吉野町の上市スタンド 花水土香の点心ランチを堪能してきた

2016年11月10日木曜日 13:09

奈良県吉野郡吉野町にある多目的交流スペース『上市スタンド』。ここに毎週木曜日にオープンする、“体に優しい点心のお店”『花水土香はなみづか』がある。奈良に移住して就農されている若いご夫婦が出店していて、自家農園の新鮮な野菜を使われていること、さらに歴史における吉野をテーマにした食事内容であることが、強く僕の興味を惹いた。
最近古代史にハマってきた影響で奈良自体が好きになり、そんななかTwitterで繋がったしろみさんの告知で、その存在を知った。奈良旅行でのランチって結構難しくて、ココが美味しかったら嬉しいなと候補に。嫁に告知写真見せたときの、「美味しそぉ~」の一言で行先決定。
で、これが大当たり!料理だけでなく、場所や駐車場についても記していこう。

明日香村の飛鳥寺と石舞台古墳を回ったところで、そろそろお昼時。車を南へと走らせ、一路吉野へ。国道169号線まで出たら、吉野川沿いに東進。
この吉野川の河川敷に無料の駐車場があると、事前にお聞きした。行き方は2通り。
1つは、スーパーヨシスト上市店の向かいから下りるルート。交通量がそれほど多くなかったので、右折での進入も難しくない。判りやすいので、僕らはこちらを選択した。ただし、河川敷に下りてからお店に近い場所に停めようとすると、河原に敷き詰められた小石の上を走ることになり、車体に負担が掛かってそうな音がして、精神的にちょっとツラい。たまに石が跳ねるし。


もう1つは、ヨシストを過ぎて最初の信号の手前の、左手にある狭い側道を下りるルート。『上市郵便局前』の交差点の西すぐと言い換えても良い。Googleストリートビューで確認したときはその狭さが不安で避けたんだけど、実地を歩いて確かめてみたら、普通に車が通れる幅はあった。これを下りると、国道の下をくぐる形で駐車スペースに出る。
駐車場の選択肢としては、ヨシストの前から河川敷に下りてすぐの場所に停めてお店まで少し歩くか、有料でも良いなら大和上市駅近くのコインパーキングという手もある。いずれにしても、駐車場が使えるのは有り難い。

無事に車を停められたら、そこから北に向かって坂道を上る。するとものの数分で到着。
吉野上市郵便局の向かい、空き店舗を利用した『上市スタンド』だ。『花水土香』のメニューがショーウィンドウから見えた。毎週木曜日10時開店で、ランチ限定20食だ。12月から3月は本職である農業に専念され、4月から再開するそうだ。
“花と水と土の香り”と書いて『はなみづか』って名前も洒落てるなぁ。

引き戸を開けてカウンターまで行くと、男性の方から○○さんですか?と僕の本名を聞かれた。取り置きをお願いして名前をお伝えしていたし、夫婦連れってことで判っていただけたのかな。すぐに予約席に通された。とても爽やかで、一目見ただけで真面目な人柄が伝わってきた。あの方がどうやらしろみさんの旦那さんらしい。
あとでしろみさんご本人も挨拶に出てこられた。こんな形でTwitterで繋がった方とお会いするのは、なんとも不思議な感じ。ほわっとした可愛らしい方だった。
店内は元呉服店のがらんとしたスペースにテーブルを並べた簡易なつくり。しかし必要充分。ストーブも焚かれてた。


さて本題である点心ランチ。11月のテーマは『壬申の乱 前夜』とのこと。壬申の乱は、大海人皇子おおあまのみこのちの天武天皇が隠棲していた吉野を出立したことに端を発する、古代日本最大の内乱だ。古代史ファンとしては、これだけで胸が高鳴る。
まずは大海人軍のイメージカラーの赤色をあしらった、赤い酸辣湯。自家製という新生姜がホントにたっぷり入ってて、体があったまった。辛さは控えめで酸味が程よい。
叉焼飯には奈良県産ヒノヒカリとヤマトポークが使われてるそうだ。看板に偽りなしの穏やかで上品な味。三つ葉のおひたしはシャキシャキしてるし、吉野町宮滝にある梅谷醸造元の鮎のみつきという魚醤を添えてるとか。週替わりという本日の天心は小籠包。嚙んだ瞬間口の中に広がる肉汁がウマウマ。しかも皮から手作りってのがスゴい。


そしてデザートの桜の香る酒まんじゅう。秋に敢えて桜。桜は吉野の象徴ともいえ、そこにテーマに対する価値の追求が垣間見える。味も甘さが丁度良くって、気持ち良く食事が終えられた。さりげなく箸置きが古墳型ってのが面白カワイイ。
驚くべきは、出されたお茶も吉野のほうじ茶。隅々まで気を使ってることが、この点だけでも理解できるよね。

ごちそうさま、お世辞抜きに美味しかった。点心って聞くと、こってりした中華を想像しがちだけど、それとはむしろ真反対。とてもとてもやさしい味で、身体が喜んでるのがわかる。薄味ながら味わいがあった。
お店を出たあとに嫁の感想を聞いたら、農家の方がやってるっていうから、もっと彩り豊かと思ってたけど茶色い、でも、新鮮で良い野菜使ってるのが判ったし、素材を活かした味で美味しかった!と実に正直に答えてくれた。また行こうとも言ってくれたから、彼女にも好評だったみたい。
僕らが食べてる途中に他にもしろみさんのお知り合いの方が来店されてたし、奥の卓はご近所の集まりみたいな雰囲気だったし、そういった色んな形のご縁を感じもして、心まで温かくなった。

二人ともニコニコ満腹になったところで席を立つ。前金制ってことに気づかず座っちゃったので、支払いがあとになってしまった。
そうそう、このお店の規模と料理の内容で1食980円は安い!倍とはいわないけど、もっと上積みしても僕はその価値があると思うね。
最後にご夫婦から今後の予定を教えていただき、お店を出た。「(奥さんに)また呟かせますので」っていうご主人の表現が面白かった。そういえば、もう一人いらっしゃった男性の店員さんとはどういう関係なんだろ。

『花水土香』のランチ、食べたこと以外にも強く感じたことがあった。若いご夫婦が地元から遠く離れた地で農業に従事して、自分たちで作った野菜を使った料理を提供するお店まで出してっていう、チャレンジングスピリットが凄い。それを間近で接して感じた。年齢は僕らと大差ないのに……敬意を表すると同時に刺激を貰った。
来年の春、吉野山の桜のついでにまた行こうかな~。

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