから駅のコインロッカーを探すも、全滅。この時間がもったいなかったし、余計に疲労をため込んでしまった。
諦めてザックを背負ったまま、上野まで京浜東北線で。幸い上野駅のロッカーはひとつだけ空いていた。

しとしと降り続ける雨の中、上野恩賜公園を歩いて東京国立博物館へ。竹の台広場には屋台が出ていて、伊賀上野NINJAフェスタなるものが催されていた。
信号を渡り、チケットを持っている人の列に並ぶ。入場券を買い求める列よりはマシなものの、先が思いやられる。
敷地内を進むと、正倉院の世界展に入るには整理券が要ると呼びかける、係員さんの声が聞こえてきた。なんと……入場時間が制限されるほど、混んでいるってわけか。東京で・人気の・会期末となると、こうなるのね。整理券を受け取ると、すぐしわしわになった。やっぱ雨中の行動は、ストレスが多い。
指定の14時まで30分ほど暇ができた。雨宿りがてら、本館のミュージアムショップを物色。奈良博のグッズが出張してきていたな。

平成館の前で整理券を回収してもらい、傘を差しながら列の最後尾に付く。指定時間に並んでも、なお長々待たされるんだね……ちゅらい……。

やっとの思いで館内へ。長蛇の列と中も人が多くて体力ゴリゴリ削られたので、どうしても観たい!って物だけに絞って、短時間で回ることにした。平螺鈿背八角鏡へいらでんはいはっかくきょうや、紫檀木画槽琵琶したんもくがのそうのびわ螺鈿紫檀阮咸らでんしたんのげんかんといった煌びやかな宝物は、引いて見ても単眼鏡で見つめても、うっとりするほど美しい。


最後のコーナーは撮影OK。
最近ミュージアムで撮影を許可する流れができつつあって、僕は大歓迎。多くの人は鑑賞マナーをわきまえているから、大きな混乱にならないだろうし。
正倉の扉の模型には、勅封ちょくふうが再現してある。勅封とは天皇の命令によって封印することで、扉に錠をかけて麻縄で縛り、結び目を天皇自署の紙で封じるのだ。


螺鈿紫檀五絃琵琶らでんしたんのごげんびわの模造品。原品と差異があるといっても、凄いものは凄い。

ざっと見終わったら、図録だけ購入。展示、良かったは良かったけど、ツラさのほうが強い。図録をあとでゆっくり味わお……。

どうにか楽して羽田に行く手段は無いか。調べても、上野からではどうにもならなさそう。それなら一旦東京駅に行って、リムジンバスか。というわけで思案もそこそこに、再び京浜東北線快速で東京へ。しかし時刻表を確認すると、本数が少なくフライトに間に合わない。それならタクシーでいいやと乗り場に向かったら、まさかの大行列。心折れるわ……。
仕方なく、またしてもスカイブルーのライン塗装の車両に乗って、浜松町で東京モノレールに乗り換え。空港快速で座れたのは救いだった。

羽田空港に着いたところで、無用の長物と化した傘を処分したくて、案内所で尋ねたら、ゴミ箱に添えておいたら回収するし、ここで引き取っても良いとのこと。お言葉に甘えた。それから、手袋が欲しいという嫁のためにユニクロへ。こういうところは便利な巨大空港。
嫁の提案でマッサージを受けようとなり、リラクゼーションサロンに向かうも、予約で一杯。東京ってホントなんでも混むな……。
せめてゆっくりしようと、『caffe LAT.25°』でお茶にした。雨で冷えたのと、人に酔ったんだろうな、温かい飲み物が染みる。
スカイマークは定刻より遅れての出発となったが、少し目を閉じて休息も取れたし、ようやく雑踏から解放された安堵のほうが大きかった。

もう、よほどのことがない限り東京には近づかない。

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