飛鳥歴史公園開園50周年記念『感謝祭&祥瑞マルシェ』

2024年11月9日土曜日 18:01
飛鳥歴史公園は奈良県高市郡明日香村にある国営公園。その開園50周年を記念したイベント『感謝祭&祥瑞マルシェ』の開催を知り、良い機会なので遊んできたよ!

国営飛鳥歴史公園は1970年の閣議決定に基づき、祝戸・石舞台・甘樫丘地区が整備されることとなった。1974年に祝戸地区が最初に開園。2024年で50周年を迎えた次第。ちなみにキトラ古墳周辺地区の開園は2016年だ。
記念イベント『感謝祭&祥瑞マルシェ』は、キトラ古墳四神の広場で催されるとのこと。キトラ古墳にはまだ行ったことがなかったし、折よく壁画公開期間とも重なっている。この時運に乗るしかない。
キトラ古墳を見たあと、四神の広場へ。

出店を見回っていると、特設ステージでは関係者の挨拶や祝辞が始まるようだった。飛鳥歴史公園のゆるキャラ・あすかひめもいる。イラストより着ぐるみのほうが可愛いな、と思ってしまった。

一番のお目当ては、『花水土香』さんの肉まんとくるみ汁粉月餅。どちらもイベント限定だから、この機を逃すまいと。ご夫婦とちょっとお話しもさせてもらった。こういうひとときがまた楽しい。広場のベンチに腰掛けてぱくぱく。う~ん、超美味!『花水土香』さんとこのメニューにハズレなし!

おなか空かせて行ったから、他のも食べる。続いては『奈良パークホテル』さんのキッシュ。どれも美味しそうで迷う。写真撮ってもいいですかと断ると、どうぞどうぞと店員さんが避けてくださった。有り難い。
「QUICHE DE HAMAMATSU by はじめてのキッシュ」というプレートを掲げていたけど、どういう関係なんだろうか。
嫁が僕に選択権をくれたので、大地のキッシュ(牛肉とナスのカレー風味)をチョイス。スパイシーながら、旨味が強くて食べやすい。

小腹を満たしたところで、ステージ前のベンチに空きがあったから席を移す。壇上では同好会の方々が万葉歌をうたい上げる「万葉朗唱」が行われた。

伝承芸能披露の中で最も関心があったのが、「飛鳥蹴鞠あすかけまり」。広場の真ん中に、四方に竹を立てそれらを縄で結んで囲いが作られていた。球技のためのコートに見える。
一般に蹴鞠というと、平安の貴族社会で流行ったものを想像するだろう。勝敗を争うのではなく、いかに蹴りやすい鞠を相手に渡すかという、和の精神に基づく娯楽だ。しかし代表の方の説明によれば、「飛鳥蹴鞠」はそれとは異なるそうだ。蹴った鞠が相手のコート後方の縄を越えたら得点という、勝敗のある競技なんだとか。
代表者の言葉を鵜呑みにはせず自分でも調べたんだけど、蹴鞠の発祥は中国にあり、遅くとも戦国時代までさかのぼる。裕福な住民たちの娯楽である一方、軍事訓練の一環としても行われていたらしい。6人でチームを組み、2チームが方形のフィールドで競い合う。また、ゲームを裁く審判がいる。
1チーム3人という以外は一致しているね。

で、これが観戦していて面白い。競技者たちは普段サッカーやフットサルに親しんでおり、サッカーボールでならいつまでもリフティングを続けられるような猛者ばかりだそう。それが鹿革製の鞠だと勝手が違うため、最初はコントロールに苦しむ人が多かった。だけど徐々に慣れてくると、味方間でパスが回りだし、タイミング良く蹴り上げると、鮮やかな放物線を描いて敵陣のロープの上を越えていくように。その姿がカッコいいんだ。
一進一退の白熱した試合を、多くの観客が興味深げに見守った。

勝負が決したあとは、一般参加の蹴鞠体験。もちろん嫁と一緒に参加。僕は数年前にその難しさを経験済みだけど、嫁は初めてだ。蹴っても全然上がらなかったり、上がったかと思えば明後日の方向へ飛んだりと、なかなか上手く渡せない。それでも競技者の方のサポートもあり、和気あいあいと遊べた。力任せに蹴ろうとするのではなく、軽く合わせて蹴ると良いとコツまで教えていただいた。試してみると、確かに高く上がる!お陰でもっと楽しくなった。ありがとうございました。

それからキトラ古墳の天文図を見学。少し疲れた脳の回復にと、『花水土香』さんのメニューをリピしちゃった。しろみさんから『奈良パークホテル』さんのアップルパイがオススメだと聞き、そちらにも再び向かったら、残念ながら売り切れ。代わりに畑のキッシュ(みかんとクリームチーズ)を頂いた。これはこれで美味しかったけど、アップルパイをいつか食べてみたいな。

頃合いを計って、『奈良のトビラ』のブースにて生駒さんにもご挨拶。結構前にお話ししたことを覚えてくださっていて、嬉しかったなぁ。上村恭子先生の新作クリアファイルも購入。

そうこうするうち、「韓国伝承芸能」の音色が響いてきた。これが期待以上に素晴らしくて、聴き惚れたよ。クライマックスは四神の館前に集結して、一般の人も巻き込んでのダンスタイム。大盛況で幕を閉じた。

ほ~んとメチャメチャ楽しかった!これからお引越し準備に本腰を入れねばならなくて、しばらく遊べない。新しい職場での一週間を過ごしたところだし、そういう意味でも良い気晴らしになったね。

【参考文献】
郭新宇「競鞠についての研究―中国古代史料に基いて」『岩大語文 (21)』岩手大学語文学会,2016年
潘蕾「古代における中日文化交流の一側面 ―蹴鞠文化を中心に」『国際学研究 (8)』桜美林大学大学院国際学研究科,2018年

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