ことのまあかりの古代食フルコース

2019年5月2日木曜日 20:20

夜の宴は『ことのまあかり』さんで古代食風のフルコース。奈良三彩ならさんさいに注いだどぶろくで乾杯して、奈良時代に食べていたであろう形に近い食材と調理法で、料理の数々が土師器はじき須恵器すえき高坏たかつきや皿で供されるんだから、もうテンション上がりまくり!御馳走だよ御馳走!

桜井市の箸墓古墳の脇を通り過ぎたり、天理市で天理教関連のことをハマさんに話してもらったりと、道中は楽しいドライブ。後部座席が、さながらTwitterのタイムラインの様相を呈していた。意外と仏教系の話題でも盛り上がる。
車の数が多いとは思っていたが、紀寺あたりから大渋滞にハマった。信号が青になっても、前が詰まっているから進めない状態。史上初の10連休でプロでも予測困難とされていたけど、奈良でここまでヒドい渋滞になろうとは。
やっとのことで木津横田線に入り、トヨタレンタカーJR奈良駅前営業所にてパッソを返却。短い間だったけどありがとう。

予約時間に間に合いそうになかったので、駒碧さんに連絡をしてもらいつつ、お店まで最短ルートを選んだ。歩くだけでも面白い場所があるから、余裕があればそういう道を歩いて、初めての人たちに楽しんでもらいたかったんだけど、仕方ない。ならまち大通りから北上し、小西さくら通りに入って『ことのまあかり』さんに到着。

予約している旨を伝えると、一番奥の席に案内された。その途中で店主の生駒さんをお見掛けしたので、軽くご挨拶。お忙しそうだ。
料理が出されるまでの間に、初来店のメンバーにお店の素晴らしさを説明したりした。奈良や歴史好きにはたまらない魅力がいっぱいあるからね。


まずと大根、干し肉が運ばれてきた。どれも古代から食されてきたものだ。飲酒するのは駒碧さんと私だけ。どぶろくで乾杯。なんて旨いお酒が飲めるんだ。
平目の刺身と烏賊には、藻塩と醤油の原型といわれるひしおが添えられていた。当時の食べ物に一同興味津々で、感心することしきり。醤や塩で刺身などを食べると、素朴ながらも美味しい。
ただの海老も、高坏に載せられてくると物凄いインパクト。復元品とはいえ、博物館でしかお目にかかれないような食器が実際に卓に並ぶさまは、特別感が半端ない。みんなのテンションも上がる。
川魚好きなので甘子の甘露煮が嬉しかったし、お酒が進む進む。どぶろく飲み終わっちゃったので、日本酒を追加。
駒碧さんも追加で、長屋王邸宅跡から出土した木簡に書かれたレシピを再現したという、中本酒造店の日本酒『長屋王』を注文。一口飲ませてもらったんだけど、びっくりするくらい美味しかった。こんな旨い酒を1300年前から飲んでいたのか、って!


他にも筍の煮物、鶏の塩漬け風、胡瓜、椎茸の蒸し物(蓋を開けた瞬間とても良い香りが)、メインの猪肉、鴨肉、浅蜊の吸い物に、デザートとして干し葡萄、干し無花果、栗。料理自体に派手さはないものの、古代食のフルコースに誰もが大満足だった。


『ことのまあかり』さんの名物といえば削氷けずりひということもあってか、追加のデザートを頼むことに。公平な民主主義により橘三千代(レモン)が選ばれた。こちらも美味しかったぁ。
これらを歴史好きな人たちと分かち合える幸せ……。

僕らが会計をする頃には店内も落ち着き、出がけに生駒さんと少し雑談を交わすことができた。心からお礼を言ってお店を後にする。
友人宅に泊めてもらうという駒碧さんを近鉄奈良駅へ送り、ケンボイさんはホテルへ、ハマさんと夢跋扈さんは夜の奈良公園へと消えていった。まだ散策するらしい。
僕はバーにでも一人で飲みに行こうかと思ったけど、明日のことを考えてホテルへ直行。

この日密かに感動したのが、みんな礼儀正しいってこと!人に対しても神仏に対しても。歴クラの鑑だわ。
メインイベントは翌日だというのに、早くもメチャクチャ楽しい一日になった。

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