朝の奈良

2019年5月3日金曜日 09:25
団体行動前の自由時間、奈良を早朝からうろうろしてみた。

誰もいない朱雀大路が見たくて、夜明け前から行動開始。ケンボイさんも見たいと言っていたので、起床できれば現地で会えるだろう。
近鉄奈良駅構内のコインロッカーに荷物を預け、ついでに始発電車に乗って新大宮駅まで行けば、時短になる。新大宮駅からは徒歩で朱雀大路まで。


予定通り日の出時刻から30分ほど経ったあたりで到着。晴れていれば朝陽が照らして、良い絵になるはず……が、薄曇り。せっかく早起きしたけど、狙いが外れたなぁ。
一台バイクが停まって、朱雀門と一緒に写真を撮ったら去っていった。そんなのを見送りつつ、しばらく待っても良くなる気配はない。ケンボイさんからは寝坊したとの連絡が。


ここは切り替えて、まだ見たことないエリアでも歩いてみよう。ということで、朱雀門より東にある兵部省ひょうぶしょうの跡へ。
そこから北上して第二次大極殿の基壇を遠くに眺めながら、東区朝堂院跡を東へと横切る。ぬかるんでいて、スニーカーに少し水が入ってしまった。さらに進んで、閉まっている東院庭園を隙間からチラ見。


そうして宇奈多理坐高御魂神社うなたりにいますたかみむすびじんじゃに着いた。鬱蒼としているからか、どことなく不気味な雰囲気。それでも、一礼して鳥居をくぐった。


瑞垣の門は固く閉ざされている。早朝だからというわけではなく、いつもこの状態らしい。格子の隙間から本殿が見える。ここから拝礼した。
主祭神はタカミムスヒ,フトダマ,オモイカネの3座。日本書紀持統天皇六年十二月甲申(二十四日)の条に、五社のひとつとして『菟名足うなたり』の名がみえる。由緒正しい式内社だけど、平城宮との関係は見出せない。


しかし神社建築自体も好きなので、もっとよく見たい。瑞垣の横に回り込んだら、なんとか中を窺うことができた。境内社が並んでいるのも確認できた。

集合時間まではまだまだ時間がある。春日さんも参るか、と思い付く。奈良中心地の寺社の多くが9時開門のなか、春日大社は夏季は6時半開門なんだよ。バスがあれば速いなと調べてみれば、平城宮跡の北側を走る路線バスがあるとわかった。バスの時刻には少し中途半端だったので、そのまま法華寺のほうまで散歩。そこから近鉄奈良駅までバスに揺られていった。
春日大社参拝にケンボイさんが乗っかってきたので、彼がこちらへ来るまでの間に、朝食を摂ることにした。東向商店街に行けば何かあるだろうと入ったら、ミスド発見。チーズ&キーマカレーパイ美味しい。体が冷えていたから、カフェインレスコーヒーの温かさが有り難かった。


あとはひたすら東へてくてく。一之鳥居をくぐると、参道にはほとんど人影がなく、清々しい。9時を過ぎれば参拝客で賑わう場所だけに、贅沢をしている気分だ。


二之鳥居をくぐり、手水所と祓戸神社で身を清めたら、剣先道けんさきみちから本殿へ向かった。この参道を藤原氏は使うというので、一度行ってみてかったんだよね。


三笠山を正面に望む慶賀門けいがもんの先には、藤棚。春日大社には何度か訪れているけど、藤の見頃の季節に参ったのは初めてだ。や~、見事々々。
周囲には、砂ずりの藤目当ての一眼レフを構えた人が多かった。うん、これは撮りたくなるよ。ケンボイさんを待ちながら、しばらく薄紫の花々を愛でていた。
春日大社の巫女さんってみんな藤のかんざし挿しているんだけど、砂ずりの藤が咲いているとなお可愛く見えるね。狙ったわけじゃないけど、良い時季にお参りできた。


藤棚以外にも、紫や白、境内の至る所に藤の花が咲いていて、綺麗だったなぁ。


ケンボイさんと合流したところで、幣殿から二礼二拍手一礼。
そのあと彼が御朱印を頂いているのを見て、僕も授かりたい気持ちが湧き起こってきた。これも縁だと思い、御朱印帳とともに拝受した。令和元年を奉祝する特別な御朱印だ。朝早かったのと改元初日など特別な日ではなかったからか、まったく並ばず授かることができた。
別にブームに乗っかったわけではない。そもそもこれまで何十社と参拝してきたけど、御朱印を頂こうとは思わなかった。ただ、御朱印を頂くことを理由に、社務所を訪ねやすくなるかなと。しかも、初穂料を納めて神社に貢献できる。

なんだかんだでいい時間になってきた。またまた歩いて、今度はJR奈良駅のバス停を目指す。
奈良公園内を進んでいれば当然、鹿にも出くわす。もはや僕には珍しくもなんともない存在。だけど初めてのケンボイさんがあちこち気になるのもまた、当然。9時発のシャトルバスに間に合わせたい僕は、足を止めない。ごめんねケンボイさん。

当初の目的は達せられなかったものの、朝から散策してなかなか有意義だった。
次はいよいよメインイベント、平城京天平祭だ。

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