レンガの風合いと庭園を楽しむ旧古河邸
2025年9月12日金曜日
16:21
 
嫁好みの洋館ということで、こちらにも足を延ばしてみたよ。
国会議事堂から旧古河邸までは、東京メトロ南北線が乗り換えなしで便利そうだ。そう思って永田町駅の1番出口から下りたんだけど、駅構内がやたら広い。有楽町線ホームを素通りし、動く歩道に乗った先に、南北線のホームはあった。遠くて全然便利じゃない。
今回の旅行では、駅の構造の下調べを完全に漏らしていた。電車利用が久しぶりだったから、すっかりその辺の感覚を忘れている。ここでのタイムロスは誤算だった。
僕らは乗用車・自転車・徒歩がメインの交通手段。特に電車の人混みが苦手で、普段は避けている。目的地までのルートを調べて、路線のホームを見つけて、行先を間違えずに車両に乗って、下車駅に着いたらすかさず下りる――電車とは、なんて判断することの多い面倒くさい乗り物なんだ。言語化してみて改めて痛感する。
途中で座れたお陰で、少しだけ足を休められたのは幸いだった。そうして西ケ原駅にて下車。
西ケ原駅の1番出口から出たら、あとは本郷通り沿いに南東へ進むだけだ。パラパラと雨が降り出したので、相合傘をして歩く。
 旧古河庭園に着く頃には、雨が上がった。庭園の入園料はひとり150円。
旧古河庭園に着く頃には、雨が上がった。庭園の入園料はひとり150円。 何はなくとも洋館を見に行こう。茶色いレンガの落ち着いた風合いが素敵!白い窓枠とのコントラストがまた可愛らしい。
何はなくとも洋館を見に行こう。茶色いレンガの落ち着いた風合いが素敵!白い窓枠とのコントラストがまた可愛らしい。 裏手にはテラス式の庭園が広がる。バラの咲く季節は、さぞ美しいだろうなぁ。
裏手にはテラス式の庭園が広がる。バラの咲く季節は、さぞ美しいだろうなぁ。建物のつくりとしては、左右対称のようでいて少しだけ変化が付けられている。この個性も味わいがある。
 外観を一通り堪能したら、車寄せのある玄関から館内へ。こちらは大谷美術館管理となっており、入館料500円が別途必要。ここも内部は撮影できないのがちょっと残念。
外観を一通り堪能したら、車寄せのある玄関から館内へ。こちらは大谷美術館管理となっており、入館料500円が別途必要。ここも内部は撮影できないのがちょっと残念。スリッパに履き替え、順路に従って見学していく。館内は空調が無いので、少し暑い。代わりに団扇を置いてくれていたので、有り難くお借りする。各部屋には、扇風機とポータブルクーラーが設置されていた。
まずはビリヤード室とサンルーム。壁紙やウォールライトがシンプルながら可愛いデザインで、見ているとホッとする。迎賓館に議事堂と、豪華絢爛な建築ばかりを見続けたからだろうね。見学客もぐっと少なくて、ようやく寛いだ心地になった。
それから書斎に続いて応接室。マントルピースにあしらわれたバラとリボンのレリーフが、とても可憐で目を奪われた。
その先の小食堂には、テーブルの上にひと組のティーウェアが残されていた。食堂は喫茶室として利用できるらしいから、誰かが飲み終えたばかりだったのかな。嫁が、ウェッジウッドの定番・ワイルドストロベリーシリーズかな、と当てていて、その知識には脱帽だ。
もし涼しかったら、ここで一服しても良かったんだけどね。この暑さでは休憩にならないから断念した。
最も印象深かったのが大食堂。天井にリンゴやイチジク、パイナップルなど、果物が浮き彫りにされている。濃い赤色の壁紙と相まって、実り豊かな空間に感じられた。みんなで集まって食事をする場所だからこんな風にしたんだろうか、なんて想像が膨らむ。
2階の和室は見学ツアー申込者でないと入れないけど、蔵だけが展示室として入れるようになっていた。館の設計者であるジョサイア・コンドルに関する展示にはあまり興味が持てなかったものの、階段を上り下りできたのはラッキーだった。洋館や洋風建築では、階段が一つの見どころだからね。
これだけ美しい館内なのだから、写真集があれば買いたいところ。しかし、販売されていたのはポストカードくらいで拍子抜けした。商売としても、ちょっともったいない気がする。
迎賓館とこの旧古河邸は、「新美の巨人たち」というテレビ番組がきっかけでの訪問。素晴らしい建築と巡り合わせてくれて、ありがとうと思った。嫁が満足そうに笑みを浮かべていたことも、何よりだったね。
 
 
 
 
