星と音楽のプラネタリウム

2015年1月24日土曜日 23:59
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明石市立天文科学館に行った目的は、『星と音楽のプラネタリウム』という特別投影で、生の音楽を聴きながらプラネタリウムを楽しめるという催し。
これだけでも興味惹かれるが、嫁の友人であり、プロのヴァイオリニストでもあるせぇさんが出演するというのだ。彼女は僕らの結婚式にも来てくれたし、その後何度か一緒に遊んだこともある。
前々から演奏を聴きたいと伝えてたこともあり、招待券まで貰ってしまったのだ。招待券……なんて甘美な響き。そんな大層なイベントではないかも知れないけど、招待されるってなんだか特別な感じがして嬉しい。
そんなことまでしてくれなくても行く気満々だったから、せめて差し入れだけでもとクッキー片手に向かった次第。

科学館に入り、券売機の前を素通りして受付に招待券を渡す。そこで直近のプラネタリウム上映時間についての案内があった。だけど、『星と音楽のプラネタリウム』はそのさらに次の上映だったから触れてもらえず、「14時30分の上映は?」と訊くと、そちらの整理券を渡してもらえた。これでひと安心。

館内を回って遊んでから、2階へ。整理券を手にした人たちが結構な列を成してた。
ドーム内に入ると、早くもせぇさんとピアニストの方とが歓待の曲を奏でてた。わぁ~、ホントに演ってる(当たり前か)。
ライブだし、どうせなら近くで聴きたいと考えた僕とは違い、身内は離れてたほうがやりやすいでしょという嫁の意向で、投影機を挟んだ向かい側の、むしろまったく姿が見えない席に座ることに。む、それはそうか。

時間になると、女性解説員から特別投影についての説明があり、続いて出演者からの挨拶。
ピアニストの方は割と喋り慣れてる調子で、卒のない内容だった。
そのあとはせぇさんの番。緊張か体調のせいか、若干心配になる話し方だったけど、これは彼女が望んで得たお仕事だってことがわかって、期待が膨らむ。

それから生解説を聞きながらの星空案内が始まった。落ち着いた聞きやすい声。この解説員にも当たり外れがあるから、良い人に当たったな。
その合間々々にテーマを持たせた生演奏が入る。誰もが知ってるような曲目が中心でも、所々にアレンジが巧く利いてて楽しい。中でも、ジャズのスタンダードナンバーを取り入れてたのが、個人的にはテンションが上がった。ヴァイオリンでもああいう風にできるもんなんだな~。
面白かったのが、オリオンとアルテミスの神話。プラネタリウムでは定番の神話を聞かせてくれたワケだけど、これのBGMも生演奏でやってしまうという。遊んでるな~というか、無駄に豪華というか。ほぼ効果音だけみたいなのもあったし。
最後は聴き応えのある曲で締めくくってくれた。

や~……贅沢なひととき。生の音楽と一緒にプラネタリウムを観るということが、これほど素晴らしい体験とは。
最初は演奏に集中できるんだろうかと、ちょっと懸念してた。でもそれは杞憂に終わった。星空を眺めながら音楽を楽しむ。耳を澄まして弦の音に集中する。どちらも自然にできた。
ホント、これは素晴らしい。

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プログラム終了後、お礼を言うべくせぇさんの元へ向かった。
彼女は来てくれてありがとうと言ったけど、いやいや断然こっちのほうが感謝だよ。持ってきたクッキーだけじゃ足りないくらいで、申し訳ないほど。何かの機会にお返ししたいね、って嫁とは話してる。
記念になるからと思い、彼女と嫁のツーショット写真を撮っておいた。
僕ら以外に、同じくお呼ばれしてたまこたすさん夫妻と、せぇさんの先輩だという方も見えた。

これで上がれるから、良ければお茶しないかとの提案で、僕たちはせぇさんの身支度を待つことになった。館内は充分回ってたので、3階の天文サロンで雑誌を読んで暇潰し。
しばらくして、ヴァイオリンケースを担いだ彼女と合流。娘の仕事を見に来た彼女のお母さんを含め、4人でとりあえずアスピア明石まで、彼女の運転する車で移動。幸い地階のカフェに空席を見つけられた。

ここで彼女の口から語られた裏話が、スゴク面白かった。
とある曲の途中、ピアノとズレてしまったそうで、ピアニストとアイコンタクトでその修正をしたとのこと。何かおかしかったか訊かれたけど、まったくそんなことには気づかなかった。ああ、アレンジしてんだな~としか。こーゆーとこが、やっぱプロだねぇ。それに、そもそもズレといえるようなものだったのかとさえ思う。プロ自身だから気になった点ってレベルじゃないのかな。
素人の素朴な疑問で、あの暗闇の中で譜面台は必要があるのかぶつけてみたところ、しばし思案したあと、「無い」と。リハの段階では小さくライトを点けて始めたものの、星の邪魔を極力したくないから、楽譜無し――灯りに頼らない――でやれるだけやろうとなり、結局不要になったんだとか。だから、あれは置いてただけのようだ。
その他色々率直な感想を話したりしたら、そういう声が聞けて良かったという。なかなか聞けないから参考になるみたい。
あと、ジャズのオススメがあったら教えてほしいとか。ウチの引越しが片付いたとき、彼女も招待したんだけど、その際CDラックにディスプレイしてたジャズのジャケットをメモしてたんだよな。クラシックに限らず、様々な音楽を勉強したいからというのが、その理由だそうだ。勉強熱心で、感心するばかり。
システムエンジニアなんていうデジタルな世界に身を置いてる自分からすると、音楽家という存在は実に興味深い。まるきり違うから、ないものねだりなのか、一種の憧れを抱く。演奏を聴けたことも、こうしてアレコレ突っ込んで話せたことも、本当に楽しかった。

で、結果的に、せぇさんのお母さんの相手をほぼ嫁に任せることになってしまった。ありがとう、そしてなんかスマンσ(^-^;)
このお母さんも独特なリズムで、なかなか面白い人だったよ。

目的はせぇさんの演奏を聴くことだったけど、明石の特別投影そのものも、とても良かった。近いし、また行きたいもんだ。
もちろん彼女のヴァイオリンも素敵だったので、こちらは是非音楽メインのイベントで聴きたいね。

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