天橋立の雪舟観・飛龍観

2021年3月19日金曜日 10:07

日本三景のひとつに数えられる天橋立あまのはしだて。丹後国風土記ゆかりの地であり、室町後期の画僧・雪舟が水墨画にした場所であり、元伊勢籠神社もすぐそばと、行きたい理由がいくつもある。
飛龍観,股のぞき観,一字観,雪舟観が天橋立四大観とされる。天橋立雪舟観展望休憩所からの眺めは、雪舟の描いた『天橋立図』と構図が似ていることから、雪舟観と呼ばれる。国宝展で鑑賞して以来『天橋立図』が大好きだから、是非とも観てみたい景色なんだよ。それから、現在最も有名なビュースポットが飛龍観かな。まずはこれらから巡ってみよう。

日帰り圏内ではあるけど、早朝から活動したい。前泊に良さそうなホテルがあればと思い探したら、あったよ。フェアフィールド・バイ・マリオット・京都宮津。信頼のマリオット系列の、エコノミービジホ。これは期待できる。
夜の県道175号線を北上し、滝野社ICから中国道で東進してから、吉川JCTで舞鶴若狭道へ。照明灯が全然なくて、路がとにかく暗い。それに走っている車が少ないから、延々ハイビームのまま独走。運転そのものは楽で良いんだけどね。綾部JCTから京都縦貫道に移り、宮津天橋立ICで下りる。
ホテルは道の駅海の京都宮津の向かい。周辺道路に一通が多くて少々ややこしかったけど、無事に到着。駐車場も幸い空いていた。フロントでチェックインの手続きを済ませたあと、近くで朝食が食べられるお店を紹介してくれた。ホテルにレストランが無いからだろうけど、こういう配慮は嬉しいね。ビジホにしては部屋が広くてゆったり休めたし、良いところだったよ~。


翌朝、8時から行動開始。朝食は、せっかく教えてもらったし、朝から海鮮丼が食べられると聞いたらもう、行くしかない。細い路地を入った隠れ家っぽい立地に、『海味鮮やま鮮うみせんやません』はあった。平日の朝ということでか、最初客は僕らのみ。


二人揃って注文したのが、海味飯うみめし。切り身と春らしくシラスも入って、なんと7百円。美味しかったぁ。


幸先の良いスタートを切った僕らは、宮津湾沿いに車を走らせ、獅子崎稲荷神社へ。駐車スペースが小さいので、なるべく早い時間帯に行っておきたかったのだ。何事もなく停めることができて、安堵した。


お稲荷さんらしいたくさんの朱い鳥居をくぐりながら、せっせと階段を上る。


ものの数分で本殿に着いた。もちろんお参りする。展望所まではもう少し。


上にも社殿があって、奥宮のようなものだろうか。そんなに離れていないけど。ともあれ、こちらも拝礼。


そしてこれが、雪舟観か!天橋立を真横から捉えていて、なるほど確かに構図として良く似ている。おお……この風景を目にすることができて、ちょっぴり感動。あの絵がね、本当に大好きだからさ……気の済むまで眺めていた。
雪舟観は『天橋立図』よりも視点がだいぶ低い。山頂よりも高く上空から見下ろしたように描いた、雪舟が凄いって話なんだけどさ。『橋立』の向こう、建物こそ見えないものの『正一位籠之大明神』や『國分寺』のあたりが、視野に入っている。写実的に描かず、敢えて構図に入れたと考えられる『冠嶋』や『クツ嶋』は、当然見えない。事実として知っているだけなのと、現地で体感するのとはやっぱ違うなぁ。

今度は反対方向へぐるりと回って、ホテルの前を通り過ぎ、湾を挟んだ対岸まで。観光の拠点、智恩寺駐車場に駐車した。選択肢は他にもあったけど、後々のことを考えてここをチョイス。


そこから歩いて、天橋立ビューランドの切符売場へ。『二大展望所めぐりチケット』をお願いすると、こちらの支払いは現金のみとのこと。このセット、通常1,530円のところ1,200円と、かなりお得なのだ。しかも、観光船も割引になる。


山頂へはリフトかモノレールか選べて、天気が良いしリフトで行くことに。途中、早咲きの桜が咲いていた。


飛龍観。天橋立を縦方向から見ることになる。人がまばらで空いているから、悠々と股のぞきも試せた。言われてみれば、手前の太い部分が頭になって、天に舞い昇る龍のように見える。
全体像もさることながら、宮津湾に面したいくつも弧が連なる砂浜が目を引く。


東のほうを向けば、雪舟観展望休憩所のあたりも見えた。木々に埋もれて、場所を指し示すのは難しいけど。
眺めに満足したら、園内をぶらぶら。色んな遊具があったけど、休止しているものも多かった。

下りたら天橋立を歩いて渡るぞ。

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