雲海に浮かぶ竹田城跡が絶景過ぎる

2014年9月22日月曜日 20:37
昨年GoogleのCMで、“日本のマチュピチュ”として出てきた竹田城跡。それが県内にあると知り、来年は見に行きたいな~と思っていた。もちろん、見たいのは雲海に浮かぶさま。
その雲海の出やすいシーズンがやって来た。
22日は休日の谷間。特に予定は無かったけど連休にできるならと、有休を取った。
21日の夜、最近日課になりつつあった朝来市の天気調べをすると、この日の昼の最高気温と翌朝の最低気温の差が大きかった。両日共によく晴れているし、風も弱い。しかも、谷間とはいえ平日。週末よりは人が少ないのではないか。
これだけ条件が揃っているなら、行ってみる価値はある。急な話だったけど嫁も賛同してくれて、早起きすることを決めた。

22日、朝3時半起床。
昨夜に比べて冷え込んでないことを肌で感じ、朝来市も同様じゃないのかと、改めてウェザーニュースで実況値を確認。前日最高が26度、この日の3時で14.7度。就寝前に見た予報より3度ほど高い。とはいえ気温差は10度以上。
仮に雲海に出会えなかったとしても、初めて行く今回は下見になっても構わない。そう遠くない地だからまた行けばいい。それくらいの気持ちで出発した。

4時に発って、ほとんど車の走ってない播但道で和田山へ。街灯がほとんど無いから真っ暗。その窓の外を見ていた嫁が、霧が出てると教えてくれた。これは期待できるかも。
インターを降りると、同じ方面に向かう車が前後に。お仲間がいると知って、ちょっと安心する。
竹田の交差点を左に折れて、1キロ先の『立雲峡』の看板を目印に右折。対向車が来たら離合の難しいような狭い道を慎重に進む。夜明けまでに着けば、下りてくる車はいないだろうとは思うけど、そこはやはり安全運転で。
5時半に立雲峡の駐車場に到着。すでに満車近くになっててビックリ。一応平日の早朝だぞ。

日の出まであと20分程度。別にご来光を拝みたいワケでもないので、嫁のペースでゆっくり展望台を目指す。
念のためヘッドライトを持参してたけど、辺りはうっすらと明るくなってて、その出番は無かった。

20140922_071048
写真は帰りに撮ったものだけど、駐車場奥からの登り口すぐにある分岐。この階段を上っていけば、新しく立てられたと思しき道標が迷わず導いてくれた。
立雲峡は竹田城跡を北西に臨める朝来山にある峡谷。展望台が3箇所設けられてるが、第1まで行こうとすれば、登山道を30分ほど登る必要がある。整備されてるといっても、あくまで登山道としてはの話。相応の装備が望ましい。
僕らはトレッキングシューズを履いていった。正解だったと思う。
朝来市のサイトでは懐中電灯とレインコートと防寒具を推奨してあるけど、立雲峡に関して言えば、登山装備についてもアナウンスしておいてほしいもんだ。
赤ちゃんを抱っこして登るパパさんや、底の浅いドライビングシューズの人も見かけた。あれ危ないって。

しばらく登っていくと、人の話し声が聞こえてきたから、第1展望台に着いたとわかった。
大勢のカメラマンたちが向いてる方向に目を向けると……。

20140922_060439
雲海がバッチリ出てる!これが天空の城か。

20140922_061326
東のほうの雲海だけを見ても綺麗。期待以上にしっかり出てくれた。

20140922_061603
駐車場の車の数で予想できてたけど、展望台は人で一杯。一眼レフに望遠レンズと三脚を付け気合の入ったオジサンから、スマホで楽しそうに撮ってる若い女の子まで、ホント様々。
ブームっていうのか、人気凄いなぁ。人のことをとやかく言えた身ではないケド。

20140922_062929
最初は木の枝の間から狙うしかないようなポジションだったけど、隣の満足げに仲間に電話で報告してたおじいさんが立ち去ったお陰で、ベストな場所を確保できた。
山の下の部分が霧に覆われてるだけのはずなのに、城が浮かんでるように見える。美しく、幻想的な風景。
僕も三脚使ったりしてたけど、日の出を過ぎてるから、使わなくても手ブレすることはなかった。コンデジの10倍ズームで充分撮れる。ただ、やっぱりディティールが弱いなぁ。一眼が欲しくなる。

20140922_064535
朝陽が城跡に当たりだすと、周囲がざわついた。皆この瞬間を待ってたんだ。
さっきの写真と比べると判るが、背景の山の陰影がハッキリし、竹田城跡も明るくなった。
こうなるまでの変化がまた、見応えがあった。撮影するだけでなく、この目で眺め続けてると、なんともいえない不思議な気持ちになる。感動したんだと思う。

20140922_064546
陽の光もそうだし、雲海もゆったりと流れ、その表情を変える。掛かり具合が刻一刻と変容するのも魅力だ。
スッゲーなぁ……。絶景過ぎて圧倒された。

嫁が体が冷えてきたと訴えたので、下りることにした。彼女もたっぷり堪能できたようだ。
下山してる間にも、何人もの登ってくる人たちと擦れ違った。

途中、脇のほうで動くものを見た。次の瞬間、それは僕たちの前をササッと横切っていった。野生のリスだ。
速過ぎてカメラには収められなかった。フサフサの尻尾が可愛かったよ。
観光地化してても、やっぱりここは自然の山なんだな。

20140922_070713
ちなみに、この日の第3展望台からの景色がこちら。霧に包まれてなんにも見えない。
行きに見かけた、ここで佇んでたおばさまたちはどうしたんだろうな~。

20140922_070759
振り返って見上げたら、上のほうが真っ白。カメラで白飛びしたワケじゃない。自分たちが霧の中にいるってことなんだろう。

明るくなった駐車場を埋め尽くす車のナンバープレートを見ていくと、改めて人気の高さが窺えた。大阪、京都、岡山といった近隣の他府県ナンバーだけでなく、岐阜、尾張小牧、多摩、最も遠い所では山形ナンバーまで見かけたほど。
自分たちの車に戻り、駐車場をあとにしたところでまたビックリ。駐車場から溢れた車が、路肩に列を成して停めてあったのだ。こんなんなるのか!朝7時過ぎだよ……?気づかなかったけど、展望台もそこまで人増えてたんだな。
未明に着いといて良かった。
……土日だと、どうなっちゃってるんだろ……考えたくねぇ~。

あれほどの素晴らしいものを見せてもらったから、地元にお金落としていきたいと思った。けど、まだ道の駅も営業してない時間。やむなし。

日本とは思えないような光景、いや、現実とは思えないような光景。早起きして行って本当に良かった!運の要素もあるから、余計にそう強く感じるんだろうなぁ。
次は城跡の側に足を運んでみたい。

サイト内検索