大人になった今、動物園は楽しめるだろうか。きっと楽しめるに違いないと期待を持って王子動物園に行ったら、それ以上の感動があった。お食事タイム、メッチャ楽しい！

水族館はその幻想的な雰囲気が、いかにもデート向きだと思う。だから嫁と独身時代からちょくちょく行ってた。ところが動物園となると、嫁と一緒に行ったことがなかった。そもそも子供の頃以来、動物園と名のつく場所にほとんど足を踏み入れていない。
それなら、機会を見つけて行ってみよう。どうせ行くならパンダやコアラも見たいね。というワケで、神戸市立王子動物園に行くことにした。

嫁が掛かり付けのクリニックで薬を処方してもらうため、三宮に寄り道。それから王子公園駐車場に車を停め、動物園のゲートへ。
怪しい曇り空だが、夕方までは保つはず。
入園料は大人ひとり６百円だった。安い。市立ってのが大きいのかな。


ゲートをくぐって左手にはフラミンゴ。遠足の幼稚園児たちがそこに群がってた。
似たようなピンク色の帽子をかぶって、僕も幼稚園の頃にここに来た思い出がある。王子動物園は、ホントそれ以来じゃないかな。懐かしい……。


お食事タイムが迫ってたので、まずはコアラ舎から。
ここには４匹のコアラがいて、それぞれ個性があった。餌が運ばれる前の寝姿からして、皆違う。こうして眠ってる姿は見たことあるんだよなぁ。


そこへ、ダイナミックな動きを披露してくれたのが、ミナトくん。自身が寝ていた場所より少し離れた枝に置かれたユーカリ。この、グッと力を溜めるような姿勢から、その隣の枝へ一気にジャンプ！
その瞬間をカメラに収めることは叶わなかったけど、あんなに活き活きと躍動するコアラは初めて見た。目を開けて動き回るのを見るのさえ初めてなのに、跳ぶところまで。それも二度。感動した。スゲー。


葉をはむはむ食べるさまが可愛い。
園児たちやカップルも見に来てたけど、平日だからかそんなに混み合うことはなかった。お陰でじっくり観察できた。

お食事タイムのはしごで、ゾウ舎に向かう。そこにはオスメス１頭ずつのインドゾウ。その内の、立派な牙を持つオスのマックの動きが面白かった。


右側のドアを鼻でノック。早く餌ちょうだい、とでも言いたげなようす。


のしのし歩いて、今度は左の大きなドアにも鼻を伸ばす。まだ～？って催促してるみたい。
落ち着きなくふたつの出入口の前をウロウロしてるマックを見てると、その巨大さを忘れてしまう。なんともおかしい光景。


待ちに待った餌が置かれると、欲張って一口じゃ食べられないほどの量を鼻で掴み、ムシャムシャ食べてた。長過ぎる草は、鼻で握り潰すようにして食べやすくするなど、とにかく鼻の使い方が器用。巧いもんだな。
このゾウも幼い頃の記憶にある。当時とは景色が変わってるかも知れないが、ここに座ってクレヨンで絵を描いた。ゾウの背中に干し草が付いてて、それを黄土色で塗ったのを覚えてる。こんな感慨深い気持ちで再びこの場所に来るなんて、想像できなかった。


続いて、色鮮やかなインコたちを見てから、猛獣エリアへ。
アムールトラがやたらサービス精神旺盛で、ガラスのすぐそばを擦るように歩き続けてた。間近に見ることができたし、写真も撮りやすい。やっぱ模様が綺麗だよな。


ライオンのラオとサクラはとっても仲良し。互いの顔を舐め合ってた。このあと２匹とも寝ちゃったから、立ち姿は見られず。


アムールヒョウは最初座り込んでたけど、園児たちが集まってきたのを契機に部屋の中を歩き回ってくれた。しなやかな体付きとその後ろ姿を見てると、ネコにしか見えない。ちょっと可愛く思える。


片やジャガーさんは遠くからしか見られなかったけど、迫力充分。お顔が怖い。その辺歩いててこんなのに出くわしたら、震え上がるわ。


知る人ぞ知るカンガルーの筋肉美。
遊園地を越えて坂を上り僕らがカンガルー舎に着いたとき、丁度２頭が大胸筋を誇示し合うように対峙してた。無駄のない整ったマッスルボディ。これは強そうだ。


マッスル対決の勝敗が決し、勝ち誇るようなサイドチェストポーズ。彼らが実際競ってたかはわからないけど、面白いものが見られた。


キリンや類人猿エリアを巡ったら、次はジャイアントパンダの食事時間。
歩いてるだけでカワイイってなんだろうね、もう。


飼育員が色々餌を置いて去ると、まずニンジンを食べ始めた。前足で握り座り込んでカリカリやってる姿が、人間っぽくておかしい。可愛らしさと相まってこちらの頬が緩みっ放しだ。


ニンジンと肉みたいなのを食べ終えたら、今度は竹。またしても器用に前足で掴んで、パキィッ！と派手な音を響かせてふたつに割って見せてくれた。


そのあとは、木にもたれながら一心不乱に竹を食べ続ける。時折竹の割れる乾いた音がして、その度に笑ってしまう。
存在自体が愛らしいパンダ。今更ながらにそれを痛感したよ。

他にも、雨宿りにホッキョクグマ舎に寄ったり、夜行性動物エリアで飛び回るコウモリや珍しいサルを見たり、楽しい場所がたくさんあった。逐一挙げたら切りがないくらい。嫁との会話も弾んだ。

結構楽しめるんじゃないかな～とは思ってたけど、こんなに遊べるとは予想以上だった。動き回る動物たちを眺めてると飽きないんだよね。
その意味でお食事タイムが果たした役割は大きい。コアラにしろパンダにしろ、普段ほとんどじっとしてる彼らの、活動してるところをたっぷり見ることができたんだから。
王子動物園、メッチャ楽しかった！こうなると、他の動物園と比較してみたくなるね。