竹田城跡は石垣も人々も魅力的

2016年9月10日土曜日 10:40

竹田城は標高353mの山に築かれた山城。その石垣遺構が竹田城跡の最大の見どころだろう。
立雲峡から見て雲海に浮かぶ絶景に感動したのが2年前。城跡のほうにもいつか行こうと思いつつ、県内だからいつでも行けると考え、ついつい先延ばしにしてしまってた。それが、ココを含めて播但道沿いに行きたい場所が偏ってることに気づき、ようやく訪れることを決めた次第。

最近の早起き習慣のお陰で7時出発でも余裕。嫁の準備も早かった。加古川バイパスはやけに混んでたけど、播但道はやはり空いてる。1時間ちょっとで天空の駅『山城の郷』に到着した。
ここから先は一般車両進入禁止なので、天空バスに乗って中腹第2駐車場まで向かう。天空バスは雲海や竹田城跡でラッピングされてて、力の入れようがわかった。小さな車内はほぼ満員。乗車時間は5分程度だったから、立ったままでも平気だった。
中腹第2駐車場から竹田城跡までは徒歩。アスファルトで整備された急坂を800mほど登る。登山に比べれば楽なもんだが、普段運動してない人だと息が切れるかも。
登り切ったら料金所を通る。大人ひとり5百円。保全や道路などの整備に充てられるのなら安いもの。


ゲートを通ったところで係員のおばちゃんから、写真を撮ってあげようと声を掛けられた。なんて気さくで親切なんだ。「青春の思い出や」と笑うおばちゃん。せ、青春……。学生という身分からなら軽く十年以上経ってるんだけど、有り難いから好意は受け取ろう。
おばちゃんの話では、今朝雲海が出たそうだ。条件が揃ってたようだし、そうだろうなとは思ってたよ。でも今回はそっちが目当てじゃないんだ。


登坂でばらけたうえに広い敷地に散らばったからか、観光客の数はそう多くないように感じられた。週末とはいえ9時台だからかな。
史跡内は一方通行のルートがきっちり定められてた。北千畳から、三の丸、二の丸、本丸、南千畳と隈なく巡れるようになってる。山頂だけあって見晴らしが良く、城下町を一望できた。


そしてなんといっても石垣。カッコいい!自然石をそのまま積み上げる野面のづら積みが基本で、穴太衆あのうしゅうという石工集団が手掛けたことから、穴太あのう積みとも呼ばれるらしい。荒々しい積み方と、この奥行きがたまらんわぁ。
随所に曲がり角や勾配の急な階段があって、敵に備えた城としての機能も感じられた。


天守台は上からの眺めも素晴らしいが、下から見上げるのも良い。
人影の大きさと比較すると、その巨大さが判る。これだけの石垣、城を山の頂に造ろうだなんて、当時の大名はとんでもないことやったもんだな。そう思わずにはいられない。


立雲峡はどこだろうと、Googleマップとにらめっこ。たぶん、向かって右側の山のどこか。朝来山というのか。あの日見た景色のほうに立ったというのは、なかなか感慨深い。


天気予報では快晴だったのに、薄暗い雲。晴れてたらもっとカッコ良かったろうにな~。これはこれで雰囲気あるけど。


ところで、あちこちにスタッフのおじさんがいるんだけど、この方たちも良い人ばかりだった。周辺のことを教えてくれたり、自撮りしようとしてたら記念撮影を買って出てくれたり。とにかく訪れた人に楽しんでもらいたい、そんな思いが伝わってくる。とっても優しいんだ。城跡を見られた以上に、僕はこの温かさが嬉しかった。綺麗事でもなんでもなくね。
ちなみにこの万歳ポーズは、撮ってくれたおじさんの発案。自分たちではまずやらないことだったから新鮮だ。


充分回れたので帰ろうとしたとき、青空が顔を出してくれた。石垣とのコントラストがやっぱり良いじゃないか。


帰りは丁度バスが待ってたけど、『山城の郷』まで敢えて歩いた。竹田駅経由のバスとの競争みたいになった。結果は徒歩の勝ち。行きのバス運転手さんの言うとおり、歩いたほうが早かった。

竹田城跡の魅力ってなんだろうと考えてみたら、石垣の勇壮さがまず挙げられると思う。でもそれって、誤解を恐れずにいえば、天守が現存してないからこそ成り立つんだよね。ゴツゴツした石が整然と積み上げられたさまと、その上を覆い尽す草木の緑との対比。あるいは、かつて存在していた天守に馳せる思い。そういったものが渾然一体となって、つくり上げられてるような。
もうひとついいたいのは、雲海に浮かんでるのを立雲峡から観るのとセットで、真価を発揮するということ。あの光景なくして竹田城跡は語れないと僕は思う。
何はともあれ、2年越しの念願が叶ったよ。

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