40周年の東京ディズニーランドを満喫
2023年9月14日木曜日
20:00
大方の予想通り開園時間が早まることが決まっており、8時半開園。ハッピーエントリー組の先頭付近を取るには何時頃行けば良いのか調べてみたところ、手荷物検査が始まる7時15分頃までにはエント(入園ゲート)前に並ぶ必要があるらしい。平日にそこまでガチらなければならないのか判断が付かないので、もう少し情報を集めてみたら、Dハロは15日からだけど、14日からディズニー仮装が解禁、さらに新グッズ発売日でもあると。あちゃ~、下調べが足りていなかったね~。どのみち混むとなれば、そこまで気合を入れて行くこともなかろう。というわけで7時起き。同時に計画を練り直した。
ディズニーホテルには、とても便利なサービスが他にもある。それがバゲッジ・コレクションサービス。引き取りが13時半以降の場合荷物を客室に残したまま出発できて、荷物はベルデスクで預かってもらえるというものだ。サービスホットラインに電話一本で済んだ。メチャメチャ助かるね。
エクスプレス・チェックアウトも、テレビのメニューから選んで、QRコードでウェブページにアクセス後クレカ決済して完了。朝の貴重な時間を効率良く使える。
荷物をドアのそばにまとめて置いたら、出発だ。
ランホを出ると、キャストさんたちがハッピーエントリー利用者に向けた案内をしていた。そちらに従い手荷物検査を通過。そのままエント正面の列に並ぶ。7時45分時点でかなりの人数だ。この日も晴れて良かったが、暑さが堪える。植え込みの陰にいられたのは、まだ幸いだった。8時15分、列が進みだした。
バザール(ワールドバザール)前まで4分ほどかかった。もう急いだってしょうがない、楽しんで写真を撮りながら行こう。
パレードルート沿いでは、早くもたくさんのゲストが地蔵になっていた。ひぇ~。
やっと青空の下のシンデレラ城を見ることができたー!城前まで進むと、ぐっと人が減る。ゼロとはいかないまでも、これだけ広々としている光景は、朝だけのものだろうね。
トゥモロー(トゥモローランド)を抜けて、ファンタジー(ファンタジーランド)へ。
その先にはBB城(美女と野獣の城)!とにもかくにもこの城が見たくて、まっすぐ向かったのだ。高さ30mと、シンデレラ城の51mに比べ小ぶりながら、そうは感じさせない存在感がある。
念願の城をバックにカップリーもできたところで、ETBB(美女と野獣“魔法のものがたり”)のDPAを購入。ハニハン(プーさんのハニーハント)のプライオリティパスが中途半端な時間だったので、先にホンテ(ホーンテッドマンション)のほうを取得した。この判断が正しかったかどうかは、微妙なラインだけど。
時間まで、美女と野獣エリアを散策しよう。城から始めちゃったから物語とは逆順になったのは、都合上やむなし。なんせ極力情報を遮断して、ほとんど何も知らない状態で行ったからね。
少し離れた所からその城を眺めていると、あれ……?雲じゃあないぞ、山脈がある。なるほど、奥に張りぼてを立てているのか。巧いなぁ。位置的に、森劇場(ファンタジーランド・フォレストシアター)の建物に載せているんだろう。
ガストンの酒場の前にはガストンとル・フゥの像が。
ベルの家も、見た瞬間にそれと判った。
まさに映画の世界に入り込んだみたい!凄いなぁ、歩いているだけで楽しすぎる。
それにしても、仮装というか、ディズニープリンセスやヴィランズのガチコスプレ勢がそこいら中を闊歩している。人混みって基本鬱陶しいものなんだけど、彼らは邪魔にならない。あまりにも景色に溶け込んでいるもの。
ぐるっと回ってプライオリティ・アクセス・エントランスで今度は城の中へ。
待合室へ行く途中でも映画のシーンが展開され、イントロでの野獣とベルのぬるぬるした動きには圧倒された。ウォルトがオーディオアニマトロニクスと呼んだロボットテクノロジーは、ここまで進化したのか。
