夙川の桜と伊丹スカイパーク

2022年4月2日土曜日 23:06
各地の桜が満開を迎える季節、兵庫県内屈指の名所である夙川河川敷緑地に行ってみた。
週末ということで混雑が予想されたので、朝7時に出発。幸い渋滞もなく、8時前には苦楽園口橋に程近いコインパーキングに着けた。そこかしこに早くも花見客の姿を見かけたが、すんなり駐車できたのは気持ちの上でとても楽。


甲山かぶとやまを正面に望む苦楽園口橋の上は、絶好のビュースポット。感嘆の声が自然と漏れた。
それから河川敷に下りて散策。とりあえず南に向かってみよう。すれ違う人が多いといえば多いけど、混み合っているほどではない。


飛石の上にしゃがんでカメラを構える人がいたので、僕らも行ってみた。うん、これは確かにローアングルから狙ってみたくなるな。


花筏もあちこちに。川辺ならではの良さのひとつが、これだよね。風流。


桜越しに「こほろぎばし」という小さな石橋を撮っていると、嫁が親子らしき三人組に記念撮影を頼まれた。僕が代わることも多いが、声を掛けられたのは彼女だし、そのまま任せた。「ハルくんと一緒に歩いてると、お願いされることが多い気がする」と。カップルは和やかな雰囲気だから、話し掛けやすいのかもね。


ソメイヨシノだけでなく、周辺の桜から自然交配で生まれた夙川舞桜しゅくがわまいざくらなど、様々な品種が見られるのも素敵。


水面に映える桜花。
ところで、夙川の歴史ネタが何かないかと探してみたところ、古代の夙川周辺は入江だったと。『本朝神社考』に風土記からの引用として、
神功皇后が三韓征伐から凱旋し、摂津国の海浜の北岸の広田郷に至った。それでその海辺を名付け、御前浜といい、御前沖という。
と記されており、御前浜の地名は、今も夙川の河口に残っている。ただこの引用文は、摂津国風土記逸文とみられるものの、和銅の官命によるいわゆる古風土記かどうかは疑わしい。
夙川は宿場の川、“宿川”から来ているともいわれる。近世において西宮は、西国街道と中国街道が交流する宿場町。
ついでに西宮の地名由来も調べてみたら、京の都から西国街道を西へ行くとある、広大な社領を誇った廣田神社の別称が、西宮にしのみやだった。

小一時間ぶらぶらして、嫁も満足のいく撮れ高があったようだ。人がさらに増える前に退散だ。
ちょっと伊丹まで足を延ばしていいか相談して、了承を貰う。

向かったのは伊丹スカイパーク。伊丹空港(大阪国際空港)滑走路の西側真横に隣接する公園だ。
下調べをしていなくて勝手がわからなかったから、とりあえず中央駐車場に停めた。先客の車は数えるほど。この公園にしては、10時は早いほうに入るんだろうか。

少し歩くと、中央エントランスエリア。スカイテラスという展望施設などがあり、眺めるのに丁度良さそうだ。
肌寒く感じたので、カフェがあるなら温かい飲み物でもと思ったのだが、生憎休業中。仕方なく缶コーヒーで暖を取った。


伊丹スカイパークは、離発着する飛行機の迫力を間近で感じられるのが、最大の特長。で、これが本当に凄い!ジェットエンジンの轟音が耳に響き、巨大な機体が目の前を横切って、大空へ飛び立っていく……ただただ見ているだけで楽しい!“大きい”は正義だなぁ。


離陸して徐々に機首を上げていくさまを、目で追いかける。と、向こうの見物人も同じように見上げていて、妙な親近感を覚えた。


ボンバルディアのプロペラ機の音は、ジェットのそれよりかなり小さい。こうして色んな種類の旅客機を見られるのも魅力だなぁ。


ずっと体感していると、音だけで判ってくる。空港からじゃあ見えなかったことが見えてくる。航空機が次から次へと下りてきては、飛んでいく。わくわくが止まらない。
意外と嫁も楽しんでくれて、空路で旅行に行きたくなるねなんて話で盛り上がったり。

そのあと、三宮のマリフレで美味しい紅茶とサラダでランチ。歴史も神話も絡まないデートっぽいコースになったんだけど、嫁に、「あれ……古墳も神社も寄ってない……良かったのかな」と気遣わせてしまい、思わず苦笑。

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