石舞台古墳を体感
2016年11月10日木曜日
12:44
奈良県高市郡明日香村の石舞台古墳。横穴式石室が露出した姿は明日香のシンボル的存在だ。その規模と、玄室に入れることが最大の特徴だと思う。被葬者は不明だけど、蘇我馬子とする説が有力。そういう理由でここも、飛鳥京に点在する蘇我氏ゆかりの地のひとつと考えていいんじゃないかな。
飛鳥寺以上に休日は混雑が予想される石舞台古墳が、次なる寄り道ポイント。なにせ一般層にも見所が解りやすい。
最寄りの北側の駐車場はなんと満車の表示。仕方なく一旦通り過ぎてUターンして戻り、西側の駐車場に停めた。こちらは広々としてる。駐車料金を払おうとしたら、係員さんが観光バスの誘導に行っちゃってしばらく待たされた。一人で対応できるくらい暇ってことか。
そこから道路沿いに歩道を歩いて拝観入口へ。嫁とクイズ形式の現地解説板で遊んでたら、後ろから来た団体さんに抜かれて、チケット入手するのにえらくここでも待たされてしまった。
気を取り直して敷地内を進むと、ドーンと石舞台古墳が現れた。わかっちゃいたけど、やっぱりデカい……!これだけの巨石を人力だけで積み上げたんだから、なおのことスゴい。それほど造らせた権力者が強かったという何よりの証左だ。
石の隙間から内部を覗いてみた。人間の大きさと比べると、その巨大さが実感できる。棺を納めるスペースというより部屋だよコレ。
古墳といえばこんもりした墳丘があるものだけど、石舞台古墳は古い時期に上の盛土が剥がされ、石室がむき出しになったらしい。今年は盛土というと別の話題が……おっと、話がそれた。石室は盗掘し尽くされており、この室内にどれほどの副葬品があったのか、今では知る術がない。これだけ広いのだから、たくさんの武具や装飾品と一緒に埋葬されてたのだろうか。
僕たちも玄室の中へ。内部から改めてそのつくりや大きさに感心する。「はぁ~、大っきいねぇ~」と異口同音にあちこちからも聞こえた。古代への興味の強弱に関わりなく凄さが伝わる。デカいって正義よね。
大勢の観光客が往来するなか、ふとその流れが途絶えた。この瞬間がチャンス!と玄室内に嫁だけがいる絵を撮った。ただ急いでシャッター切ったから、若干手振れしてるうえにピントが甘い……。せめてダイヤルをオートに切り替えていればと悔やむ。
出口方向に向かう途中、石室造る様子をVRで見られる無料のサービスをやってた。いつからこんなのやってるんだろ?面白そうだし、せっかくなので受けてみる。
嫁と二人でほぼ同時にゴーグルを被る。みずら髪の人々が石を引っ張ったり穴の中で作業してる映像が見えた。奇しくも仮想現実初体験だった僕は、そんな主題より、下向いたら地面より浮いててちょっと怖いとか、360度見渡せるのが楽しいとか、そんなことばっかに気が行ってしまった。ちょっとしたアトラクション気分。
古墳の石室に入れたり、VR体験でその造り方を見たりと、魅力を全身で感じることができた。それが良かったようで、嫁も大層楽しんでくれた。知識を下敷きにしてロマンを追うのはもちろん良いんだけど、こういう誰にでも解りやすいものも、その入口として大事だよなぁ。