元明天皇展の内覧会に行ってきた

2020年10月2日金曜日 23:28

平城宮いざない館の企画展示室にて、2020年10月3日(土)~11月30日(月)まで開催の『元明天皇展』。その開始前日の内覧会に行ってきた!企画展の主催はココトソコノ制作室と平城宮跡管理センターなんだけど、ココトソコノ制作室の生駒あさみさんにお声がけいただいて、なんと!パネルテキスト作成に携わらせていただいたの。内覧会のことと合わせて、他に語れる機会もないし、そのあたりの経緯についても述べたい。


少し時間は巻き戻って、朝食のあと、奈保山東陵なほやまのひがしのみささぎまで足を延ばした。和銅元年10月2日は、元明天皇が犬上王を派遣して伊勢太神宮に平城宮造営を報告した日。というわけで(というわけでもないけど)阿閇あへちゃんに、「元明天皇展が明日から始まります」ってご報告に上がったのだ。
元明天皇のことを、僕は敬愛の情を込めて「阿閇ちゃん」と呼んでいるけど、当記事でもいつものノリでいこうと思う。企画展のほうはそういったおふざけの無い、極力主観を除いたかなり客観的な内容だよ。いや別に、僕もふざけているつもりは無いんだけど。

お昼過ぎに平城宮跡歴史公園へ。列を成した観光バスに挟まれながら、駐車場に入った。小学生にとっても、教材の宝庫だもんね、ここは。それにしても、やはり人が秋になって増えた。
ランチのために天平うまし館に向かう。『tokijiku kitchen』にしようか迷ったけど、そこまでおなか空いてなかったから、『IRACA COFFEE』で軽く済ませることに。カフェメニューは充実しているけど、軽食メニューが随分簡素になったような。


約束した14時の5分前。平城宮いざない館に入るとすぐ、いけばなの草月流そうげつりゅう奈良県支部さんの展示が出迎えてくれた。「豊穣の秋」を表現しているそうだ。「元明天皇の時代を偲んで」というのが嬉しいね。


それからまっすぐ企画展示室へ。こちらも入口に、四神を表す色の垂れ桑が。四神相応の平城京にピッタリ。
前まで行くと、生駒さんが迎え入れてくれた。この度はありがとうございましたと、お互いに感謝し合った。また、準備が間際までバタバタしたから、無事に開催の運びとなって安堵した気持ちも分かち合った。それと、パンフレットがまだ届いていないということで、プリントアウトしたものを頂いた。さらにポストカード1枚と、クリア栞まで。有り難い。
今回監修してくださったのは、龍谷大学の教授であり、奈良文化財研究所客員研究員でもある、杉山洋先生。その先生も会場にお越しになっているということで、ご挨拶させていただいた。質問もできるよって促されたものの、展示のほうに頭が行っちゃってて、その場では何もできなかった。う~ん、もったいない。
生駒さんから宿泊先を訊かれたのでマリオットだと答えると、いいなーって同じく会場にいらしていた倉橋さんを巻き込んで、ひとしきり盛り上がった。
ついでに、この日に合わせて首から下げてきた和同開珎のネックレスを見せると、「推しのグッズじゃないですかー」とナイスリアクションを貰った。近つ飛鳥博物館で売っている、出土品から型を取ったという本格派のレプリカなんだよね。
なお写真撮影について、個々のパネルはSNSに上げないで、でも会場の雰囲気は良いよ、とのこと。


では、展示を観ていこう。文章のほうは最終稿直前版を読んでいるけど、イラストと組み合わさって仕上がったものを目にするのは、初めて。僕だけでなく嫁も、イラストを担当なさった上村恭子さんのファンでもあるから、楽しみで仕方なかった。
「結構初めて見る絵も多いでしょう」と生駒さん。確かに、Twitterなどで紹介されていたものはごく一部で、会場には新作がズラリと並んでいる。それだけでも嬉しいのに、それらすべてが阿閇ちゃん関連だなんて……見覚えのあるテキストも、恭子先生の絵があると、不思議と受ける印象が変わってね、わぁ~そういう感じで描いてくださったんだー!って一枚一枚感動した……色々重なって感極まる。


元明天皇展は、2020年が平城京遷都から1310年であり、翌2021年が遷都を行った女帝・元明天皇の崩御1300年という節目の年に、激動の時代を生きた元明天皇の人生を知っていただき、ゆかりの地を訪れるきっかけになればとの願いを込めて、企画されたパネル展。
僕の最推しは元明天皇こと阿閇ちゃん。だから2020年が大きな節目の年であることは意識していたし、勝手に盛り上げる気でいたものの、何かイベントが企画されないかな、という期待を持っていた。
そんな年明けのことを思い始めていた昨年の年末、生駒さんから元明天皇の企画展示の手伝いをしてもらえないかと、お声がけいただいたのだ!生駒さんも最推しが元明天皇で、数少ない同士。二つ返事で引き受けた。むしろ、手伝わせていただいて感謝しかない。
最近ぽつぽつと、本業ではない趣味の歴史関連で、お手伝いを依頼される機会が増えてきた。なんの肩書も無い僕を信頼してくださっている人がいらっしゃることが、本当に有り難くて嬉しくて。だから自分にできることであれば、全身全霊でお応えしたい。

