平城宮跡資料館 夏のこども展示
2019年8月3日土曜日
19:34
平城宮跡資料館では毎年夏休みに合わせて、夏のこども展示を開催しているそうだ。子供に、平城京や歴史に興味を持ってもらえるようなテーマを選ぶようだけど、内容は大人も楽しめる本格派。平城京の植物を取り上げるとあって、僕も興味津々。
遺構展示館を出たところで正午前。朱雀門ひろばの天平うまし館なら、ランチができるはず。平城宮跡の周囲をぐるっと回って、駐車場に停めた。
とにかく暑いから、サッパリしたものが食べたい。おあつらえ向きに、『
奈良の酷暑は堪える。それは誰もが同じようで、朱雀大路にほとんど人影がなかった。5月に撮れなかった絵が、図らずも撮れた。見ている分には気持ちが良いんだけどね~。この短い間も、嫁には日陰で休んでいてもらった。
平城宮跡歴史公園の駐車場から大宮通へは、右折では出られない。またまた宮跡をぐるりと巡らなければ、資料館には行けない。方角は判っているし、勘で走っても辿り着けるだろう。と思いきや、奈良バイパスがあるからそう素直に北上できず、要らない遠回りをして戻ってくる羽目に。
それはさておき、平城宮跡資料館。常設展は前回たっぷり見学したので、つかつかスルーしていく。そこへ、ボランティアガイドさんから声をかけられた。「資料館には何度か来られたことが?」「あっはい」「企画展は一番奥にありますので~」「ありがとうございます~」という流れ。明らかに企画展目当てって判ったんだろうね。
というわけで、『ならの みやこの しょくぶつえん』。入口のパンフレットラックに、話に聞いていた冊子が置いてある。確かに結構なページ数がありそうで、スゴいな。
などと見ている間に、嫁がガイドさんに話しかけられていた。いいよ、こちらでも解説をお願いしよう。
クイズに答えたら、ハズレでも缶バッジが貰える企画をやっていて、大人も参加できるとのこと。缶バッジ好きなので乗っかる。
展示内容は、考古遺物と自然遺物、それに万葉集などを手掛かりに、平城京にどんな草花が植えられていたかに迫るというもの。
平城宮には
ハスは、丸瓦の意匠として多く取り入れられていた。珍しいと思ったのが、奈良三彩の
僕が一番惹かれたのが、長屋王邸出土の木簡。だってこれ、複製じゃなくて本物!ガイドさんいわく、文化庁は2週間しか実物を出すことを許可してくれない。いやいや見られるだけでも有り難いよ。
「片岡進上蓮葉卌枚 持人都夫良」と書かれており、片岡(現在の香芝市あたり)からハスの葉っぱ40枚を
他にも、様々な植物の種や花粉が紹介されていた。花粉って、あんな小さな粒を採取して、顕微鏡で分析してって、気の遠くなるような作業!研究者の方々の熱意には、頭が下がる。
逆に、万葉集や木簡に記されていながらも、発掘で見つかっていない植物もあるとか。それがヤナギやエンジュ、ハギ。調査されていない区画がまだある以上、今後発見される可能性もあるよね。
食用の植物も色々あった。残念なのが、それらをどんなレシピで食べていたかまでは、判っていないこと。ギシギシなんて、どうやって調理していたんだか。
最後に、土器の欠片などに描かれた花鳥風月の中に、鳥が何羽いるかのクイズが出題された。僕は見事正解。多くの人がとある1つを見落とすんだって。外れても問題ないし子供向けとはいえ、当たるとやっぱ嬉しい。
それから、例の冊子をゲット。近々遠方の友人たちに会うし、その分も貰っていいか訊くと、どうぞどうぞと。
そこへ偶然、展示の企画に携わった女性がいらっしゃって、ガイドさんが「お友達の分も持っていきたいそうですよ」と教えたから、お礼を言われてしまった。こんな素晴らしいものを無料配布だなんて、こちらこそお礼を言いたいよ。
実質、中身は図録といって差し支えない。平易な言葉で書かれているけど、資料として十分活用できるものだ。良い土産ができた。
缶バッジを貰うためには、平城宮いざない館に行く必要がある。再び同じ駐車場に戻り、いざない館へ。
車内まで暑くなるから、車移動でも消耗する。休憩室が空いていたから、そこで清涼飲料水を買ってひと息吐いた。
ここも何度か見ているから、おさらいしつつ軽く回る。東院庭園の模型を見て、今度行くぞと心に決めた。
ここにもクイズが3問あったからついでに参加するも、1つ外した。でも、受付で可愛い缶バッジを貰えた。資料館といざない館の2つ分。奈文研オリジナルデザインだって。
移動したら、歩いても車でも暑くて、冷房の効いた施設に入り、また移動……の繰り返しになった。もっと色んなところに行く手もあったけど、結局、平城宮跡をぐるぐる。だけど、なんやかんやと満喫しちゃった。良い気晴らしになったよ。平城宮跡はホント見所が多いなぁ。