ライドに乗ってからは、あの名場面、あの名曲に合わせてグルグル回る。「ひとりぼっちの晩餐会」が特に好きなんだけど、アニメがド派手すぎるからか、さすがにあそこまでの再現は難しかったのかな。とはいえ全体的には、野獣の呪いが解ける演出とか、魔法を見せられているようだった。
嫁も感無量といったようす。こんなに喜んでもらえると、僕も本当に嬉しい。
感動を分かち合いつつ、自販機で水分を入手したり、お手洗いを済ませたりして、アドベン(アドベンチャーランド)へ移動。
次はカリブ(カリブの海賊)。前回休止中で乗れなかったので、僕は今回が初めてだ。ボートは静かな海へと漕ぎだす。『ブルーバイユー・レストラン』で食事している人たちが見えるのが面白い。あとであそこへも行くんだ。
しゃべる骸骨(トーキングスカル)の、「汚え手を船から出すな。でねえと海賊どもにぶった斬られるぞ」というセリフもいいね。乱暴な言葉遣いで世界観を保持しながら、ゲストへ注意を促している。スモークスクリーンに現れたのは、デイヴィ・ジョーンズらしい。手すりに摑まるよう言われはしたものの、安全バーが付いているわけでもないし大丈夫だろうと高をくくっていたら、思っていたより落下。
メチャクチャやっている、恐ろしくもおかしな海賊たちを見ていると愉快。ジャック・スパロウ船長たちがちょこちょこ出てくるのも、サービス精神を感じる。
一発で好きになった。
続いてリバ鉄(ウエスタンリバー鉄道)。これは前回なぜかQラインが伸びていて断念したもの。
興味深いトリビアを知った。リバ鉄は当初、本家と同じようにパークを回る移動手段として使えるアトラクになる計画だったそうだ。ところが、当時の地方鉄道法(大正八年法律第五十二号)第一条に「軌道条例で定めているものを除き、私人が公衆のために敷設する地方鉄道に適用する」、第二十一条に「運賃などを定めること」、第二十二条に「列車の発着時刻(ダイヤグラム)を定めること」とある。ここでいう「地方鉄道」の法解釈は「異なる2地点間を結ぶ私設の鉄道」を含むため、2つ以上の駅を設けると、運賃やダイヤの設定義務が課されてしまう。これを回避するため、やむなく1駅のみになったんだとか。その後、地方鉄道法は廃止され、代わって鉄道事業法(昭和六十一年法律第九十二号)が施行されたことで、私有地における運賃・ダイヤの設定義務は緩和された。そのお陰でディズニーシー・エレクトリックレールウェイは、2地点間を結ぶ移動手段となることができたわけね。法律の運用を巡る逸話、古代の律令にも通ずるものがあるなぁ。
スタンバイ列に並ぼうとしたところ、キャストさんから「調査カード」なるものを手渡された。待ち時間の調査のためだそうだ。なるほどね、こうして実測もしているんだ。10分ほど並んで、ホームにいたキャストさんに渡した。
車内での案内も秀逸。車窓から動物たちが見えることを紹介しつつ、「でもくれぐれも、列車の外には手を出さないように。ジャングルではいつだって、食事の時間だからね~」とはシャレが効いている。
BTM(ビッグサンダー・マウンテン)の裏側に回れるのもワクワク。最後には単なる移動に終わらない演出があって、開園当時の腐心を想像させられた。
そうそう、リバ鉄は、石炭ではないものの灯油焚きの本物の蒸気機関車なんだってね。だから、走行や停止に機関士の技量が求められる。こうしたディズニーのホンモノ志向は、凄まじいものがあるよ。
本物といえば、BTMの入口近くに飾られているスチームトラクターも、実物だそうで。ほとんど誰も気に留めないオブジェと化しているけど、せっかくだから見物に寄った。
ランチまでの半端な時間は、シンデレラ城の撮影に充てた。橋の上からだと、ほとんど他のゲストがフレームに入らないのが良い。
