御即位記念 正倉院展

2019年10月27日日曜日 22:41

秋の奈良といえば正倉院展。今回初めて行ってきた!御即位記念ということでか、奈良時代に興味がある人もない人も楽しめそうな、豪華絢爛なお宝いっぱい!装飾の精緻な品が多くて、何も考えずただただ美しいものを鑑賞するだけでも、眼福に。そして例の厨子には、ロマンが詰まっていた……。


ホテルを出たら、本日のメインイベントのために奈良博へ……の前に、『ことのまあかり』さんで休憩。賑わっていたけど、幸い空席があった。
ドリンクだけでゆっくり休めたらいいやくらいに思って行ったのに、体が甘いものを求めた。『つむぎ』さんのブルーベリーとクリームチーズのマフィンも注文。スゴくふんわりしてて、甘すぎず甘くなさすぎずの丁度良さと、たっぷり入ったベリーの酸味が、ホント美味しかったー!セットに選んだ自家製梅ジュースも、酸っぱ甘くて美味。疲れた体と頭に染みたぁ。


座った席の壁には、正倉院の鳥毛立女屏風とりげりつじょのびょうぶをモデルにした作品が3幅。


雑貨売場の棚の上にも、『ミニ正倉院展』と題したコーナーが。それぞれ品名と解説文まで添えられているあたり、遊び心があってニクいね。


喫茶と合わせて、赤漆文欟木御厨子せきしつぶんかんぼくのおんずしメッセージカードを購入。これも目的のひとつ。厨子をモチーフにした正倉院展公式グッズが無いだけに、ホント嬉しい。

しっかり休めたところで、いよいよ奈良博へ。と思ったら、なんと雨が降り始めた。予報では晴れだったのに。ひがしむき商店街のアーケードの下で、嫁としばし相談。気温と雨対策のために戻るか、このまま進むか。結局、小雨なので行ってしまうことにした。

時刻は17時過ぎ。奈良国立博物館に到着。正倉院展の混雑を想像して臆していたとき、生駒さんに、金土日のオータムレイト1時間前が最も空いていると、ご教示いただいた。それに従ったのだ。
新館前の通路には整列用のロープが張られていたけど、まったく並んでいない。すいすい館内に入れた。音声ガイドを借りるのに少し待たされたものの、かなりスムースに展示室まで行くことができた。

最初の展示は赤漆文欟木御厨子せきしつぶんかんぼくのおんずし。いきなり一番見たかったもの!
国家珍宝帳という目録に記述された由緒によれば、
・飛鳥浄原宮御宇天皇(天武)
・藤原宮御宇太上天皇(持統)
・藤原宮御宇太行天皇(文武)
・平城宮御宇中太上天皇(元正)
・平城宮御宇後太上天皇(聖武)
・令上(孝謙)
が伝え賜うたという両開きの置き戸棚。飛鳥・奈良時代のあの方々が実際に使っていた物が、目の前にあるという感動!代々伝わっているのに、なぜか元明天皇だけ飛んでいるけど、彼女だって当然見ただろうし、触れたこともあったはず!興奮気味に、嫁にどういうものか説明した。
元明天皇こと阿閇さまに伝えられなかった理由は色々考えられるけど、厨子は別に、即位に際して伝領されるような性格の代物じゃない。個人的には大切な物だったとしても(言い方は悪いけど)たかが家具。即位や譲位とは関係なく伝えられてきたとしても、おかしくないわけで。
息子の軽くんから今わの際に譲位されるという、悲痛な状況で即位した阿閇さまが、息子が使ってきた厨子を使う気になれなくて、ずっとそのままにしてきたけど、娘の氷高ちゃん(軽から見ればお姉ちゃん)への譲位と前後して、厨子も使ったらいいよって譲ったとか。僕の勝手な妄想だけど。
阿閇さまのことだけでなく、大海人くんから讃良ちゃんの間は、仲良し夫婦って考えれば自然な流れだけど、讃良ちゃんから軽くんには、どういう経緯で伝わったのかなとか、厨子ひとつで物語書けそう。

続いては紅牙撥鏤尺こうげばちるのしゃく。一尺の物差しだけど、実用ではなく儀式用とみられる。鳥に花に鹿、とにかく装飾が細かくて綺麗!他にも金銀平文琴きんぎんひょうもんきんなど、細やかな文様の施された宝物の多いこと。単眼鏡が大活躍した。
鳥毛立女屏風とりげりつじょのびょうぶは六扇すべてが並び、圧巻。教科書か何かで見た記憶があって、これ見たことあるー!ってなった。
赤漆欟木胡床せきしつかんぼくのこしょうは、高御座にある椅子を彷彿させる。現代の椅子は足を垂らして座るけど、こちらは座の上に足を組んで坐す物らしい。
礼服御冠残欠らいふくおんかんむりざんけつ礼冠らいかんのバラバラになったパーツながら、元々の形を思わせるような配置での展示。古代の天皇が被っていたかも知れない姿を想像すると、ときめくなぁ。
これら以外にも豪奢な宝がズラリ。全部で41品と、一般的な出陳数よりやや少なかったけど、むしろ丁度良く感じた。もうおなかいっぱい……素敵だった……。

歴史ロマンと美しい物とを満喫したあと、ミュージアムショップを物色。紅牙撥鏤尺デザインの定規があったら買ったのになー。緑のほうしかなかった。図録はもちろん購入。嬉しそうに抱えていたら、嫁が微笑んだ。

ディナーはならまちにあるイタリアン『nakamuraya』を予約。路地裏にあって、マップ見ながらなのに迷った。
引き戸を開けると、厨房から青い瞳の男性が。日本人の名前のお店なのに、シェフはイタリア人なの!?と思ったら違った。奥のテーブルではなく厨房すぐ横のソファ席に通されたから、スタッフたちの声が良く聞こえて、先ほどの男性はむしろ周りの日本人から指示されている側。なぁんだ。
ホールの女性の接客態度は良かったけど、ワイングラスが空いても次の飲み物を聞いてくれなかったり、料理も食材が豪華な割には活かしきれていない印象。う~ん、自分たちに合ったお店を探すのって難しい。嫁との時間は楽しかったけどね。

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