岩屋神社

2017年2月25日土曜日 15:05

岩屋神社は兵庫県明石市にある神社で、延喜式神名帳にある播磨国明石郡の伊和都比売神社とされる論社のひとつ。論社として他に稲爪神社いなづめじんじゃなどが挙げられる。
御祭神はイザナギ,イザナミ,アマテラス,ヒルコ,スサノオ,ツクヨミ。超豪華な6座だ。
しかし伊和都比売イワツヒメが含まれない。伊和都比売は『伊和』と播磨国風土記に登場する伊和大神との関連の有無が興味深いが、これは別の機会に譲ることにする。
岩屋神社の御祭神は、成務天皇の勅命で淡路島の岩屋から遷されたという。淡路市岩屋には元となった石屋神社いわやじんじゃが今も鎮座する。
この遷座となった当時を偲ぶための、オシャタカ舟神事というのが毎年夏に催行されるのだとか。オシャタカは、神さまが「ようこそおいで下さいました」という意味の方言とのこと。岩屋神社の別称は岩屋エビス。舟を使った祭りであり漁港という土地柄、漁業の神エビスことヒルコが前に出ているんだろう。

須磨での目的を果たした時点で正午過ぎ、ランチをどうするか。西に戻りながら明石で玉子焼はどうだろうか。この思い付きに嫁も同意してくれたので、行列覚悟で超人気店『ふなまち』へ。案の定メチャクチャ並んだけど、表面が少しパリッとして中はふわっふわ、プリプリのタコとやさしい味の出汁……玉子焼美味しいわぁ。あと、禁煙ってのも大きなポイント。狭いお店だからホント助かる。

『ふなまち』に行こうと決めた際、そのすぐ南に岩屋神社があることに気づいた。これは食後に寄らねば、というワケで訪れた次第。ランチのついでが神社参拝って。


正面の注連柱の脇に、エビスの石像。これだけ1柱が目立つと、他の5柱がまた錚々たる顔ぶれだけに、違和感がないではない。


まずは拝殿にてお参り。鮮やかな色の鈴緒だな。


本殿は銅板葺流造。


続いて境内社を巡る。
入口近くの2社は、左が稲荷社(ウカノミタマ)、右が八幡社(応神天皇)。


祭神の判らない石造りの社。


出雲大国社。明記されてないけどオオクニヌシかな。


7社相殿には左から、随神社(トヨイワマド・クシイワマド),水分神社(ミクマリ等),粟島神社(スクナヒコナ),竈神社,猿田彦神社(サルタヒコ),住吉神社(ワダツミ),弓洲恵神社(タケミカヅチ)。


本殿の真裏にある遥拝所。めでたい雰囲気が良いね。


これらより気掛かりなのが、常夜灯の陰に、まるで隠されるようにひっそりと佇む小さな社。神さまご不在なんだろうか……でなかったらこの扱いは、ちょっと。


境内で目立つものといえば、この光源氏月見之松。光源氏が月見をしたとされる松、って小説の中の話なんだけど。神話ゆかりの地ならアレコレ見てきたけど、こういうのも面白いもんだな。しかし車が邪魔だ……。

古代より連綿と続けられてきた祭りなど、地元の方々にとってとても大切な神社なんだろう、ってことが伝わってきた。最初に持った違和感も、魚の棚に代表されるように、漁業のまちとして栄えた明石だからこそのエビス信仰なんだ、と思うと薄れていった。玉子焼のタコも美味しかったしね。
淡路市の石屋神社にも参ったら、また何か新しい発見があるかも知れない。いつか行ってみよう。

サイト内検索