倉敷美観地区 町角を曲がる喜び
2016年4月22日金曜日
16:01
倉敷美観地区をノープランで散策したら、スゴく楽しい。観光要素と生活の臭いが絶妙に混ざり合った町並みは、あの角を曲がったらどんな景色が広がってるのだろうと、ワクワクさせてくれる。
特に予定が無いのに贅沢にも有休を取った金曜日。予報では天気が良いので、どこかに出掛けたい。日帰りで行ける興味のある場所といえば、倉敷美観地区が残ってる。よし、行こう。と決めたのが前日のもう日付が変わろうかという時間だった。
普段の旅行では事前にみっちり調べ上げて、およそのタイムテーブルや食事するお店の場所まで用意する。しかし今回は敢えて何もリサーチしないことにした。何をするか、どこに行くか、現地で考える。一度そういう旅に挑戦してみたかったんだよね。
ゆっくり9時頃出発し、山陽道で倉敷へ。約2時間で倉敷中央駐車場に到着。近くに観光案内所があり地図が置いてあったけど、どちらも利用しない。
さて、美観地区はどっちだ。とキョロキョロしてると、入口を指し示す立て看板を発見。地区に入口なんかあるのか。目に付いたお店に寄り道しつつ、美観地区に足を踏み入れた。
おお、美しい。倉敷川畔に建ち並ぶ昔ながらのつくりの家々は、実に風情がある。
目的なんか無いので、とりあえず直進してみる。
有名な大原美術館。展示に興味が無かった僕らはその前を素通り。
川舟乗船券販売所を見つけたので、14時の分を購入。これも名物だからね、おのぼりさんらしく乗っかってみた。
倉敷デニムストリートなる所にも入ってみたり。
ここから先には町が続いてなかったから、適当に角を曲がる。高砂橋を渡る嫁。
すると、また情緒に富んだ家並みのある通りに出た。本町と言われるエリアらしいとは、あとで調べて知った。
倉敷がかつて天領だったときの代官屋敷の跡地に建ってた紡績工場を再利用した、倉敷アイビースクエアというエリアもあった。跡地の跡地ってややこしい。
ここの敷地が広い。そのなかに、蔦に覆われた建物やレンガ敷きの広場など、レトロな趣のある場所がいっぱい。レストランやオルゴール館まである。遊ぼうと思えば遊べるし、見て回るだけでも楽しい。
通りから横道に逸れたところには、いがらしゆみこ美術館が。少女漫画の巨匠らしいといえばそうだが、うろこ壁とはガラリと異なるファンシーなデザイン。近々カフェスペースがオープンするようで、工事の最中だった。
昼食を挟んでさらに散策の範囲を広げる。
『まんが日本昔ばなし』の池原昭治作品展。懐かしくてつい寄ってしまった。グッズ販売もされてたけど、原画にお目にかかれただけで充分。
お寺や立派な神社もあった。こうやって角を見つけるたび、その先を覗いてみたくなる。そこにあるであろう素敵な風景に期待してしまう。
阿智神社については別途エントリーを書こう。
さらに奥へ。普通に生活してる人々の影が感じられる。昔は当たり前にあった光景を、有り難がってる今って不思議な話だけど、こんな風に残されてるのは素晴らしいと思う。
中国銀行はルネッサンス風建築。伝統的な他の屋敷と並んでても意外と違和感がない。
ぐるっと戻ってきて、大原家別邸の有隣荘。一枚2万円くらいするという(船頭さんの受け売り)独特の色をした屋根瓦が目を引く。琉球かあるいは大陸っぽい様式に見える。
美観地区って結構広いし、見所も多いんだね。勝手なイメージでもっとこぢんまりしてるのかと思ってた。
ぶらぶら歩き回って、ランチして、お茶もして、と半日過ごせてしまったよ。想像以上に良いところだった。
そういえば、外国人観光客が多いのは当然として、西欧の方々をたくさん見掛けたな。これぞ日本、って雰囲気あるもんね。