次のプライオリティパス取得可能時間になったけど、ハニハンは17時台になっていた。うーん、遅すぎる。
昼食はPSで予約しておいた『イーストサイド・カフェ』にて。連日パスタになったけど、気にしない。パスタセットには冷製ミネストローネを選んだ。夜に運転が控えているので、キリングリーンズフリーで乾杯。それから嫁はスパゲッティ・ジェノヴェーゼ、僕はスパゲッティ・ボロネーゼ(ビーフポルペッティ添え)。落ち着いて食事ができる場所は、やはり有り難い。
義妹に頼まれたディズニー40周年ショルダーバッグも、無事予約できた。
窓の外を眺めていたら、色んなキャラが歩いている。バザールは出会いやすいんだなぁ。
トゥーン(トゥーンタウン)のミニーの家は、前回ベビーカー置き場にされていて奇麗に撮れなかった所。中に入って調度品なども見て、嫁に喜んでもらえた。
ホンテのプライオリティパスの時間が近づいてきたので、ファンタジーへ。狙ったわけではないのだけど、この時季のホンテは映画『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』をモチーフにした“ホリデーナイトメアー”バージョンになっている。映画未視聴だから、ジャック・スケリントンがサンディ・クローズになるとか言われてもなんのこっちゃだけど、愉快な亡霊たちによるハロウィーンとクリスマスのごちゃまぜ祭りは、理屈抜きに楽しい。
ドゥームバギーに乗り込んだ時の、「セーフティーバーには触ってはいけない。それを引くのは私の役目」というセリフ、他のアトラク同様世界観を大事にしているよなぁと。舞踏会のシーンは、ペッパーズゴーストというトリックだと解っていても不思議に感じた。
それからスモワ(イッツ・ア・スモールワールド)。前回ですっかりお気に入りになったもので、特に次の場面に移る瞬間が好き。二つの音楽が混ざり合い、新しい世界が目の前に広がる。退屈に感じる人もいるだろうけど、僕は何回乗っても良い。
昼のパレードの時間だから、待ち時間が多少短くなっているはず。40分待ちのハニハンに並ぶことにした。じめじめと暑いなか頑張った。
内容は、良くも悪くもプーさんの世界そのまま。大人気アトラクだからと期待したんだけど、僕には刺さらなかったなぁ。写真、一枚も撮ってないや。
飲み物が無くなりそうだったので自販機を探したら、こんな所にも行列が。最も気温の高い時間帯というのもあるかも。
休息を求めてウエスタン(ウエスタンランド)のカンベア(カントリーベア・シアター)へ。待合の冷たいエアコンの風に、生き返る思い。タイミングが良く、3分で座れたのも助かった。
ディズニーの底力を見せつけられるようなショーだった。古めかしいカクカクしたオーディオアニマトロニクスながら、楽器の演奏や歌う姿が生き生きとしている。田舎のクマたちの演奏会なので、洗練とはほど遠いけど、良い味出してる。
ヘラジカの首のはく製に、「そうだよ、どうせ俺たちどこへも行けやしないんだから」と言わせるのは、きっついブラックユーモアだよなぁ。でものこのきつさも味だと思うね。
少し回復したので、リバ鉄を間近で見られそうなスポットを探す。日陰で待っていたら、意外とあっという間に通り過ぎるので一度逃してしまったものの、二度目でフレームに収めることができた。自分たちが乗車したのも赤い車体だったけど、名前は忘れちゃったな。
マーク(蒸気船マークトウェイン号)も結構好き。リバ鉄が法の適用範囲にならないよう工夫したのとは対照的に、マークトウェイン号は船舶法(明治三十二年法律第四十六号)に基づき、船舶として登記されているそうだ。船籍港は千葉県浦安市。
正式な大型船とはいえ、安全運航のためどうやらレールがあるらしい。1階の船首に陣取り、水面を凝視するなどして過ごした。さすがに見えはしなかったけど、曲がるときのカクッという小さな揺れを感じ取った。邪道だろうけど、こういう楽しみ方もある。