年の瀬の『ことのまあかり』さんで最初の打ち合わせ。2時間近く、ほぼ阿閇ちゃんの話題っていう濃厚なひととき。
生駒さんは、奈良が大好きで、古代の女性たちについて伝えることをライフワークにされている。中でも元明天皇への思い入れが強いのは、前述の通り。だから、平城京遷都から1310年にあたる来年は、何かやりたい。10年前の平城遷都1300年祭では、遷都をした元明天皇の影がまったく無かったのもある。だから此度の節目には、女帝の人生にスポットを当てたいんだと。
僕も大いに同感。10年前は歴史に興味が無くて、あとから阿閇ちゃんを知ったから、あの祭を楽しめなかった悔しさがある。今こそ楽しむチャンスだし、多くの人に知ってもらいたい。
どんな展示にしたいか、ざっくばらんに意見を出し合った。そのなかで、知らないことを教えてもらったりもした。さすが、詳しい。

年が明けて、杉山先生に監修していただけることが決まり、コロナ禍の影響で会期の予定が変わり、そもそも開催できるのかという不安にも駆られつつ、僕はパネルにするための素材集めに勤しんだ。生駒さんとはオンラインでの打ち合わせもした。
夏になって、奈良に旅行した際には、平城宮いざない館で平城宮跡管理センターの室長さんにご紹介いただいたり、企画展示室の下見をしたり、テラス席で打ち合わせをしたり。
そこから一気に加速して、パネル枚数を念頭に事績を分類、パネルテキストのたたき台を作成。時世柄、来館が難しい方のため、オンラインでできることや、グッズのアイデア出しなんかもした。生駒さんのほうはというと、各所と調整や取材などなど、文字通り忙殺されていた。
たたき台に対して加筆修正が入り、入稿手前で僕のほうで再度訂正や気になる所を入れたり。ギリギリまで作業があったから、設営完了の報せを聞いたとき、心底ほっとした。

そうして今日という日を迎えた。最後に指摘した部分がどうなっているか、とついついそういう目線でパネルを読んでしまう。その甲斐あって、誤字脱字をこの土壇場で見つけたんだけど(全部はその場で見つけ切れなかった……)。
客観的に見ると、テキストのボリュームが結構あるんだけど、阿閇ちゃんの人生のワンシーンを美しく切り取った恭子先生のイラストと合わさることで、絵本を読んでるかのよう。

と、嫁の気分が急に悪くなり、慌てて室外のベンチまで連れていった。咳ひとつすら憚られる世の中だから、変に気を遣い過ぎたんだろうか。本人も原因がわからないという。ひとまず嫁には、そこで休んでもらうことした。


僕だけ企画展示室に戻り、頃合いを見計らっていると、パンフレットが届いた。出来立てほやほやのそれを、少し多めに頂いた。それから、生駒さんに伝えるべきことを伝え、会場を後にする。あまり長居するのは邪魔になるし、嫁のことも気掛かりだったから。
合流した嫁は、具合が良くなっててひと安心。パンフレットの裏表紙に載った僕の名前を見て、一緒に喜んでくれた。

自分の作ったテキストが最終的に活きるのか、それに様々な要因から開催に漕ぎ着けるのかも、心配だった。だから、こうして形になって胸をなでおろしたし、とてもとても嬉しい。
ただ、本当の勝負はこれから。阿閇ちゃんをどれだけ多くの方々に知ってもらえるか、ゆかりの地にどれだけの方々が訪れてくれるか。
僕ひとりの仕事では当然ないし、生駒さんの企画や恭子先生のイラスト、その他関係者さんたちの仕事の積み重ねがあればこそ。むしろ僕は、ほんの少しお手伝いしたに過ぎない。だけど、こうして携わったからには成功を願わずにいられないし、仮に携わっていなかったとしても、推しのことを知ってもらえたら幸せ。

さて、ここから先は、展示とは無関係な余談。
嫁を休ませるためにも、ホテルへ向かう。先述の通り、宿泊はJWマリオットホテル奈良。大宮通りに面した入口から入ってエントランス前に車を付けると、ホテルマンが駐車場に着いて案内してくれた。荷物を下ろしてもらい、嫁にも先に降りてもらって、駐車場に車を回す。エレベーターでフロントに行くと、嫁がチェックイン手続きを途中まで進めてくれていた。部屋に着いたら、夕食までゆっくり。
ディナーは『Silk Road Dining』。正倉院、ひいては平城はシルクロードの終着点ともいわれ、そういう意味が込められているんだろう。サーロインの焼き方がスッゴク良くて美味しかった!モンブラン(白い山)の概念を覆すデザートも可愛かったねぇ。
部屋にロビーラウンジにと、随所に鹿モチーフがみられた。デザイン云々はさておき、素晴らしいホスピタリティーを受けられて久しぶりに感動したよ!お名刺頂いたマネジャーさんから特に親切にされたけど、あれを全ての客にしているんだとしたら凄いな。ベッドの寝心地も良かったし、また泊まりたい。
GoToトラベルキャンペーンがあろうがなかろうが泊まりたいホテルだったけど、お得に利用できたのは確かだね。

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