大体予定をこなせたけど、まだちょっとだけ時間が残されている。興味があったから、嫁をアリスのティーパーティーに誘ってみた。
この手の遊具の魅力は、ある程度自分でコントロールできること。ハンドルを全力で回せば、目が回るようなスピードでカップが回る。今度は逆回転。嫁にもやってもらった。メッチャ楽しい。
小さい子連れやカップル、男性シングル、仮装して回しながら写真を撮るグループなど、遊び方に幅があるから、色んな世代に受け入れられているように見受けられた。
夕食の前に、再び美女と野獣のエリアへ。ベルの家に行ったら、ベルコスの人がいた。絵になるね~。
と、そこへ爆発音が聞こえた。そうか、モーリスが中で発明中なんだ。演出細かいなぁ。
朝は混雑に埋もれていて気づかなかった馬車。こんなのあったんだ、って見ていたらキャストさんが記念撮影をしてくれた。「ベルはこうしなくていいですか」とポーズ指定まで。黄色いワンピのバウンドコーデで、ベルと気づいてくれるのも嬉しいよね。この日一番の写真。
最後に『ブルーバイユー・レストラン』。PSで事前受付済みだったけど、先に4組が待っていた。コース料理のみの提供だから、時間が押しているのかな。スケジュールに余裕を持っているとはいえ、少々やきもきする。幸い十数分で席に案内された。
余談だけど、とても可愛いお声の女性キャストさんがいたのが、印象に残った。
内部はカリブと繋がっているため、薄暗いながらそちらの様子もほんのり窺える。ただ、トラブルが起こったのか休止しているようだった。朝のうちに行っておいて良かったぁ。レストラン側からアトラクの動きを見られないのは残念だけど。
上に吊るされている灯り、ランタンだと思っていたのに、提灯なのね。
スペシャルコースは、前菜に「ベーコンのキッシュとシーフードのヴァリエ」、アントレに「豚フィレ肉の低温調理とローストビーフ、キノコのア・ラ・クレーム」、デザートに「スペシャルデザートプレート(アプリコットムース&ブラウニー、ストロベリーチーズムースケーキ、オレンジ、ナッツ)」をチョイス。ここでもキリングリーンズフリーを合わせた。
シーの最高級レストランが『マゼランズ』としたら、ランドでは『バイユ』がそれに当たる位置付けなんだろうね。料理のクオリティに近いものを感じる。
さすがにホテルには及ばないものの、素敵な雰囲気に包まれこれだけ洒落たコース料理をパーク内で、しかもこちらはカリブと同じ空間で頂けるのだから、価値があるよね。
食べている途中でそのアトラクが再開し、ボートとレストランとの間で手を振り合う人たちが現れるなどした。やっぱり空気が変わって面白い。
いよいよ別れの時が迫る。アウパしてランホのベルデスクにて、預けていた荷物の受け取り手続き。タクシーか自家用車の利用はあるか訊かれたので、タクシーをお願いすると、待機している車があるとのこと。荷物もホテルメインエントランスに運ぶので、そちらで受け取れるという。なんて気が利いているんだ。
ただ、僕らは勘違いしていた。パークに向かう側がエントランスだと。実際は正反対。ベルデスクのすぐ横、ミキミニの銅像があるほうだ。ホテル敷地内で軽く迷子になったせいで、スタッフさんに探させてしまった。申し訳ない。
なんていうちょっと恥ずかしい思いをしつつ、リュックをタクシーのトランクに積んでもらって、ディズニーリゾートを後にした。
自分がつまらないミスをしたのは別として、ディズニーランドホテルのホスピタリティは言うことなしの素晴らしさ!寂しさはあるけど、心地よい気分で離れることができた。
そして何より、嫁の小さな夢をいくつも叶えられた。僕もやりたいことをたくさんやれた。自分から能動的に遊ぶことが条件にはなるけど、夢と魔法の国で最高に楽しいひとときを過ごせたよ。